DNAミステリー

〈訳読‐2b〉現代の「東西融合〈涅槃〉思想」(その19)

 

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【新版(Second Edition)に基づく】

 

 

DNAミステリー

「生命の遺伝の種は、宇宙中を満たしており、そのうちのいくつかの「種」は、他の惑星にと同じく、地球にも降ってきている。そして、その遺伝の種は、人間の男女も含む、あらゆる生命の変態の指令を持っている。DNAは、環境を意図的に変えるように働き、特定の遺伝上の目的――眠っているDNAの処分や発動、そして遠い昔に他の惑星に住んでいた生命形態の複製化――を果たすよう遺伝子選択をすすめる。」――ラウン・ジョセフ、論文『進化的変態』の著者

何が人間を、それほど特別につくったのだろうか。おそらくそれは、私たちが、他の種が私たちをどう知覚しているかを考える、唯一の種であるからだ。私たちは、こうした合理的精神、活発な自由意志、それに加えて自己陶酔への偏好を持っている。私たちは、建築学、医学、文学、芸術、音楽、そして科学を創設し、また、他者を罰する力もそなえている。私たちはまた、ボタンを押すだけで他者を破壊できる、唯一の種でもある。いかにして私たちは、他の動物に優越し、それほど創造的に異なっているのか。

そうではあるのだが、私たちのDNAdeoxyribonucleic acid(デオキシリボ核酸)〕のほぼ99パーセントは、チンパンジーのDNAと同じである。進化論生物学者によれば、私たちはサルの子孫である。私たちの手は、人間に精密性と力を与えた際立った遺伝的特徴をもっている。つまり、私たちの親指は他の四本の指のすべてに触れることができる。なぜ私たちは、そうした多目的な手をもっているのか。人間を人間としているものは、いったい何なのか。ゲノム〔ある生物のもつ全ての核酸上の遺伝情報〕は膨大な研究分野で、「生命学」の根本的探究を始めるには最適の領域である。

受胎のほんの数日後、鶏、亀そして人間の胎児は、おどろくほど類似している。それが時の経過とともに発達するにつれ、劇的に変化してゆく。生物の身体を形成するのは遺伝子の数ではないが、それぞれの種を独特とさせるものは何なのか。そこに突然変異が考慮されねばならない。というのは、それは生物の多様性をつくる決定的変化要因であるからだ。DNAは膨大な情報量をもっているがゆえに、その保有主を形成する時、再編成や変化がありうる。DNAは私たちの遺伝子へ単なる信号であるのか、それとも因果連鎖なのか。

 

1 4 2 Caduceus_large

with permission, (c) Brad Olsen, 2017

 

 

実に不思議なことだが、医学のシンボルは、遠い昔から、杖のまわりに二匹のべびがらせん状に絡みついたものである。予言していたのであろうか。それとも古代の知識だったのか。なぜDNAがこの古代の医学の象徴と驚くべき類似性をもっているのか、この一致は説明されるべきだろう。

 

 

 

 

 

ほとんどのDNAは、タンパク質を処理しないが、私たちの独特の性質を創り出す遺伝子の「スイッチ」を入れたり切ったりする。DNAタンパク質は、髪の毛、筋肉、軟骨、その他の特徴を作る。そのスイッチは、ある時に入り、別の時に切れ、また、あるところでは入り、別のところでは切れる。他の遺伝子は、そうしたスイッチを入れたり切ったりを命令し、またその時を指令する。一切はタイミングのようである。スイッチは、あらゆる種に決定的貢献をする。それは体内の細胞に、いつ起動するかを指令する。ことに、そうしたスイッチの半分以上は、脳内のみで働く。スイッチは、まだ未解明な分野とみなされている隠れたDNAの中でも見られる。たとえば、魚のひれの成長の順序は、他の動物の四肢や指の発達に似ている。それは、私たちがどれほど動物と違っていても、類似していることを示している。科学者は現在、動物のDNAの因果関係を調べ、人間を含む他の生命体のそれと比較している。研究者は、まったく異なった生命体となるにあたって、そうしたスイッチ、因果関係、そして突然変異の経路を、やがて特定できるだろう。DNAの研究は、医学的発展への挑戦や私たちの向上した考察をもたらし、過去を明晰に振り返り、将来を垣間見る道を切り拓いている。

 

