豪新年度経済予測 ほぼ快晴
8月1日発行の豪大手経済紙は、7月からの新年度を迎えたオーストラリア経済の予測を公表しました。その見出しは、「将来、これ以上を望むものなし」 とあり、そのさらなる好調ぶりを示し、予測成長率も、前年度の5割増しの4パーセント程度とはじいています。以下は、その総括記事の翻訳です。

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将来、これ以上を望むものなし
              (Australian Financial Review, 1 August 2007より)

経済は、旱魃の終息、労働力および生産的基幹設備の増強、最大人口をかかえるNSW州の需要の立ち直りにより、大盛況をみせつつある。

2007-08年度の成長は、4パーセント近くとなりそうで、過去一年の成長率の50パーセント増以上となる。

もちろん、その予測にはリスクを含んでいる。米経済は不安定で、中国は加熱の危険をはらみ、原油価格はバーレル当り80米ドルへと向っている。だが、もっともありうるシナリオは、この先一年のオーストラリア経済の成長にとって、その下支えとなるに十分なものである。

新年度における国内経済の唯一の弱点は、高まるインフレのリスクで、4-6月四半期のインフレ率である0.9パーセントがそれを示している。その結果は、少なくとも、もう一回の公定利率の引上げとなるだろう。

しかし、いくらか高めの利率に推移したとしても、新年度の全国経済のほぼ完璧に近い予測を台無しにするまでにはならないだろう。

それは、より力強い成長があるばかりでなく、それが経済のより広い部門にわたってゆくものであるからだ(下記グラフ参照)。輸出はその成長に、2001年度以来の最大の貢献を示し、事業投資は通常にはみられぬ好調を継続、住宅建設は回復への道をたどり、消費支出も確固とした増加をみせるだろう。

    

同時に、こうした成長は、地理的にも、より均等な拡大を見せるだろう。地下資源の豊富な州のブーム状態は引き続き、NSW、VIC、南オーストラリアの各州は回復をみせ、ことにNSW州は、過去5年間での最高の成長となるだろう。

経済条件における最大の差異は、気候と農業生産において見られる。雨は大陸のほとんどすべをうるおし、農業・資源経済局(ABARE)は、冬季穀物の生産が二倍になると予測している。また大蔵省は、国内生産への農業部門の貢献度がほぼ20パーセント上昇すると予測している。

非農業経済もまた、急速な加速をみせている。六ヶ月前、その成長率は3パーセント以下にとどまっていたが、今、それは、維持するのも難しい、4.6パーセントにも達している。

その違いをもたらしている別の要因は、ことにNSW州における消費支出の立ち直りである。この最大人口州は、西オーストラリア州の6.3パーセントにつづく、4.6パーセントの実質成長を示した。NSW州は、全国経済の07-08年度成長の中心となることが見込まれる。

全国の消費需要の力強い増加は、極めてたくましい雇用需要の成長が賃金の上昇と家計の富の増加をもたらしたためである。常用雇用は年率3パーセントの伸びを示し、平均上昇率の倍となった。実質賃金の伸び率も、通常値の3倍となっている。それに、株価も上がり、不動産価格も底を入れ、実質家計資産も過去一年間で4.5パーセントの確固な増加となった。

ことに、最も重要な変化は、供給サイドで発生している。労働力と生産施設の成長なくして、経済の安定した成長はおこりえない。

移民流入人口は、年、約15万人を推移しており、労働人口成長率を年1.7パーセント押し上げている。これは、1980年代以来、最大の数値である。同時に、労働参加率が上昇しているのも、高齢の労働者が退職を遅らさせているからである。

労働力は、今後も着実に増加することが予想される。それは、家計の第二の収入に課されていた高い課税率の見直しである。大蔵大臣は、こうした課税の軽減により、労働参加率が上昇し、約4万5千人の新たな増加が見込まれるという。これは、延べ労働時間数で言って、0.5パーセントの伸びをもたらすものである。

その一方、新年度では、政府の社会保障制度の改革により、失業率と労働力の改善も見込まれる。

設備投資は、これまでの二桁の伸びとはいかずとも、新年度では、およそ6パーセントの伸びが予想されている。これは、過去20年間の設備投資年間平均伸び率である3パーセントを上回っている。

その結果は、生産能力の上昇と、より緩やかな労働力の増加を伴う、労働生産性の向上がもたらされよう。

(2007.8.1)

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