ライフオロジー(その1)

〈訳読‐2b〉現代の「東西融合〈涅槃〉思想」(その12)

 

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ラジカルに見直した自然史、地球史、そして人間史。ライフオロジーは地球上の生命にまつわる既成の物語を見直す対抗言説。

 

歴史の緒言

 

「青い錠剤を飲めば、話はお終いだ。君はベッドで目を覚まし、信じたいことを信じればよい。赤い錠剤を飲めば、君は不思議の国にとどまることができ、私は君に、ウサギの穴がいかに深いかを見せてやるよ。」――モルフェウス(映画「マトリックス」より)

 

「常に変化をとげている世界にあっては、予想可能な将来のあなたに役立つどんなテーマも分野もなく、その残りの人生は、なるようにさせるしかない。いま身に着けて置くべき最も重要な術は、どのように学べばよいかを学ぶことだ。」――『メガトレンド』シリーズ著者、ジョン・ナイスビット

 

「私は、絶望に陥った人ほど、救済の主に守られるべき人だと思う。」――マハトマ・ガンジー

 

「自分をうつ病だとか自信喪失だとかと診断する前に、実際はそうでなく、周りにいるのは馬鹿者たちばかりだ、ということをはっきりさせたほうがよい。」――受賞作家、ウィリアム・ギブソン

 

「何物のいずれたりとも、同じ時を共有している。動物、樹木、人間、空気、いずれもそれを支えるあらゆる命とその魂を共有している・・・ 地球が人間に属しているのではなく、人間が地球に属している。あらゆる事物が結びつけられており、それは、血が家族を結びつけているのと同様である。地球にふりかかることは何でも、地球の子供たちにふりかかる。人間が命の織物を織ったのではなく、人間はその単なる一本の糸でしかない。人間がその織物に行ったなにごとも、自分自身におこなったことである。」――シアトル市長

 

「自分の顔を夜明けにむけ、永遠の丘へとその歩みを進めて豊かな知恵の果実が提供された旅人たちにこそ、それを通じて、知識を理解する道が開かれる。」――ピタゴラス派数学者、ファブレ・ド・オリベット

 

「世界の調和は、形式と数字の出現によってなされ、心と魂と自然哲学のすべての詩は、数学的美の考えによって体現される。」――スコットランドの動物学者、ド・アーシー・ウェントワース・トプソン卿

 

「あなたは、自分の頭上を不幸の鳥が飛ばないようにはできないが、自分の頭に巣をつくらなくさせることはできる。」――スウェーデンの諺

 

 

ライフオロジー

 

「人類がなした達成はいずれも、それが生活の質を保持、向上させる程度に応じた価値をもつ。人類の将来は、科学知識を大自然の知恵と結合させる能力にかかっている。」

アビター・チャールズ・リンドバーグ(1967年『ライフ』誌記事より)

 

私たちとは誰なのか。人生の意味とは何なのか。私たちの真の根源はいずれにあり、他の生命との結びつきとは何であるのか。そうした疑問が本章「ライフオロジー」のテーマであり、そしてそれは、すべての生命の研究として知られている。こうした定義はたいへん広範な分野を対象とし、かつ、予見不可能な領域をも含み、また、私たちの惑星における、長い伝説の歴史研究にも関係している。こうした課題は、エソテリックのレンズを通して実行され、そこで諸事象は、必ずしもその見かけ通りではなく、「私たちの感覚を越えた」次元とも共存することとなるだろう。ライフオロジーは、マクロレベルとともにマイクロレベルの研究も含み、また、多くの偉大な先達たちが観察したごとく、「それがゆえ、かくのごとし」なのである。

生命は気難しがり屋で、どこでも繁栄できるというものではない。永遠の存続のためには、それは必須な条件を求める。地球上では、生命は生存の三条件を必要とする。すなわち、(1)炭素、水素、酸素、窒素という化学成分を構成する諸原子、(2)水、(3)太陽光といったエネルギー源、である。太古の地球における単細胞組織から今日の複雑な生命まで、ほぼすべての生命は、有機物質により構成されている。物質とは、すべての物体を構成する諸要素の一般名称である。第一に、物質は原子と質量をもつ他の粒子を含有している。炭素、水素、酸素そして窒素の四元素の原子は、他元素の微量成分と結合して、私たちの細胞つまりアミノ酸の構成体である分子を構成する。炭素の複雑な分子は、酸素、水素そして窒素といった他の元素と結合している。炭素は、原子価4の電子がゆえに、どの他要素とも結合できる。第二に、地球上の生命は、有機物が互いに反応しえるよう、水といった液体を必要とする。第三に生命の必須要素はエネルギー源である。太陽光は、光合成や、この惑星上のほとんどの生命に有益な生命形成分に役立つ。

