カップルのみ世帯は1/3に
オーストラリアでも、少子化の現象は顕著で、平均世帯家族人数が低下の一途をたどっています(下グラフ参照)。1911年には4.6人であったものが、1930年代半ばと1980年代半ばにそれぞれ4人と3人を切り、2001年には2.7人にまで下がってきています。この90年間で、一家庭の中から、子供がほぼ二人きえたことになります。

             

また、下の表は、過去25年間の、世帯構成の変化をタイプ別に示したものです。特徴は、両親と子供といういわゆる標準的タイプの世帯が減少し、カップルのみで子供なしという家族が全体の三分の一に達し、片親世帯も、十分の一になっています。

世帯のタイプ 1976 1981 1986 1991 1996 2001
片親要扶養子供 6.5 8.6 7.8 8.8 9.9 10.7
カップルのみ 28.0 28.7 30.3 31.4 34.1 35.7
カップル+要扶養子供 48.4 46.6 44.8 44.4 40.6 38.6
カップル+自立子供 11.1 10.0 10.9 9.5 9.0 8.4
その他 5.9 6.0 6.2 5.9 6.4 6・5
合    計 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
 単位はパーセント

このカップルのみという世帯は、子供を育て終わった熟年夫婦か、若い供働きの夫婦で、経済的には比較的裕福なタイプと見られています。

この調査を行ったのは、オーストラリア家族問題研究所で、「若いカップルが20代のうちは、子供を持つことに関心が高いものの、それが30代になると、男女ともに、低くなる」と指摘しています。

近年、日本では、両親のもとから自立しない、いわゆる「パラサイト」家族が増えていると指摘されていますが、オーストラリアでも、同様な傾向はあります。ただ、男女で違いがあり、しかも男の方が二倍近くも高い特徴があります。

まず、女性では、20歳代末まで両親のもとに生活するのは、1981年の5.7%から、2001年の11.7%へと倍増しています。

他方、男性では、同期間に、13.1%から20.0%へとやはり増加しています。同研究所では、こうした増加傾向は、教育のための期間が延びていることによると説明しています。

ただ同研究所は、この男女差の理由については説明していません。男性の教育率が女性の倍もあるはずはありませんが。

(2004.11.24)

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