ネット時代の 《“旅”と“団らん”の場》 を開設

2013年3月、ウェブサイト上“レストラン” 「二周目かいわい」 の開業予告をしました。以来、二年間にわたりその準備を進めてきましたが、いよいよ、その“開店”のはこびとなりました。永らくお待たせ致しました。それが、このホームページ最下段に新設しましたコメント・フォーラム『ブログり合うも何かの縁』です。

さて、これが一体、そういうレストランなのかどうか、それは少々“あやしき”ではあります。しかし、私がそれをレストランとイメージしてきているものは、六十の手習いで始めた寿司シェフ業を通じ、実際のお客さんと対面する緊張と面白さを体験し、その生な出会いと交換の醍醐味を、私なりの形で、今日のネット時代に即して実現しようとするものです。

また、そのバーチャル・レストランには、ご常連つまり会員という形で、課金制を取り入れようとも考えてきました。言い換えれば、お代を頂くという形での現実味にトライしようとの構想でした。

しかし、この課金制についてはさらにその上を目差し、これまで通りのフリーサイトとしての立場をこれからも堅持いたします。つまり、そうした現実性の追究とお金稼ぎの試練以上に、本来のねらいである《出会いの醍醐味の実現》により重きを置きたいがゆえです。

あるいは、そういう醍醐味は、むしろそれこそが他の何ものにも代えられない現実味であり真実味ではないかとも考えるからです。つまり、あたかも常識であるかのお代を頂くことなのですが、そこに何とも割り切れない、あるひっかかりを感じさせられてきました。その初心を大事にしようとの思いです。今後もこの点は私の考えのひとつの柱となってゆくはずですが、それは言い換えれば、お金という“回り道”を経ないでもすむことではないか。ことに、それが金銭問題(あるいは売り買い)では片付かない真に人間的な事柄を交換する場においては、むしろそういう“介在物”を通さないこと自体が必須条件ではないか、との考えに至ったからです。そう、家族や友人関係がそうであるように。

加えて、私も年金生活者のひとりとなり、こうして与えられた生存条件の《社会化》の現実的意味を、そういう形で社会に返還してゆきたいとも希望するからです。

 

そうした私がねらいとする人と人との出会いに焦点をあて、この『ブログり合うも何かの縁』を開設、運営いたします。

現在、このサイトには、この一年の実績で、新規とリピーターを合わせて一日平均450人ほどの来客があります。またこの一日に450人(年にすれば述べ17万人)とは、9割ほどの日本からのほか、ほぼ全世界からの来訪者もふくまれています。いうなれば、毎日々々、これだけの多数かつ多彩な人々がこのサイト上を行き交っているわけです。

つまり、私は、それほどのたくさんの人々と、毎日、潜在的に出会っているわけで、自分で言うのもおこがましいですが、これは並のことではありません。これだけの“集客力”は――お金稼ぎを重視すれば、何らかの広告もアレンジしうる力なのでしょうが――、もしそれを「力」呼びえるなら、私はその力を、本来の目的とする人と人との生の出会いと交換の発展のための、もっと直接で豊潤な「人間エネルギー」に変換しうるのではないかと考えます。それが「フリーサイト」維持の究極の趣旨です。

おいしい料理をつどって食べると、その賞味の共通体験が媒介となって、その人たちの間に、なごみ打ち解けた雰囲気がかもし出されるものです。それがファミリーなら、それが家庭の味と団らんです。そうした「賞味団らん効果」は、本サイト上に行き交う450人の間にも起こりうるのではないか、そう思います。

それに、その毎日450人という方々は、無数に存在するサイトの中から、それこそ、砂浜中の一粒の砂粒を見つけるかのほどの、不思議な相互の「引力」を介してそう互いに行き交うようになっている人たちのはずです。つまり、そうした人たちのなすその《つどう力》には、むろん家族や友人に代わる、そこに秘められた別の何かがあるのではないかとも考えます。そして、そうした人々をくくる「何か」を実測し、具現し、育成することも、この『ブログり合うも何かの縁』を設置するさらなるねらいでもあります。

 

思えば、私の知己やビジネスの同僚らは、自らの足で世界を地理的に旅する方法をもって、その出会いの味と醍醐味を楽しんでいます。これはこれで絶妙な方法ですが、彼ら彼女らがそうできるのも、どんな場所でも誰とでも交せる、コミュニケーション力を発揮しているからです。

それに比べて私は、旅はむろん好きですが、外向性とコミュニケーション力という面で、それを自らの武器とするほどではありません。

そこで、その自分向きの武器をしいて呼べば、《“テク”向性》と《“ウェブ”ミニケーション》とでもなりましょうか。

そんな模索と着想を経ての到達点が、この『ブログり合うも何かの縁』です。言うなれば、今日的な《旅》ならではの「出会いの場」です。

そうした趣向とこころざしに関心を持たれ共有されるどなた様にも、本レストランのドアは開かれています。

どうぞご来店を。

そして、ネット時代の「団らん」を満喫しましょう。

もはや距離が壁ではないのは言うまでもなく、時間のトラベルすら、味わいのメニューに入ろうとしています。

 

 

 

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