天体生物学において、もし生命が地球以外の宇宙のどこかに存在しているとすれば、それもまた炭素が基礎となっていることが仮定されるが、この仮定は批判者からは「炭素優越主義」と呼ばれている。天体生物学者は、小惑星、流星、そして宇宙塵が単純な形の生命を運び、それを受け取った惑星に広げ影響をもたらしていると提唱している。この宇宙における原始生命の拡散を、「パンスペルミア〔胚種広布〕説」と呼ぶ。これは、ダーウィンの進化説に対置されるものとして提起され、まだ証明されておらず、いまだ仮説段階にある。パンスペルミア説の可能性を研究している科学者は、すべての生命がたくさんの同一のDNAを共有し、同様な遺伝が、人間と猿の間のみならず人間や植物の間でも生じていることを指摘している。こうした類似性は、強い関連性の証拠であり、進化説では説明できない。

ホモサピエンスの出現までに、かつて存在したすべての種の99.9パーセントがすでに絶滅したと推定されているため、地球上のおおくの絶滅は、自然に発生した現象とかんがえられている。現在、人間と同じく、おおくの家畜動物が大量に繁殖している一方、多くの他の種が減少、あるいは絶滅の危険にひんしている。植物相そして動物相へのおびただしいストレスが、直接および間接に、人間によって加えられ、「生物ジェノサイド」とさえ呼ばれている。国連開発計画の報告書は、「毎年、1万8千から5万5千種が絶滅している。その原因は人間の活動である」と述べている。人間は、現在この地球上で、不均衡かつ持続不可能な様相で生存しているのは明瞭である。そして、人間の大多数の生命すら、ガンやストレス関連の病気の増加によって、均衡を失っている。種の絶滅は、どの時代のそれよりも多く、人間はエコシステムのマネージメントに失敗し、その過程で、自らをも損なわせているのである。

 

青く緑の私たちの球体

地球の大気は、この惑星を取り囲む気体の層で、地球の引力によって保持されている。地球の大気は、その分量から、おおむね78.08パーセントの窒素、20.95パーセントの酸素、0.93パーセントのアルゴン、0.038パーセントの二酸化炭素、他の微量の気体、そして変化はあるものの平均約およそ1パーセントの水蒸気からなっている。この気体の混合体が空気と呼ばれる。大気は、太陽が発する紫外線を吸収し、昼夜の温度差を緩和して地球の生命を守る。地球の大気は、たとえば雷のように、つねに電気を帯びている。私たちはこうした電気現象を、氷の柱状光結晶や、今日では昼間も見られるオーロラの北極光として目撃すことができる。不思議なことに、大気は、数年前よりいっそう電気を帯びている。

地球の大気と外宇宙との間に明確な境界はない。私たちの大気は、しだいに薄くなって宇宙へと消えてゆく。四分の三の体積は地表から11キロメートル内にある。高度80.5キロメートル以上を飛行する人間は、宇宙飛行士と呼ばれる。高度120キロメートルは、飛行船が大気に再突入する際に顕著な効果をあらわす境界となる。高度100キロメートルのカルマン線は、大気と宇宙を区別する境としてよく用いられる。

科学的な観測によれば、地球はその大気に、計測しうる脈動――「心拍」――をもっている。それは「シューマン共振」と呼ばれ、地球の表面と電離層下面との間の振動である。その振動は、毎秒、およそ7.8サイクルである。この値は、人間の脳波のアルファ波とベータ波とのちょうど中間である。これは、深く傾注したリラックス状態や直観に集中している状態を意味する。それは、馬でも犬でも猫でも同じ値である。シューマン共振は、地球を数秒で回る強力な波長であり、コンクリートもなんなく通過する。

そういう文脈では、私たちは現在、年齢45億歳の宇宙船に住んでいる。そしてその宇宙船は、有機食物の自給が可能で、かつ極めて複雑な構造をもっている。私たちの宇宙船地球号は、それより百万倍も大きな動力源の周りの周回軌道を回っている。それは、2千億倍以上の強い動力源であり、私たちの側のこの銀河系星雲には、他に地球のような居住しうる惑星もありえる。この星雲内には、40以上の恒星系がある。私たちにもっとも隣接する恒星系は、1億5千万光年かなたで、毎時2百万マイル〔320万キロメートル〕で動いている。この銀河系自身には、5億個以上の惑星があり、生命をもちうる可能性がある。そのような宇宙においては、ライフオロジー(あらゆる生命の研究)は、様々に異なった次元を持ちうる。

