DNAミステリー(その1)

〈訳読‐2b〉現代の「東西融合〈涅槃〉思想」(その1)

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「生命の遺伝子の種は、宇宙中を満たしており、そのうちのいくつかの『種』は、他の惑星と同じく、地球にも降ってきている。そして、こうした遺伝子の種は、あらゆる生命の変態――女と男など――の指令を含んでいる。DNAは、環境を意図的に変えるよう働き、かつ、特定の遺伝的目標――沈黙したDNAの分散や発動、そして大昔に他の惑星に住んでいた生命形態の複製化――を完成するよう、遺伝子選択をすすめる。」

ラウン・ジョセフ

(論文「進化的変態」の著者) 

何が人間を、それほど特別につくったのだろうか。それはおそらく、私たちは、他の種が私たちをどう知覚しているかを考える、唯一の種であるからだ。私たちは、こうした合理的な精神、活動的な自由意志、それに加えて、自己心酔への偏好を持っている。私たちは、建築学、医学、文学、芸術、音楽、そして科学を創設し、また、他者を罰する力もそなえている。私たちはまた、ボタンを押すだけで他者を破壊できる、唯一の種でもある。いかにして私たちは、他の動物を優越し、それほど創造的に異なっているのか。結局、私たちのDNAdeoxyribonucleic acid(デオキシリボ核酸)〕のほぼ99パーセントは、チンパンジーのDNAと同じである。進化論生物学者によれば、私たちはサルの子孫である。私たちの手は、人間に精密性と力を与えた際立った遺伝的特徴をもっている。つまり、私たちの親指は他の四本の指のすべてに触れることができる。なぜ私たちは、そうした多目的な手をもっているのか。人間を人間としているものは、いったい何なのか。ゲノム〔一つの細胞の中の半数染色体とその中の遺伝子を合わせたもの〕は膨大な研究分野で、「生命学」の根本的探究を始めるには最適の領域である。

受胎のほんの数日後、鶏、亀そして人間の胎児は、おどろくほど類似している。それが時間とともに発達するにつれ、劇的に変化してゆく。生物の身体を形成するのは遺伝子の数ではないのだが、それぞれの種を独特とさせるものは何なのか。そこに突然変異は考慮されねばならない。というのは、それは生物の多様性をつくる決定的変化要因であるからだ。DNAは膨大な情報量をもっているがゆえに、その保有主全体を形成するときに、再編成や変化がありうる。DNAは私たちの遺伝子へ指令であるのか、それともその結果なのか。

 

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 with permission, (c) Brad Olsen, 2015

 

 

実に不思議なことだが、医学のシンボルは、遠い昔から、杖のまわりに二匹のべびがらせん状に絡みついたものである。予言していたのであろうか。それとも古代の知識だったのか。なぜDNAが古代の医学の象徴と驚くべき類似性をもっているのか、この一致は説明されるべきだろう。

 

 

 

 

 

大部分のDNAは、タンパク質を処理しないが、私たちの独特の性質を創り出す遺伝子の「スイッチ」を入れたり切ったりする。DNAタンパク質は、髪の毛、筋肉、軟骨、その他の特徴を作る。そのスイッチは、ある時は入り、別の時は切れ、また、あるところでは入り、別のところでは切れる。他の遺伝子は、そうしたスイッチを入れたり切ったりの命令をし、またその時を指令する。タイミングが重要なようである。スイッチは、あらゆる種に決定的貢献をする。それは体内の細胞に、いつ起動するかを指令する。さらには、そうしたスイッチの半分以上は、脳の中だけで働く。スイッチは、未解明のDNAの中に見られるが、未解明な分野とみなされている。たとえば、魚のひれの成長の順序は、他の動物の四肢や指の発達に似ている。それは、私たちがどれほど動物と類似、あるいは違っているかを示している。科学者は現在、動物のDNAを順序付けし、人間を含む、他の生命体のそれと比較している。研究者は、根本的に異なった生命体をつくるため、そうしたスイッチ、順序、そして突然変異を通した方法を組み建て直すことを追求している。DNAの研究は、医学の発達や私たち自身の考えをより向上させて、過去を明晰に振り返り、かつ、将来への探求の道を切り拓いている。

 

