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<連載> ダブル・フィクションとしての天皇 (第27回)
帝王学とは雑学なり
「帝王学」という言葉があります。
私はこれまで、そういう学問体系があるものかと思ってきました。もちろん、それは庶民が学ぶべきものでなく、それ相応の身分の人が学ぶもので、そういう特殊な学問ながら、そういう専門の学問領域があるものと思ってきました。
以下は、正しいのかどうか、私の独断ですが、この訳読をし、昭和天皇の幼少時代の記述に接してきて、どうも、そういうものではなさそうだ、と気付かされています。
どうやら帝王学とは、帝王になるべき人が学ぶ 「雑学」 全般のことを、そう呼ぶようです。
昭和天皇の場合、その帝王学に相当する勉強を、さまざまの分野の当時の第一線の講師を招き、その講義を聞いたとあります。なかにはけっこう退屈なものもあって、「じゃがいも」 クラスであったのもあるようですが、そういう最高レベルの多種多彩な講義の全体を、あえて呼ぶとするなら、帝王学とよんでいるのではないか、と推測jするものです。
そういう意味では、僭越ながら私自身も、それぞれは必ずしもその分野の第一線であったわけではありませんが、結果的にさまざまな分野の学問に首をつっこんでくることとなりまして、そうした雑学の系譜はたどってきたように思います。むろんそれは帝王学たるものではありません。しいて言えば、自分学としての、文字通りの雑学でした。それをこのサイトでは、「両生学」
と呼んでいます。
では、今回もその訳読にご案内いたします。
(2010年8月1日)
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