この青く緑の球体の生命は、きわめて貴重でまれなものである。地球の種の多様性は驚くべきほどである。たとえば、アリだけでも、1千万から1億種あると見積もられている。地球の大気圏を脱出し、この惑星を外から見つめた宇宙飛行士たちは、つねに、それが持つ人間と命あるものの深遠な一体性の感覚を体験して帰ってきている。彼らは、自分と宇宙の偉大な意識とのつながりの覚醒、人生の目的のいっそう明瞭な受け止め、そして、まったく無用な戦争というような人間の慣習的狂気への曇りのない視野といった、人生を変える偉大な開眼をもって帰還している。ひも理論物理学の方程式の数値――宇宙を少なくとも11次元で表現――や宇宙の神秘は、再度、出会いつつあるのだ。

 

  最後のフロンティア

宇宙は平穏な場ではない。つねに途方もないエネルギーの爆発が起こっており、私たちの銀河系星雲はたえず進化している。科学者は今では、宇宙が、エネルギーの波、塵の微粒子、そして生命で満たされていることを認めている。あたかも宇宙は、塵という微粒子の形で、それが受取り惑星に到着するやいなや梱包が解かれる原始生命の製造所であるかのごときである。このパンスペルミア広布は、はるかかなたの星雲にある無生命の惑星上でも生じている可能性があり、そういう意味では、同時にいたるところで、生命が誕生している。しかし、生命とは偶然かつきままで、地球ほどに豊穣な惑星はまだまだまれなケースであるようだ。

宇宙は、その神秘さほどには暗黒の世界ではない。星雲の渦の触手は羽や支脈状であり、巨大分子雲を形成している。ガンマ線は、超新星のような宇宙の最も極端な環境に関係していると考えられていた。しかし今では、50の星間ガンマ線の閃光が毎日地球上で生じていると見られている。「私たちが目にするいたるところで、雷や落雷から出されるエックス線やガンマ線が観測される」とフロリダ工科大学の物理学者、ジョセフ・ドウヤーは言い、「雷から発生するガンマ線は極めて強く、600キロ離れた場所でも測定でき、宇宙船からそれを見る者をほとんど盲目にさせてしまうほどである」。紫外線は今日ではヒーリングの手段と考えられ、また赤外線はデーター送信に最適であると見られている。

宇宙について教えられてきたことの多くは、エソテリックの立場から見直されている。例をあげれば、宇宙の実体は物質ではなく、私たちが時空間とよぶ変化の抽象的数値を意味する運動である。加えて、光より早い速度は今や常識――例外としてでなくそれが常態――で、アインシュタインの相対性原理に対立している。天文学者はとくに遅れており、例えば、星は赤色巨大星として誕生し、超新星として青色巨大星として爆発して死んでゆくとしている。だが、超新星には二種あり、青い巨大星の爆発という熱的限界にもとづくもので、他は、星のスペクトル分類でいう年齢的限界によるものである。星雲は、球状集団から、不規則型、渦巻き型、そして爆発してクエーサーを作っているものなど様々である。一般説に対する他の見直し説は、「ビックバン」説ではなくて、拡大ごとに縮小が伴っているとするものである。

宇宙は、私たちが理解しているものよりはるかに大きい。銀河系だけでも、2千億以上の星があり、宇宙には、星雲と見られているものが、1千億から1兆個存在している。銀河系星雲は「縞状」渦巻き型で、宇宙の全星雲の34パーセントは渦巻き型である。既知の宇宙にはもっと星があると見積もられており、世界中のあらゆる砂浜をあわせた全砂粒のごときである。

 

ハッブルの発見

ハッブル望遠鏡による最近の諸発見は、私たちの目を開かせ、宇宙とは、私たちが想像するよりはるかに大きいばかりでなく、私たちが理解できる意味よりはるかに複雑でかつ成熟している。数兆個の星とは、ことに、星の大多数は自身の恒星系をもち居住可能な惑星を伴っているとの近年の発見をもってすると、数十億個の命の可能性に等しいものである。1920年代においては、主流の科学は宇宙は静的な状態にあると信じて、それが、エドウィン・ハッブルが宇宙は拡大しており、従って遠い昔には巨大な「ビックバン」という始まりがあったと提唱するまで続いた。だが今や、あらゆる拡大には、論理的にも縮小がともなっていると、この広く受け入れられたビッグバン説への挑戦が行われている。今日、いずれの科学者もが共に同意することは、宇宙は外に向かっては拡大しているが有限な年齢があり、エーテルあるいは量子的真空があるエネルギー状態から他の状態へと飛躍する時、物体をこの宇宙内の物質界へと吸い込む劇的な「変換期」から生まれたとしている。私たちは、宇宙の拡大側におり、それは私たちの視点での見方であり、他の側では縮小している。

