豪州経済、曇った新年の幕
新年の取引の始まったオーストラリアの株式市場は、米国の景気後退の恐れを反映し、11日金曜までのその最初の一週間で、97.1ポイント、5.2パーセント下げた5981.6となって、心理的レベルである6000を切って週の取引を終えました。

この豪州株式取引の基準である S&P/ASX200 Index の下げは、昨年11月の6828.7の史上最高値からの12.4パーセントの下降でもあり、半年以内での10パーセント以上の調整の二度目のものとなっています (下記グラフ参照)。

      

2008年のオーストラリア企業の成長見通しは、豪ドルのレート高、人件費・原材料などのコスト高、金利の高まり (下記グラフ参照) 等を原因として、2002年以来の最低のものとなっています。
                
          
   各国政策金利レートの比較
こうした、海外要因によるさえない経済事情を反映してか、豪州ビジネス界の要人たちは、クリスマス・新年休暇を、従来より長目にとる傾向があるようで、通年なら、2週間程度の休暇が、今年は3週間ほどに延びている様子です。

こうした雰囲気のなかで、ビジネス中心街のカフェやレストランでも、「今年は2週間店を閉じたけど、開店最初の週はうんと静かだ」 との声も聞かれます。

ただ、昨年11月末の選挙で政権が交代し、政府首脳陣の総入れ替えが続く首都キャンベラの官僚たちの事情は、こうしたビジネス界とは逆のようで、休暇も短縮してその対応に追われ、政府出入りの業者間では、新政府との取引獲得のためにも、多忙な年末、年始を強いられた模様です。

資料: The Weekend Financial Review, 12-13, and 14 January 2008.

(2008.1.14)


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