猿から人間へ

私たちが誰であるのかを理解するために、まず、私たちにもっとも近い親戚、チンパンジーと人間のDNAの違いから確認してゆこう。注目される第一の違いは、胎児期において、人間のDNAは、手や足の親指の発達から先に活発になってくることである。脳はまた、初期に目立った違いがおこる臓器である。人間の脳は、チンパンジーの脳にくらべ、3倍の大きさがある。またその他の人間とチンパンジーとの顕著な違いは、人間の顎の骨の突然変異で、それにより、人間はおよそ30歳になるまでも頭骨が発達する。だが大型類人猿の頭骨は、3歳から4歳までで成長がとまる。科学者は、脳の発達を規定するひとつの遺伝子を特定した。チンパンジーとくらべ、人間の脳は、大規模な一連の突然変異によって、劇的に異なっている。たとえば、人間のDNAには、チンパンジーと違って1500万の文字がある。脳の複雑性と大きさは、もっとも基本的な違いである。人間の相互のDNAでの最大の違いはスイッチで、半分以上が脳に関連している。チンパンジーとニワトリの大脳皮質は2文字の違いがあり、チンパンジーと人間では18文字の違いがある。これは比較的小さな違いでありながら、大きな結果をもたらす。

人間とチンパンジーの身体は、ともに数兆個の細胞をもっており、各々の細胞には、23の染色体をもった細胞核がある。こうした染色体は、DNAのらせん状分子のひもとタンパク質分子からなる。各DNA分子は、一組のヌクレオチド――リン酸塩、糖(デオキシリボース)、塩基(グアニン、サイトシン)、そして窒素(チミン、アルデニン)からなる――をもち、二重のらせん状――塩基対と呼ばれるグアニンとサイトシンあるいはチミンとアルデニンとの間で――をなしている。人間のゲノムのなかには、30億の塩基対があり、各人間は10万の遺伝子を持っている。一個の遺伝子は、1千から数百万の塩基対を持っている。人間には、各遺伝子に対応した、一連のミームがある。ミームとは、一連の記号、シンボル、意味、信条、直観、文化様式、霊魂形式などがなす母型のことである。

チャールス・ダーウィンは、どうしてそれほどの異なった種がありうるのか、また、何がそうした違いをつくったのかを考えた。そして彼は、そうした生命の膨大な多様性の理解を広げた。進化説は、「かつてない考え方」と評価された。彼の発想は、ガラパゴス諸島で、ゾウガメの甲羅が、島ごとに違っていることに着目することから生じた。また彼は、他のガラパゴス諸島の鳥は一種しかいないのに、フィンチ〔アトリ科の小鳥〕がそうでないこととの違いに注目した。彼はことに、わずかな条件の違いに適応している13の島の13種のフィンチを記録した。それぞれのフィンチの餌のちがいが、そうした特徴を決定していた。遺伝的違いが特徴を決定する。時や世代によるわずかな違いが、最適の遺伝を選択するという、彼のもっとも有名な「適者生存」の考えを生んだ。

ダーウィンはさらに考えをすすめ、ヘビやクジラが、その胎児の時には足や歯があるのは、〔それらをもった〕他の動物の子孫ではないかと考えた。すべての胎児はあきらかに、頭先尾後の順、すなわち、体の長い軸が発生する際、頭が先に、それに「尾」あるいは身体がつづいて発達する。彼はすべての種が関連付けた「生命の樹」を描いた。たとえば、鳥と恐竜は、同じ種同士で持つほどと同じくらいの、たくさんの特徴を互いに持ち合っていた。鳥は、恐竜の生きた末裔であると言うものもいる。ダーウィンの生命の樹は、「変化の系統」とも呼びえた。彼は、犬の飼育者が特徴を選別して新しい犬をつくり出しているのを目撃した。自然淘汰は、生命の巨大な多様性を説明していた。どの種も、生存のために懸命に闘争していた。ダーウィンは、種の戦場――環境に依拠した生存の形で、その特徴を決定――を観察していた。そして最後には、サルが木からはい出し、立ち上がって歩きだし、「人の系統」が始まった。