猿から人間へ

私たちが誰であるかを真に理解するため、まず、最も近い生きた親戚、チンパンジーと人間のDNAの違いを同定することから始めたい。胚段階における最初の顕著な違いは、人間のDNAが親指と足指の発達の早い段階で活発になることである。早期の違いを示すもう一つの顕著な器官は、脳である。人間の脳はチンパンジーの脳の3倍の大きさがある。なぜチンパンジーがそれほど違っているかについてのもう一つの重要な手がかりは、人間の顎骨の突然変異であり、私たちの頭蓋骨は約30歳になるまでが成長することができる。大型類人猿の頭蓋骨は3〜4歳で成長を止める。科学者は、脳の成長を調節する遺伝子を同定している。チンパンジーと比較して、我々の脳は根本的に異なり、たくさんの突然変異をへている。例えば、私たちのDNAにはチンパンジーとは異なる文字が1,500万字がある。脳の複雑さと寸法は最も基本的な違いである。私たち相互のDNAの最大の違いはそのスイッチで、ヒトではその半分以上が脳に関わっている。チンパンジーとニワトリの大脳皮質での違いは2文字だが、チンパンジーと人間との間には18文字の違いがある。この比較的小さな違いは、しかしながら、大きな結果をもたらす。

人間とチンパンジーの身体は、ともに数兆個の細胞をもっており、各々の細胞には、23の染色体をもった細胞核がある。こうした染色体は、DNAらせん状分子とタンパク質分子からなるらせん状糸である。各DNA分子は、リン酸、糖(デオキシリボース)、塩基(ガイン、シトシン)、および窒素(チミン、アルデニン)からなるひと組のヌクレオチドを有し、各撚糸が塩基対―― グアニンとシトシンまたはチミンとアデニン――と呼ばれる水素結合によって結ばれた二本撚糸らせんを形成する。ヒトゲノムには30億個の塩基対が存在する。標準的には、ヒトは10万個の遺伝子を有する。 ひとつの遺伝子は、およそ千〜数百万個の塩基対を持っている。ヒトの場合、 各遺伝子セットには、ひと組のミームがあるらしい。そしてミームとは、記号、シンボル、意味、信条、直観、文化様式、心霊様式、アーキタイプ〔神話や伝承に現れる共通の民衆意識原型〕などの総体を指す。ミームは、それ自体が自己複製したり突然変異するため、遺伝子への文化類似体とみなされている。

チャールス・ダーウィンは、どうしてそれほどの異なった種がありうるのか、また、何がそうした違いをつくったのかを考えた。そして彼は、そうした生命の膨大な多様性の理解を広げた。進化説は、「かつてない考え方」と評価された。彼の発想は、ガラパゴス諸島で、ゾウガメの甲羅が、島ごとに違っていることに着目することから生じた。また彼は、他のガラパゴス諸島の鳥は一種しかいないのに、フィンチ〔アトリ科の小鳥〕がそうでないこととの違いに注目した。彼はことに、わずかな条件の違いに適応している13の島の13種のフィンチを記録した。それぞれのフィンチの餌のちがいが、そうした特徴を決定していた。遺伝的違いが自然な変化をもたらす。時や世代を経ることによるわずかな違いが、最適の遺伝を選択するという、彼のもっとも有名な「適者生存」の考えを生んだ。

ダーウィンはさらに考えをすすめ、ヘビやクジラが、その胎児の時には足や歯があるのは、〔それらをもった〕他の動物の子孫ではないかと考えた。すべての胎児はあきらかに、「頭先尾後」の順、すなわち、体の長い軸が発生する際、頭が先に、それに身体あるいは「尾」がつづいて発達する。彼はすべての種が関連付けられた「生命の樹」を描いた。たとえば、鳥と恐竜は、同じ種同士で持つほどと同じくらいの、たくさんの特徴を互いに持ち合っていた。鳥は、恐竜の生きた末裔であると言う説もある。ダーウィンの生命の樹は、「変化の系図」とも呼びえた。彼は、犬の飼育者が特徴を選別して新しい犬をつくり出しているのを目撃した。自然淘汰は、生命の膨大な多様性を説明していた。どの種も、生存のために懸命に闘争していた。ダーウィンは、種の戦場――環境に依拠した生存の様式が特徴を決定――を観察していた。そして最後には、サルが木からおり、立ち上がって歩きだし、「人の系図」が始まった。