1.1.1 Fomalhaut

これはハッブル宇宙望遠鏡によるフォーマルハウト星の周囲の新たな映像で、その周りのデブリの円盤は新しい情報を提供しており、天文学者を驚かし注目させた。この2013年1月8日に公表された写真は、氷、塵、岩でできたデブリは従来考えられていたより広く、星から140から200億マイルの広さをおおっている。ナショナル・グラフィック誌は、科学者はこの写真をひとつの惑星フォーマルハウトbの動きを計算するのに用い、それがこの星を回るものだとしていると報じている。天文学者は、それが発見された際、その惑星の2000年周期の楕円軌道が以前に考えられていたより3倍もフォーマルハウトに近く、その真円でない軌道が、デブリに含まれる岩や氷をすくい取る可能性があると関心をもった。「その結論は、それが事実なら、2032年ごろ、彗星のシューメーカー・レビー9が木星に衝突したことと同じことがおこる可能性がある」と、カリフォルニア大学バークレイ校の天文学者ポール・カラスが述べている。(with permission, (c) Brad Olsen, 2015)

宇宙は、天文学者が最近、外的限界があると描いた境をはるかに超えて広がっている。合わせてさらなる六つのベルト帯があり、どんな単純な物質も存在せず、星や惑星やあらゆる物体のかなたにある。物体それ自身は、物体ベルトの中では定まった変換をしており、したがって、それは成長や分解過程に左右される。このため、物体は完全な宇宙になるほど古くはなれない。どの時にあっても、若い物体のみが物質宇宙を形成する。そのように、物体は、せいぜい400から450億年までが安定し固まった状態でいられる。宇宙全体の年齢は、しかしながら物体ベルトを超えており、それはおよそ46兆年にもなる。

1.1.6 Red Square Nebula

ウィキペディアによると、赤色方形星雲は、ヘビ座のMWC922 星の存在する位置にある天体である。この二極型の星雲の最初の写真はカリフォルニアのパロマ・ヘール望遠鏡を用いて撮影され、2007年4月に公表された。その方形な姿は注目され、シドニー大学の天文学者、ピーター・チューチルによれば、かつて発見されたもっとも対称的な天体であるとした。(with permission, (c) Brad Olsen, 2015)

対称性は自然に共通なものであるが、通常、なんらかの力圏あるいは有機物の存在を意味する。だがこの見方は、私たちが赤色方形星雲(写真)を考えた時、疑問をなげかけてくる。それは宇宙でもっとも見事な対象と言え、ほぼ完ぺきな対称性をなしている。赤外線写真によると、それは星というより、宇宙サイズの宝石のようである。赤色方形星雲は、MWC922と呼ばれる星の死の苦痛の産物とも表現でき、その一帯にガスや塵やプラズマを吹き出している。だが、爆発はふつう対照的ではなく、地球上の小規模なものでもしかり、星雲サイズでははるかにまれである。研究者らは、赤色方形星雲が驚くべき対称性をもっていることに注目し、その見かけ上の姿は、中央部からのエネルギーの定期的放出による、同心の帯あるいは波によるものではないかと推定している。赤色方形星雲は現在、かって写真撮影された比較可能な映像のうち、もっとも対照的なものと言われている。

私たちの太陽系が銀河系星雲の辺縁部にあることを所与の事実とすると、太陽系は線時間において比較すると、とても小さい存在である。星雲の中心部における進化は、少なくとも十億年は先行しており、これはネルギーや光の性質を考慮した場合、星外存在の競争としては非常に長い時間である。私たち自身を宇宙の唯一の「知性」ある生命と考えることは、ナイーブかつ自己中心的で、また、地球の歴史を星間影響のないものと見なすことは、これまた地球中心的である。はるかに隔たった、あるいは、おそらく別次元の生命存在は、この地球に幾地質時代も前から、興味を注いできている。この惑星は遺伝的情報の宝庫であり、他の生命種の生き残り、ことに合成化された自然の生命にとって、貴重な源となるものである。しかし、このDNAの埋蔵宝庫は今日、人類という無謀な厄介者によって食い尽くされようとしている。

 

【つづく】

 

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Modern Esoteric cover small

Modern Esoteric: Beyond Our Senses,  by  Brad Olsen

http://cccpublishing.com/ModernEsoteric  www.bradolsen.com

with permission, (c) Brad Olsen, 2015

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