そして今日では、ダーウィンの進化説が確立されるてきているが、彼は、その理解を新たな段階へとするDNAを研究する機会がなかった。彼が観察してきたものは、DNA――あらゆる生物の成長と発達を形成する決定的暗号――があらゆる種の細胞の中に発見できたことであった。DNAはそれぞれの世代で異なり、その半分は父親より、別の半分は母親よりきていた。変化は突然変異として生じ、ダーウィンが鋭く発見したように、それが多様性を作り出していた。科学者は今日、突然変異で進化した遺伝子を特定することができる。彼らは、どのように進化が働くのかを文字通りに観察するため、生物の遺伝子を比べることができる。人間は、そのDNAの中に30億個の文字を持っている。人間は2万3千個の遺伝子をもち、それはニワトリとほぼ同数であるが、トウモロコシよりは少ない。多くの植物の遺伝子は、人間より多い。人間の遺伝子は、多くの動物とほぼ同じである。多くの胎児は同じように始まり、発達の間、同じ遺伝子の順位をへる。他の遺伝子は、髪の色、毛の長さ、そして大きさを決定する。各種の遺伝子の数は重要な要素ではなく、それがどのように用いられるかが決定的である。

 

「出生の秘密」

1953年、ジェームス・ワトソンとフランシス・クリックは、DNA分子の二重らせん構造を発見した。このDNAの分子構造における二重らせんの発見に対し、1962年のノ-ベル生理学・医学賞が与えられた。

このDNAの二重らせん構造の発見者の一人、フランシス・クリックは、生命の起源についての諸説への賛否両論を詳しく論じる中で、地球の青緑藻類への宇宙起源の種付けをその根拠とした。彼の仮説によると、この種付けには目的があり、生命を絶やさぬことを確実にするためであった。クリックは、この「胚種広布説」(彼は、19世紀末の生理学者アレーニウスが提唱したと言う)は、生命の種は進んだ地球外文明によって意図的にばらまかれたと仮定する説であるという。その後、生物学者は「RNAの働き」 〔RNA(リボ核酸)はDNAの遺伝情報を転写する際の媒介分子〕が、生命の起源に関係しているらしいと提唱し、クリックは、「我々は出生の秘密を発見した」と特異な声明を行いつつ、たとえDNA暗号が解読された後であっても、生命が地球を起源としている機会は極めて悲観的なことであると述べた。そして彼は、科学の限界を認識しつつ、伝統的ダーウィン説より胚種広布説のいっそうの信ぴょう性を発見すべきであると付け加えた。さらに彼は、胚種広布説は「少なくとも可能性があるというより、重要なことは、完全な否定ができないことだ」と述べた。

「出生の秘密」〔を作り出す遺伝上の仕組み〕は、地球上のあらゆる生命体が、DNA〔デオキシリボ核酸〕と呼ばれる共通の遺伝物質をその体内にもっていることである(例外は特定の微細なビールスで、それは遺伝物質にRNA〔リボ核酸〕をつかう)。RNAは、DNAと違って、通常、一重らせんの分子で、リン酸基鎖もはるかに短いとされている。DNAがデオキシリボース〔五炭糖の一種でリボースの水酸基を水素で置換えたもの〕を成分としているのに対し、RNAはリボース〔五炭糖の一種〕を成分としている。RNAはヌクレオシド〔リン酸基〕モノマー〔単量体〕からなる核酸ポリマー〔重合体〕である。DNAはどんな生物の細胞中にもあって、その成長や機能の遺伝上の命令を与える核酸である。この遺伝情報をつかさどるDNAの部分が遺伝子と呼ばれるが、他のDNAの部分は構造上の目的か、この遺伝情報の使用を制御する役目をもっている。DNAは、RNAおよびタンパク質と伴に、三大高分子のひとつで、あらゆる生命体にとって不可欠の成分である。どのDNAも、四種のアミノ酸――核基とも呼ばれる――、すなわち、アデニン(A)、グアニン(G)、サイトシン(C)、チミン(T)からなっており、遺伝子の基部と呼ばれる。これらのうち、二つのアミノ酸の組が、基ペアとよばれる。

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with permission, (c) Brad Olsen, 2015

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DNAは生命の分子である。人間の身体の内の数十億の細胞のそれぞれは、46個のヒト染色体をもっている。2メートルの長さのDNAは、30億個の構成要素をもち、A、T、C、G基とよばれる。そして、およそ3万個の遺伝子は、ほとんどの生命機能をささえるタンパク質に指令を与える。