そして今日では、ダーウィンの進化説が確立されるてきているが、彼は、その理解を新たな段階へと進めうる、DNAを研究する機会がなかった。彼が観察しえたかも知れないことは、DNAが、あらゆる種の細胞の中で、その生物の成長と発達をなさせる決定的信号の働きをすることであった。DNAはそれぞれの世代で異なり、その半分は父親より、別の半分は母親よりもたらされる。変化は突然変異として生じえ、ダーウィンが鋭く気付いていたように、それが多様性を作り出していた。科学者は今日、突然変異で進化した遺伝子を特定することができる。彼らは、どのように進化が働くのかを文字通りに観察するため、生物の遺伝子を比べることができる。ヒトは、そのDNAの中に30億個の文字を持っている。私たちは2万3千個の遺伝子をもち、それはニワトリとほぼ同数であるが、トウモロコシよりは少ない。多くの植物の遺伝子は、人間より多い。ある種の遺伝子の数は重要な要素ではなく、それがどのように用いられているかである。

 

「出生の秘密」

1953年、ジェームス・ワトソンとフランシス・クリックは、DNA分子の二重らせん構造を発見した。このDNAの分子構造における二重らせんの発見に対し、1962年のノ-ベル生理学・医学賞が与えられた。このDNAの二重らせん構造の発見者の一人、フランシス・クリックは、生命の起源についての諸説への賛否両論を詳しく論じる中で、地球の青緑藻類への宇宙起源の種付けをその根拠とした。彼の仮説によると、この種付けには目的があり、生命を絶やさぬことを確実にするためであった。クリックは、この「胚種広布(パンスペルミア)説」(彼は、19世紀末の生理学者アレーニウスが提唱したと言う)は、生命の種は進んだ地球外文明によって意図的にばらまかれたと仮定する説であるという。その後、生物学者たちは「RNAの働き」 〔RNA(リボ核酸)はDNAの遺伝情報を転写する際の媒介分子〕が、生命の起源に関係しているらしいと提唱し、クリックは、「我々は出生の秘密を発見した」と特異な声明を行いつつ、たとえDNA暗号が解読された後であっても、生命が地球を起源としている機会は極めて悲観的なことであると述べた。そして彼は、「科学の限界問題」を認識しつつ、伝統的ダーウィン説より胚種広布説のいっそうの信ぴょう性を発見することにつとめた。さらに彼は、胚種広布説は「少なくとも可能性があるというより、重要なことは、完全な否定ができないことだ」と述べた。

そうした「出生の秘密」は、地球上のあらゆる生命組織が、DNA〔デオキシリボ核酸〕と呼ばれる共通の遺伝物質をその体内にもっていることであり、例外は特定の微細なビールスで、それは遺伝物質にRNA〔リボ核酸〕をつかう。RNAは、DNAと違って、通常、一重らせんの分子で、リン酸基鎖もはるかに短いとされている。DNAがデオキシリボース〔五炭糖の一種でリボースの水酸基を水素で置換えたもの〕を成分としているのに対し、RNAはリボース〔五炭糖の一種〕を成分としている。RNAはヌクレオシド〔リン酸基〕モノマー〔単量体〕からなる核酸ポリマー〔重合体〕である。DNAはどんな生物の細胞中にもあって、その成長や機能の遺伝上の命令を与える核酸である。この遺伝情報をつかさどるDNAの部分が遺伝子と呼ばれるが、他のDNAの部分は構造上の目的か、この遺伝情報の使用を制御する役目をもっている。DNAは、RNAおよびタンパク質と伴に、三大高分子のひとつで、あらゆる既知の生命体にとって不可欠の成分である。どのDNAも、四種のアミノ酸――核基とも呼ばれる――、すなわち、アデニン(A)、グアニン(G)、サイトシン(C)、チミン(T)からなっており、遺伝子の基部と呼ばれる。これらのうち、二つのアミノ酸の組が、基ペアとよばれる。

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DNAは生命の分子である。人間の身体の内の数十億の細胞のそれぞれは、46個のヒト染色体をもっている。2メートルの長さのDNAは、30億個の、A、T、C、G基とよばれる構成要素をもっている。そして、およそ3万個の遺伝子は、ほとんどの生命機能をささえるタンパク質に指令を与える。with permission, (c) Brad Olsen, 2017

 

 

 

ヒトDNAが無数の仕方によって、置換えられたり、変化したりするのが明らかとなっている。そうした変化は、通常、突然変異と呼ばれ、この「突然変異」という言葉にはどこか否定的な含みがあるものの、突然変異の多くは、適応性を増したり進歩を作り出す。また、環境上の条件も突然変異の原因となる。現行の説によれば、突然変異は進化の基本的要因で、かなり頻繁かつ自然に生じる。DNAの目的は、設計図を用意することで、それはRNAによってタンパク質へと複写される。細胞中のそうした複写過程でDNAの原型とのわずかな違いが発生する率は、DNA基ペアのおよそ一億個に一つほどである。しかし、信じがたいことに、人間の細胞はそうした違いを認識する修復機能をもっている。それに関連して、遺伝学者が「位置突然変異」と呼ぶものがあり、それは、アミノ酸が外的な理由によって本来あるべき位置とは違ったところに置かれるものである。

