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創刊にあたって


 このウエブ 「空間」 の設立を思い立った動機は、 「リタイアメント オーストラリア」 のモットーである 「両生」 活動が、実際行動面ばかりでない性格を持っていることや、またある面では、そうせざるを得ない状況に至っていることに、注目させられるようになったためです。
 というのは、日豪間の 「両生」 生活で見ますと、今年7月からの 「退職ビザ」 の廃止と 「投資者退職ビザ」 の新設は、ビザ取得の資金的な敷居をいっそう高くしたもので、いわば、富裕層ではない “庶民層日本人” にとっては、オーストラリアでのリタイアメント生活の実行がさらに困難となりました。
 もちろん、観光ビザによる数ヶ月単位の 「両生」 生活は従来通り可能ですが、数年単位の、本物のその生活は、“高嶺の花” になってしまった感はぬぐえません。
 ともあれ、 「両生」 活動そのものは、実際のオーストラリアへの移動を前提としなくとも、それを想像体験したり、あるいは、日本での生活の中にひそむ 「両生」 的要素を探求したりすることはできるわけです。それに、さらに広く目を向けますと、 「両生」 の学芸的意味を考察することは、ひとつの今日的新分野として、その開拓もおおいに可能と思われます。
 そうしたことから、このウエブ 「空間」 は、むしろこうした広がりと可能性に着目し、 「両生」 生活のもつ想像界的発展を、追究、エンジョイしようとするものです。
 あるいは、「販促宣伝」風に言いかえれば、「わざわざ足を運ばなくとも、そのエキスをお届けします」、といったところでしょうか。
 そういう次第で、 「両生」 生活の実際的面は従来のウエブサイト ( 「リタイアメント オーストラリア」 のホームページ) において、実用情報ととしてこれまで通りに提供し、そして、その想像世界面は、このウエブ空間において新規展開するというように、棲み分けてゆきます。
 なお、事業登録との関連では、このウエブ 「空間」 の制作は、「リタイアメント オーストラリア」 の事業とは分離したものとし、あくまでも、個人による執筆活動の範囲に属すものといたします。ただ、その事業との関連性という点で、リンクを設置しておきます。
 今後この 『両生空間』 は、当面のこころみとして、毎月15日を更新日に、稚拙ながら、一種の月刊誌を発行する感覚で取り組んでゆきたいと考えています。
 どうぞご期待ください。

 編集・発行人 松崎 元 (2005年8月)

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