 

人間のDNAが様々な仕方によって、置換えられたり、変化したりするのが明らかとなっている。そうした変化は、通常、突然変異と呼ばれるが、この「突然変異」という言葉にはどこか否定的な含みがあるものの、突然変異には、適応性を増したり進歩を作り出すものもある。また、環境上の条件も突然変異の原因となる。現行の説によれば、突然変異は進化の基本的要因で、かなり頻繁かつ自然に生じる。DNAの目的は、設計図を用意することで、それはRNAによってタンパク質へと複写される。細胞中のそうした複写過程でDNAの原型とのわずかな違いが発生する率は、DNA基ペアのおよそ一億個に一つほどである。しかし、信じがたいことに、人間の細胞はそうした違いを認識する修復機能をもっている。それに関連して、遺伝学者が「位置突然変異」と呼ぶものがあり、それは、アミノ酸が外的な理由によって本来あるべき位置とは違ったところに置かれるものである。

1980年代に、米国のヒトゲノムプロジェクトは、人間のDNA連鎖全体の地図づくりという目標を完了させた。それは、通常の理解を絶する、すさまじい取組みであった。すなわち、30億段の横桟をもつ2メートルの長さのはしごを想像してみよう。その各横桟は異なった一対のアミノ酸でつながっている。そのアミノ酸は四種のみが可能であり、その一対が横桟をなしている。そのはしごの両端は反対方向にねじられている。そしれそれがねじられながら、そのはしごはしだいにしっかりと巻き付きあって不定形なボール状となるが、それは信じられない程に小さい。たとえば、人間の脳の細胞の場合、その直径は6万分の11インチ〔2400分の1ミリメートル〕である。また、各細胞の中心には、全体の4分の1以下の大きさの核がある。人間の身体のおおむねすべての細胞は核をもち、この2メーターの長さの螺旋状DNAを含んでいる。人間のDNAは、線状をなす合計60億個のアミノ酸によって基本的に描かれている。1998年までに、DNA連鎖の地図作りの作業が事実上完了したが、期待された通常のアミノ酸連鎖の位置は、実際の機能や目的を理解させるまでの意味を持っていなかった。つまり、私たちは、アミノ酸が何であるかは知ることができたものの、その機能や目的については必ずしも明らかになったわけではなかった。こうした研究の完成までにはまだまだ道のりは長い。だが、それによりいくつかの関連した発見がなされ、ことに、「宇宙放射」あるいは胚種広布の考えに結びつき、地球外部からの遺伝子変異が人間の進化に点火させたとの考えをもたらすこととなった。

 

知的DNA操作

DNAは、もっとも複雑な分子である、と理解されている。人間のDNAは二重らせん状をなし、〔線状の〕各ひもは、A、G、C、Tという四種の化学基によって結ばれている。DNAの突然異変は、放射線あるいは紫外線を受けて、アミノ酸が切断されたり結合されたりすることにより、染色体内の遺伝子が影響されることによる。科学者は、以下に述べる3種の技術をもちいて、DNAを操作することができる。

 

  1. 遺伝子技術とゲノム研究 科学者は〔DNA〕の個々の要素とその地図を作り出した。そして、DNA分子が何をなすかを追跡し、遺伝子を操作することができる。
  2. コンピューター化 数学やコンピューターの演算法を用い、DNAを設計したり変換することができる。研究者は、科学的最適化をもたらす因果関係モデルを実現することができる。
  3. ナノ・テクノロジー これは、分子レベルにおいてDNAを操作する技術である。科学者は、DNAをその分子のレベルで置換えたり、変換させたり、調整したりできる。DNAを書き換えたり、指令したりするのも理論的には可能であるが、研究者は、その源情報を理解しなければならない。

 

生物進化は、技術進歩とちがって、カタツムリ速度でしか進まない。技術進歩は、ラマルクの遺伝説的で一世代のうちにおこる。生物進化はダーウィン的で、変異した複写変化が幾世代にわたってくりかえされ、ひとつの突然変異が種の全体に広がるまでに数千年を要する。しかし、宇宙は巨大で極めて古く、事実上、永遠の時間をへてきたということを忘れてはならない。