1980年代に、米国のヒトゲノムプロジェクトは、ヒトDNA連鎖全体の地図づくりという目標を打ち立てた。それは、通常の理解をほとんどひっくり返す、すまじい取組みであった。すなわち、30億段の横桟をもつ2メートルの長さのはしごを想像してみよう。その各横桟は互いに組み合った異なった一対のアミノ酸でできている。そのアミノ酸は四種のみが可能であり、その二つが一対となって横桟をなしている。そのはしごの両端は反対方向にねじられている。そしてそれがねじられながら、そのはしごはしだいにしっかりと巻き付きあって不定形なボール状となるが、それは信じられない程に小さい。たとえば、人間の脳細胞の場合、その直径は6万分の11インチ〔2400分の1ミリメートル〕である。また、各細胞の中心には、全体の4分の1以下の大きさの核がある。人間の身体のおおむねすべての細胞は核をもち、この2メーターの長さの螺旋状DNAを含んでいる。ヒトDNAは、線状をなす合計60億個のアミノ酸によって基本的に描かれている。1998年までに、このDNA連鎖の地図作りの仕事は事実上完了したが、期待された通常のアミノ酸連鎖の位置は、実際の機能や目的を理解させるまでの意味を持っていなかった。つまり、私たちは、アミノ酸が何であるかは知ることができたものの、その機能や目的については必ずしも明らかになったわけではない。こうした研究の完成までにはまだまだ道のりは長い。だが、それによりいくつかの関連した発見がなされ、ことに、「宇宙光線」あるいは胚種広布、地球外部からの遺伝子変異が人間の進化に点火させたとの考えをもたらすこととなった。

 

知的DNA操作

DNAは、知られているもっとも複雑な分子である。ヒトDNAは互いにらせん状に巻き合った二本の撚糸を含んでおり、その撚糸は、A、G、C、Tという四種の化学基によって位置が保たれている。DNAの突然異変は、放射線あるいは紫外線を受けて、アミノ酸が切断されたり結合されたりすることにより、染色体内の遺伝子が影響されることによる。科学者は、以下に述べる3種の技術をもちいて、DNAを操作することができる。

 

  1. 遺伝子技術とゲノム研究 科学者は〔DNA〕の個々の要素とその地図を作り出した。そして、DNA分子が何をなすかを追跡し、遺伝子を操作することができる。
  2. コンピューター化 数学やコンピューターの演算法を用い、DNAを設計したり変換することができる。研究者は、科学的最適化をもたらす因果関係モデルを作ることができる。
  3. ナノ・テクノロジー これは、分子レベルにおいてDNAを操作する技術である。科学者は、DNAをその分子のレベルで置換えたり、変換させたり、調整したりできる。DNAを書き換えたり、指令したりするのも理論的には可能であるが、研究者は、その源の暗号を知り抜かなければならない。

 

生物進化は、技術進歩とちがって、ゆっくりとした速度でしか進まない。技術進歩は「ラマルク的遺伝モデル」であり、一世代のうちにおこる。生物進化はダーウィン的で、変異した複写変化が幾世代にわたってくりかえされ、ひとつの突然変異が種の全体に広がるまでには数千年を要する。しかし、宇宙は巨大で極めて古く、事実上、永遠の時間をへてきたということを忘れてはならない。

遺伝子工学、組換えDNA技術、遺伝子スプライシング、DNA改変、遺伝子操作(GM)などは、生物の遺伝子の直接操作に適用される技法である。遺伝子工学は、種の遺伝子が間接的に操作される伝統的な育種技術と混同されるべきではない。遺伝子工学は、分子クローニングおよび形質転換の実験技術を使用する。遺伝子工学の取り組みは、作物技術の改良、改変バクテリアの使用による合成ヒトインスリンの製造、チャイニーズハムスターの卵巣細胞におけるエリスロポエチンの製造、および、「オンコウム」、「癌」マウスを例とする、研究目的のための新型の実験マウスの製造である。そしてさらに驚かされることは、ヒトゲノムプロジェクトで働く研究者のあるグループが、ヒトDNAの非翻訳鎖の97パーセント以上は、ET生命体の遺伝子コードであると考えていることである。〔訳注〕

