住宅価格に二重構造

パースを筆頭とする住宅価格の値上がりに沈静化が見られる一方、高級住宅地帯では引き続く値上がりが見られるものの、低価格地帯では値下がりがおこっているなど、住宅価格に二重構造が出現しています。

下記の表のように、戸建住宅およびアパート住宅の中央価格は、過去一年間では、大きな開きがあったものの、三月までの三ヶ月の動きは、どの都市でも、ほぼ沈静化してきています。

こうした状況は、昨年の三度にわたる利息引き上げにより、住宅ローン返済が困難になる家庭が出始め、収入に余裕の少ない低価格住宅所有者を中心に、やむない売りに追い込まれているからです。かってなら、年収の3倍程度がローンの枠でしたが、近年では、ローンブローカーも増加して競争が高まり、貸し出し基準も甘くなる傾向があります。そうした中で、年収の7〜8倍のローンも組めるケースもでまわっています。

住宅、アパート価格は、資源ブームで追い上げの激しかったパースが、トップのシドニーにほとんど追いついています。

こうして、全般に、新規住宅の供給は低下し、一方、あまりに高値となった住宅に手が出せない、ことに若い家族が増加、所有をあきらめ賃貸に頼る傾向が高まり、ここのところ、賃貸家賃の値上がりが顕著となっています。それとともに、賃貸住宅の空き室率も記録的な低下をみせ、希望の地域に空き屋、空き部屋をみつけるのが難しくなっています。これからオーストラリアに来ようとしている方、こうした住宅事情を十分ご顧慮を。

 
備考: 左から、都市名、今年3月の中央価格、1−3月の値上がり率、過去12ヶ月の値上がり率
 (資料出所: 28-29 April 2007, Australian Financial Review 紙)

 (2007.4.30)
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