遺伝技術操作、DNA組換え技術、あるいはDNA変換とも呼ばれる遺伝子操作(GM)は、生命の遺伝子を直接操作することをいう用語である。GMは、伝統的な品種改良法と混同されてはならない。後者は、種の遺伝子を〔そのものには触れず〕間接的に操作する。一方、前者は、分子のクローニングや転換といった実験的技法を用いる。GMへの取組みは、収穫技術、操作したバクテリアを用いたヒトの合成インシュリンの生産、中国ハムスターの卵巣細胞内でのエリトロポイエティン〔腎臓で作られるホルモン〕の生産、そして、研究目的の実験用マウス――腫瘍マウスや癌マウス――の生産といった成果を生んでいる。そしてさらに驚かされることは、ヒトゲノムプロジェクトで働く研究者の一部グループが言うには、ヒトDNAの非翻訳鎖の97パーセント以上が、ET生命体の遺伝子コードであるという。〔訳注〕

〔訳注〕 ここで言う「翻訳」とは、DNA情報がRNAに複写されることをいい、「非翻訳鎖」とは、そうした複写がされていない原情報群のこと。つまりこのセンテンスの意味することは、ヒトとET生命体のDNAは、97パーセント以上が同等であると言っている。後述記事参照。

クローンは、通常、ひとつの細胞から核――組織全部のDNAではないがそのほとんどをもつ――を取り出し、それを、別の核を取り除かれた個体の卵子に入れて行われる。クローン研究のほとんどは、秘密におこなわれ、その結果が公表されることはない。クローン人間は、すでに私たちの間に存在しているのだが、社会はこの神を戯するかの技術によってまともに驚かされることはない。今では、自分が飼っている猫を、死ぬ前にその組織を取っておき、その細胞から核を取り出し、ある雌猫の核を抜いた卵子にその核を入れて、クローンすることが可能である。その卵子を、「代理母猫」に植え付け、その飼い猫の遺伝的特性をもつその「受精卵」を養わせる。もしすべてがうまく行った場合――そうでない場合が多いのだが――、もとの猫とほとんど遺伝子的に同等の子猫が生まれ、原理的に、同じ猫を永遠にペットとすることができる。この方法ではしかし、もとの猫のミトコンドリアDNAが移転されず、ある生体の存命中に体内の体細胞の突然変異があった場合、それは保証されるものではない。したがって、もとの猫の皮膚細胞は、作り出された受精卵のものとは、遺伝子的に同じではないものとなる。さらに、農業者のだれもが言うように、同一の品種のクローンを重ねれば重ねるほど、DNAは弱まり、その結果、いっそう病気耐性がなくなってしまう。

 

進化への挑戦

地質時代のとてつもない長さ――代、紀、期、世、時代、そして歴史上のまとまった時期の連続――をよく理解するため、ひとつのモデルを考えてみよう。地球という惑星の起源は、一般に、46億年前とされており、もっとも古い隕石が発見された時である。地質時代の広大さをより身近にするために、46億年を1年と考えてみよう。もっとも古い化石は、その365日のうちの、わずか40日さかのぼるだけである。地球の歴史の88パーセント以上が、先カンブリア紀〔最古の地質時代〕で占められている。その残りの時代のうち、地球に動物が出現した時代の後、原始人やその子孫があらわれたのが、1パーセントにもならない時である。人類がこの惑星に存在しているのは、わずか2時間ほどである。そのうち、現世人の存在は最後の5分でしかない。もっとも古い現世人の出現は、ほぼ26万年前のアフリカの可能性があるが、確実なのは、16から15万年前である。その時期、ホモサピエンスは、アジアのホモエレクトスや、ヨーロッパや中東のネアンデルタールと同在していた。「核アダム〔家族〕」といった、今日の人類の共通の祖先として最初に知られたものは、9から6万年前に存在し始めた。1年間尺度を用いると、現世人より古い動物種には、進化の概念の可能性、蓋然性そして包括性をそこに含むが、人間では数字〔1秒〕にもならない。

