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19ヶ月間にわたったBMA(BHPビリトン・三菱共同企業体)紛争は、二週間前の7月6日に、経営、組合両サイドの基本的合意に漕ぎ付き、なんとかの収拾は図れました。
この終結には、第三者である、元ACTU書記長のビル・ケルティーが仲介に入り、両者を説得した背景があります。彼は2000年に同職を引退した後、連邦準備銀行の理事をはじめ産業界の各種顧問役を勤めてきています。
今回の終結までの交渉の詳細は公にはされていませんが、組合運動の大物OBが乗り出してきて事を片付けたこの経緯は、いかにもオーストラリア的なものでもあります。
こうして、問題は一見落着したのですが、第三者の介入なくては解決できなかったことに関し、この紛争に限らず、最近の長期にこじれた他の紛争も、同じく第三者の力が必要だったということもあって、現行労使関係制度(FWA)への疑問が語られています。今後、制度をいじくる議論は、来年の総選挙の争点とも絡み、課題にのぼってくるでしょう。しかし、プロジェクトを進める実務的立場から見れば、いかなる制度ができようが、当事者以外の要素に頼らなくてはならないシステムは、それだけ、弱点をかかえているものと言えるでしょう。つまり、望まれるのは、関係当事者が、その範囲で自己解決を図ってゆける――それだけの厚みをもっている――システムこそが、もっとも有効かつ有益なものであるでしょう。
そういう意味で、我々は、少なくとも特定顧客向けへの具体的アドバイスとしては、一種の 「プロジェクト内協議会」 の設置が必要であると企画しています。
話は変わって、旧 『修業風景』 の復活めいた話なのですが、先日、「新たに寿司バーを開店するのだけれど、そのシェフに加わってくれないか」、との誘いをもらいました。
その話の主は、以前、いっしょに働いたことのある若いコリアンの寿司シェフで、念願の自分の店をもつ段階にまで漕ぎつけて、日本人である私に、是非とも加わって欲しいとの要請でした。
まことにうれしい話ではあるのですが、もし加わるとなると、昼から夜までの、しかもフルタイムの仕事であり、現在のコンサルタントの仕事もやりながら、片手間でできることではないので、少なくとも当面は無理であるとの返答をしました。
私は彼に、いいセンスがあって、目をかけていたのですが、今のところ直接には協力できないものの、お客の拡大の側から、応援していきたいと考えているところです。
(2012年7月20日)
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