収入と住む魅力、必ずしも一致せず

平均収入の伸びは全国一であるのに、人口の伸びでは遅れをとるシドニー。一方、セミトロピカルのブリスベンは、収入の伸び率は劣っておりながら、人の流入を群を抜いて引き付けています。

下の左グラフが示すように、常勤週当たり平均収入において、NSW(ニューサウスウェールズ)州の伸び率(四半期毎の年率)は、05年中、早いペースで他州を追い抜き、全国トップに浮上しました。一方、一昨年中、トップを維持していたQLD(クイーンズランド)州は、昨年に入り、その勢いを急速に失い、昨年末には、最下位の伸び率に後退しました。また、WA(西オーストラリア)州は、比較的安定して、上位を維持しています。製造業の拠点が多いVIC(ヴィクトリア)州では、その海外流出の影響をまともにうけ、伸びに勢いを欠いています。

右グラフは、2005年までの、五年間(上黒色)と一年間(下灰色)の年当たり人口の伸び率を各州首都ごとに比較したものです。ブリスベンがどちらの伸び率とも、全国トップを維持していますが、ことに一年間の変化では、それをパースが急迫して追い上げています。また、人口の遥かに少ないトロピカル都市ダーウィンが、この一年の変化の大きさを示しています。シドニーを下回るのは、キャンベラとアデレードのみです。

こうしたシドニーの収入の伸びの高さには、居住費の高さにもかかわらず、オフィスの所在地をシドニーからは移したくない、企業側の思惑が影響しているもようです。



 (資料出所: 24 Feb 2006, Australian Financial Review紙)

 (2006.2.25)                                                   
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