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カカドゥー国立公園

カナナラ

カカドゥー国立公園は、北部準州の首都、ダーウィンの南東およそ200kmを中心とする実に広大な氾濫原野やその辺縁区域からなり、その面積は約2万平方キロメートル(ほぼ四国に相当)におよび、日本最大の湿原、釧路湿原国立公園と比べてみても、その10倍強の広さです。

また、カカドゥー国立公園は、1981年の初登録以来、二回にわたり拡大され、現在、その自然、文化双方の世界的価値により、ユネスコの世界遺産(複合遺産部門)として登録されています。

            

まず、第一の魅力は、いたるところに広がる湿原で、水生動植物の宝庫です。上の写真は、湖沼に残された立枯れ樹木に群れなす白いオオム、カカトゥー。

下の写真は、水面に咲くスイレンの花と、大木の根元に体を休めるクロコダイルです。二枚ともに、公園内のイエロー・ウオーター・ビラボンにて撮影しました。

 

当公園は、文化的遺産という面でも、優れた価値を持っています。その特徴は、公園内に千箇所以上も存在する、オーストラリア大陸の原住民、アボリジニが残した岩の表面上の壁画です。

こうした壁画は、描いた部族や時代によって、そのモチーフや画法に様々な違いがありますが、ことに有名なのが、「レントゲン技法」と呼ばれる、あたかもX線撮影のような壁画です(写真下)。これらが描かれたのは、紀元前5000年頃という古さです。また、遺跡の発掘から、40万年以前から、人が住んでいた形跡が発見されています。

200年そこそこしかない植民地化以降のオーストラリアの歴史とくらべると、それ以前の歴史がいかに長く、かけがえのなかったものであったかがしのばれます。

       
【部族の伝説を伝えるアンバンバンの壁画。中央のナマンジョルは、姉妹と近親相姦を禁じる掟をおかし、ギナーとよばれる大きなクロコダイルにされたという。】

下は、ウビルの岩山の頂上、クウンガーラ見晴台から望む雄大な夕焼けと見渡す限りの湿原。



(2004.11.10) 

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