岐路に差し掛かる豪州経済
10月の連邦銀行会議は、再び、公定利息の6.0パーセント据え置きを決め、情況静観の姿勢を維持していますが、経済状況にはゆっくりながら速度低下の傾向を示し、岐路にさしかかりつつあるとの観測が出されています。ビジネスにとっても消費者にとっても、見通しは不確定となっています。

下のグラフを解説すれば、(1)引き上げられた利息と高騰した石油価格は小売支出を抑制、(2)住宅建築は上向きとなりつつもその前途は不確かで、(3)企業心理は中立し、(4)消費者意欲は低下しているものの石油価格低下で持ち直しつつあり、(5)海外の貿易相手諸国の状況は好調なものの、(6)経済成長率の中期展望は、近年の4パーセント前後から、3パーセントほどへと低下傾向が見られる、となります。

今後の見通しですが、石油価格の下落を重視する楽観論もあるものの、来年には、オーストラリア経済を牽引している資源ブームが後退し、さらに住宅需要も力強さを失う、との悲観論も出始めています。

そのいずれかをめぐり、オーストラリア経済は岐路に差し掛かかろうとしています。

また、昨月就任したスティーブンス連銀長官は、10月11日、初めての演説を行い、その中で、もし、7-9月四半期の消費者物価指数(月末に発表)が高い水準を示した場合、金融政策を締め付け方向へ傾けることを示唆し、インフレ率を2−3パーセント内にもどすことを目標とするとしました。

 
 

資料出所:Australian Financial Review, 7-8 および 12 October 2006.

(2006.10.12)

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