タイトルの「スライブ」ですが、「スライブ(thrive)」という言葉には、ぴったりとした日本語が見つからず、原文のままを用いています。英英辞書上では、その単語は「(of a child, animal, or plant) grow or develop well or vigorously.」とある。訳せば「子供や動/植物が良く、生きいきと育ち、伸びること」となります。そういう、生命の活性ある姿がこの部のテーマとなっています。

すでにこの部では、「寿命200歳への展望」「意識の科学」そして「身体・心・霊性」の三章については翻訳掲載済みです。

そこで今回以降は、それらに続く「輪廻転生」から始めて、それ以降の章へと進んでゆきます。 詳細記事

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一見、望みなしと映る闘いへの、その重要問題の打開法は、私たちの現実へのコンセンサスつまり常識をただ変えることにある。支配者が持つ唯一の武器は、私たちの真の能力についての知識を手の届かないものにさせること。したがって、私たちの人としての可能性を全面的に開花するよう進化することが、黄金の時代を約束する。 

 

歴史の緒言

 

「人生における私の使命は、ただ生存するだけでなく、はつらつと成長することです。そうするために、情熱、思いやり、ユーモアそして何らかのスタイルが必要です。」 ――マヤ・アンジェロウ〔アメリカの公民権運動活動家、詩人、女優、1928-2014〕 詳細記事

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私を非現実から現実へと導け。私を暗闇から光明へと導け。私を死から不滅へと導け。」――ブリハッド・アーラニヤカ(ヒンドゥー教のウパニシャッド哲学の最初期・最古層の一文献)

 

輪廻転生への信念は長く、かつ、いまだに継続されており、東洋の宗教的伝統における明瞭な特徴となっている。この教義は、インドの大部分の宗教的伝統――ヒンズー教をはじめ、ヴィシュヌ教、シバ教、ジャイナ教、シーク教、そして様々な東洋ヨガ――の中心的な教えである。同じアイデアはまた、いくつかの古代のギリシャの哲学者たちにもた抱かれた。特定のエソテリックなキリスト教の伝承では、イエス・キリストが輪廻転生について語ったとしている。現代の多くの非キリスト教徒も、前世を信じており、それらには、ニューエイジ派、スピリチュアリズム、サイエントロジー、特定のアフリカの伝統の信者、そして、カバラ、スフィズム、グノーシス主義キリスト教の哲学者などがある。仏教においての生まれ代わりの概念は、しばしば輪廻転生と呼ばれるが、ヒンズー教の伝統やニューエイジ派の信念――生まれ代わるべき「自己」または個々の魂はない――とは大きく異なっている。

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第二章 

カメさん

 

カメさん、あんたはどこまで始末悪い人なんや。私がいちばん話したかった相手なのに、私がやっと物心ついたとき、あんたはもう死体だった。黄色い顔して床に転がっていた。歳は六十過ぎだったか。

カメという名が嫌いで、自分で別の名前をつけていたとか。いつの時代にも名前の定まらん人はいるものよ。

カメは、「鶴は千年、は万年」に因(ちな)んだ命名かな。六十そこそこでは長寿とはいえなかったけど。

今では私の方が年上になるほど時が流れた。話し合いたい気持ちは募(つの)る一方だが、死人に口なし、やむなく手紙を書こうと思うが、お前さん字が読めんそうや。まあ、誰かに読んでもらって。あんたの子や亭主もそっちにおろうからな。 詳細記事