科学界では通常、〔進化過程での〕知的意図は特殊創造説〔種の起源および物質の発生は進化によるのではなく、造物主の特殊の創造によるとの説〕に科学的妥当性を与える最新の解釈とみなしてきた。すなわち、知的意図は、自らの宗教的理念に科学を援用した、特殊創造説者による誤った考えの別種の試みと見なされてきた。それがしかし、私たちは今日、知的意図は科学的定説のひとつにできると見はじめており、宗教上の意味付けは避けながらも、経験的支持を与えている。ダーウィンの『種の起源』にもとづく進化説は、DNA分子が単に自然な突然変異によるものにしては複雑すぎるため、根拠を薄れさせる過程にある。フランシス・クリックですらその後、進化が許されたそれほどの短い期間で人間のDNAを作り出してきたとするのは不可能と考えられることを数学的に立証している。

進化が唯一はたらくのは、特定の種が膨大な規模で存在している場合であり、ことに現世人にとって、可能であった時間枠より、はるかに長い条件が必要であるとするものである。アセンション(潜在的な飛躍、すなわち、突然の「新存在」)は、そこでキリストが復活して数千年にわたる平和を保正したという、単にクリスチャンが歓喜する概念に限定されるものではない。その時こそが、私たちのDNAが新たな系統へと繁殖する時であり、人類は眠ってきた超人間の能力を自然に発達させるだろう。心の抱くことを、体が達成するのである。

 

人間DNAの中のET遺伝子

非翻訳鎖は、地球上の生命体――藻類から魚類そして人類まで――の共通した特性である。非翻訳鎖は、当初、「ジャンクDNA」として知られていたもので、数年前に発見され、その働きはいまだに完全には判っていない。人間DNAのなかでは、それは全ゲノムのかなり大きな部分をなしている、ヒトゲノムプロジェクトのクループ・リーダーのサム・チャン教授は言う。同グループによると、圧倒的多数の人間のDNAは、その起源は「外来」だという。彼らは、明らかに「地球外のジャンク遺伝子」が世代から世代へと引継がれている活発な遺伝子に「便乗」しているらしいことを発見した。

他の科学者――コンピュータ・プログラマー、数学者、そして他分野の科学者――の援助をえた緻密な分析の結果、チャン教授は、「人間のジャンクDNA」は明らかに、だれか「地球外のプログラマー」によって作られたのではないかと考えた。同教授はさらに、人間のDNA内の外来部分の大きな部分に、「自身の静脈、動脈をもち、そして我々の抗がん剤に頑強に抵抗する免疫システムがある」、ことに注目した。

同教授は加えてこう説明する。「それを私たち人間の言葉で考えると、明らかな『地球外プログラマー』は、いくつものプロジェクトに関与し、そうしたプロジェクトは様々な惑星の生命体を創生したにちがいない、『ひとつの巨大コード』にのっとっている可能性が高い。彼らはまた、様々の解決をこころみている。そうした地球外プログラマーは、その「巨大コード」を書き、実施し、気に入らない部分は変更したり新たに加えたりして再度実施し、改良を重ね、それを繰り返している。」

チャン教授はさらに明記している。「我々の仮説は、高度な地球外生命体は、新たな生命の創造に取組み、様々な惑星に植え付けた、というものである。地球は、そのうちの一つにすぎない。おそらく、プログラミングの後、その創造者は、私たちがシャーレ皿の中で細菌を培養するように、我々を育てた。私たちは、それが科学的実験であったのか、植民目的での新惑星の準備であったのか、あるいは、宇宙に生命を種付ける長期ビジネスの途中であるのか、その動機を知りようもない。」

チャン教授と伴に研究に当たったチームは、さらにこう結論付けている。「その明白な『地球外プログラマー』は、彼らが終了期限に合わせるよう『地球プロジェクト』に専念した際、将来への理想主義的計画を一切しないよう命令されたようである。明らかに急いでいたようで、『地球外プログラマー』は、巨大コードを大幅に縮小し、地球用の基礎的プログラムを持ち込んだようである。」

チャン教授は、増加している人間の地球外起源を仮定するDNA研究者や他の科学者のうちの一人である。「遅かれ早かれ、私たちは、地球上のあらゆる生命は地球外の親戚の遺伝子情報をもっており、進化とは私たちが考えるようなものではないという、信じられないような考えを把握しなければならなくなる」、と教授は言う。

チャン教授のさらなる結論はこうである。「私たちが人間のDNAに見るものは、二つのバージョンからなるプログラムである。ひとつは巨大コードであり、他は基礎コードである」。そして彼は勇敢にもこう断言する。「第一の事実は、完全な『プログラム』は意図的に地球向けには書かれておらず、これは立証されたことである。第二の事実は、遺伝子は自分自身で進化を説明してはおらず、『そのゲーム』には、それ以上の何かが必要なことである。」

 

スターチャイルドの頭骨

1930年代にメキシコの洞窟で発見されたスターチャイルド頭骨は本物で、900年前の骨である。それは、専門家によって調査され、厳密なDNA試験が行われるまで、何十年も戸棚のなかに置かれていた。ひき続く調査は、そのスターチャイルド頭骨は、人間ではないことを示す身体的特徴、生物化学的特質、そして骨内部の繊維や残留物という証拠を提供した。最近では、2010年のDNA試験の結果、この頭骨は正常なものとは異なる少なくとも10標準偏差があることを確認した。それらは、骨の構成で通常の人間の骨と比べ、半分の厚みで、半分の重さを示していたが、顕著に耐久度をもっていた。その骨は、歯のエナメル質にいっそう近い物質であった。2003年のDNA試験では、その頭骨は人間の母系統をもっていることが発見され、純粋な宇宙人種ではありえないと確認されていた。しかし、最新のDNA試験より得られたことは、その頭骨は人間と宇宙人の混種に属するものであった。その「mt〔ミトコンドリア〕は、DNAの部分で、母系統からのみ引継がれるものであった。2011年、遺伝学者がこのスターチャイルド頭骨を調べ、そのmtDNAは、人間DNAとはおおいに違ったものであることを発見した。すべての人間DNA間のmtDNAの数の差は最大120である。スターチャイルド頭骨の場合、それは800から1000であった。これは部分的結果であるが、その頭骨のmtDNAは人間ではないと宣言するに充分なものであった。

スターチャイルド頭骨の謎を議論する最大の収穫は、私たちの視野を、進化論や特殊創造説の教義を越えて開放するところにある。この驚くべき標本を、人間の奇形としてしまい、人間と宇宙人の混種説における手掛かりとは採り上げないことの損失はあまり大きい。この問題は、たとえば、「我々は猿の変じたものでない」との声明のごとく、私たちの理解を妨げるのはただの〔解釈の〕言葉であると認めること以上のものを示唆する。私たちは今や、それ以外の問題も含むであろうが、我々が猿の直接の子孫ではなく、DNA要素を共有するものであることに、気付きはじめている。浮上してきいている視点は、地球は、多種のET遺伝子の入り混じりが観察される、多種を保有する遺伝子上の一種の動物園であるというものである。数千年昔、地球に存在した混種ETのDNAの結果、人間血統と人間頭脳における極めて変則的特徴をはじめ、すべてが新たな「介入説」に結合して、年々、信頼度を高めてきている。

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with permission, (c) Brad Olsen, 2015

世界的に有名なスターチャイルドの頭骨(写真右)は、本物の骨で1930年代に発見された。その生物は約900年前に生存していたもので、北メキシコの洞窟に埋められているのが発見された。この骨と通常の人間の骨(写真左)との間には、25以上の主要な体型的違いがある。そうした違いのほとんどは、他の人間の頭骨や地球の生物の骨のどれにも見られないものである。とくに重要なのは、スターチャイルドのDNAの最近の調査で、その全部のゲノムが入手され配列された。それによると、その遺伝子は人間のそれよりはるかに違っており、その違いは、チンパンジーやゴリラとの違いよりも大きかった。

 

DNAは宇宙から到来

『DNA構成要素は宇宙製』と題した報告書が、2011年8月、NASAから出された。「もし、小惑星が生命出現以前の物質を生産する化学”工場”のごとくであったなら、それらは、それぞれの小惑星の条件や構成要素の広範な違いから、生物ではなくとも、多種の核酸基をつくったことが期待される」、と、NASAゴダード宇宙飛行センターでマイケル・カラハンは語った。同センターと彼の率いるチームは、炭素成分に富む12個――うち9個は南極で発見――の隕石を集めた。そして同チームは、核酸基とよばれるDNAの成分である、アデニンとグアニンを発見した。また、そのうちの2個からは、世界で最初に、核酸基に関係する3つの分子の痕跡物を発見した。この3個の分子はプリンで、2,6-ジアミンプリンと6,8-ジアミンプリンで、後者は生物学ではほとんど使われたことのないものであった。この発見は、小惑星と彗星が生物の必須分子の構成要素を形成した可能性を示し、生命の起源への大きな根拠を加えたのであった。

宇宙生物学者においては、多くのビールスが宇宙産であることはよく知られている。ちなみに、〔インフルエンザの語源である〕中世ラテン語の「インフルエンティア」は「星の影響」との意味をもつ。2010年1月、別の研究は、「人間の遺伝物質の8パーセントはビールスから来ている」と発表された。この報告は、人間の進化は、宇宙の要素によって影響された、もしくは、推進さえさせられた可能性――科学者によりビールスが星間起源だと知られてきたことと一致する――がきわめて高いということを示唆している。

NASAのゴダード宇宙飛行センターの研究者たちは、南極とオーストラリアの砕かれた宇宙岩石の断片に、DNAの部分を発見した。そうした宇宙産の分子は、多種の核酸基を含んでおり、そうした核酸基は、DNAそして、ひろく生命の創造に必須の要素と考えられている。科学者は、その成分を追跡し、それは、地球によっては生成されなかったことを証明している。そのチームはまた、その構成や落下速度の異なる特定の宇宙岩石が、それらの生物学的前兆要素の製造源として働いたことを発見した。こうした発見の意味するところは遠大であるが、それはともあれ、生命の起源は、早期の地球に到来した隕石によっており、それなくしては、この惑星は、いまなお、岩と水だけの荒廃地であったかもしれない。

地球への到来物体を起源としているとの生命要素に関するNASAの「新発見」は、スイスのUFOとの遭遇者ビル・メイヤーが1988年に出版した書物でも確認することができる。メイヤーは、NASAの数十年にわたる話――彗星や隕石による「種まき」により生命が地球でも始まったとする――をすっぱ抜いた。実際、NASAの発見は、メイヤーがその数十年前に語った生命種まきの全宇宙的現象の話を、事実上、繰り返すものであった。

こうした発見が示唆することは、DNAは量子エネルギー波の産物であり、宇宙の基本法則に書込まれたものであることである。それは、地球上の生命の形成をつかさどる法則であり、また、宇宙の物質やエネルギーのふるまいをつかさどる法則でもある。つまり、DNAはエネルギー波として始まり、いかなる物的分子の存在も必要としない。したがって、DNAの構造は、全宇宙にわたって存在する。私たちは、宇宙全体と銀河系がデザインしたものであって、地球上の偶然な突然変異の産物ではない。人間は多くの異なった世界で別々に進化したと推察される。私たちは、少なくとも22の異なったDNAを人類種に持っている。ということは、数代にわたる混種を通して私たちの一部となった、他の存在の遺伝的記憶を合わせもつことを許している。

人間のデザインは本質的に銀河系に、おそらく、ある程度は全宇宙に由来するのであろう。もしこれが事実だとすれば、人類は、レムリア〔昔存在していたと仮想されている大陸でインド洋を占めていた〕もしくはアトランティス〔ジブラルタル海峡の西方大西洋中にあったとされている楽土〕の時代に地球に入植した者たちである可能性があり、彼らの頭蓋骨は、私たちより著しく大きい脳の容量をもつ。後述するように、こうした人々は、対抗する入植者間同士の核戦争を原因とする自発の大異変によって、そのほとんどが一掃された。そしてその生き残りは、ピラミッドを建立して自らを癒し、その軸線上でその災難の残余から地球を立て直した。彼らは、量子進化飛躍を通した居住可能な各惑星に作用する自然サイクルの直接の知識を持っている。彼らは、超能力をつかさどる人間の脳内の臓器を知っており、それは、この自然サイクルによって「起動」されるのである。

 【次回につづく】

 

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Modern Esoteric: Beyond Our Senses,  by  Brad Olsen

http://cccpublishing.com/ModernEsoteric  www.bradolsen.com

with permission, (c) Brad Olsen, 2015


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