〔訳注〕 ここで言う「翻訳」とは、DNA情報がRNAに複写されることをいい、「非翻訳鎖」とは、そうした複写がされていない原情報群のこと。後述記事参照。

クローンは、通常、ひとつの細胞から核――組織全部のDNAではないがそのほとんどをもつ――を取り出し、それを、核を取り除かれた別の個体の卵子に入れて行われる。クローン研究のほとんどは、秘密におこなわれ、その結果が公表されることはない。クローン人間は、すでに私たちの間に存在しているのだが、公衆はこの人間の精子と卵子を用いて神を戯するかの技術には、心底、ぎょっとさせられる。今では、自分が飼っている猫を、死ぬ前にその組織を取っておき、その細胞から核を取り出し、ある雌猫の核を抜いた卵子にその核を入れて、クローンすることが可能である。その卵子を、「代理母猫」に植え付け、その飼い猫の遺伝的特性をもつその「受精卵」を養わせる。もしすべてがうまく行った場合――そうでない場合が多いのだが――、もとの猫とほとんど遺伝子的に同等の子猫が生まれ、原理的に、同じ猫を永遠にペットとすることができる。この方法ではしかし、もとの猫のミトコンドリアDNAが移転されず、ある生体の存命中に体内の体細胞の突然変異があった場合、それは保証されるものではない。したがって、もとの猫の皮膚細胞は、作り出された受精卵のものとは、遺伝子的に同じではないものとなる。さらに、農業者のだれもが言うように、同一の品種のクローンを重ねれば重ねるほど、DNAは弱まり、その結果、いっそう病気耐性がなくなってしまう。

 

進化への挑戦

地質時代のとてつもない長さ――代、紀、期、世、時代、そして歴史上のまとまった時期の連続――をよく理解するため、ひとつのモデルを考えてみよう。地球という惑星の起源は、一般に、46億年前とされており、もっとも古い隕石が発見された時である。地質時代の膨大さをより身近にするために、46億年を1年と考えてみよう。もっとも古い化石は、その365日のうちの、わずか40日さかのぼるだけである。地球の歴史の88パーセント以上が、先カンブリア紀〔最古の地質時代〕で占められている。その残りの時代のうち、地球に動物が出現した時代の後、原始人やその子孫があらわれたのが、1パーセントにもならない時である。人類がこの惑星に存在しているのは、わずか2時間ほどである。そのうち、現世人の存在は最後の5分でしかない。もっとも古い現世人の出現は、ほぼ26万年前のアフリカの可能性があるが、確実なのは、16から15万年前である。その時期、ホモサピエンスは、アジアのホモエレクトスや、ヨーロッパや中東のネアンデルタールと同在していた。「核アダム〔家族〕」といった、今日の人類の共通の祖先として最初に知られたものは、9から6万年前に存在し始めた。1年間尺度を用いると、現世人より古い動物種には、進化の概念の可能性、蓋然性そして包括性をそこに含むが、現世人には、それほどではない。

科学界では、〔進化過程での〕知的意図は、特殊創造説〔種の起源および物質の発生は進化によるのではなく、造物主の特殊の創造によるとの説〕の最新解釈への科学的妥当性を代表してきた。その結果、知的意図は、自らの宗教的理念に科学を援用した、特殊創造説者による誤った考えの別種の試みと見なされてきた。しかし、私たちは今日、知的意図は科学的定説のひとつにできると見はじめており、宗教上の意味付けは避けながらも、経験的支持を与えている。ダーウィンの『種の起源』にもとづく進化説は、DNA分子が単に自然な突然変異によるものにしては複雑すぎるため、根拠を薄れさせる過程にある。フランシス・クリックですらその後、進化が許されたそれほどの短い期間で人間のDNAを作り出してきたとするのは不可能と考えられることを数学的に立証している。

進化が唯一はたらくのは、特定の種が膨大な規模で存在している場合であり、ことに現世人にとって可能であった時間枠より、はるかに長い条件が必要であった場合である。アセンション(可能な飛躍、すなわち、突如の「新存在」)は、そこでキリストが復活して数千年にわたる平和を先導したという、単にクリスチャンが歓喜する概念に限定されてはいない。それは、私たちのDNAが新たな系統へと繁殖する宇宙的出来事になりえる時であり、人類は眠ってきた超人間の能力を自然に発達させることとなる。〔その時こそ〕心が抱けることを、体が達成できるのである。

写真左から、中国、メキシコ、エジプトの3つの最も顕著なピラミッド複合体の配置関係と、北半球の夜空で顕著な星座のオリオンの〔の三ツ星〕との比較すると、その類似性に目を見張らされる。with permission, (c) Brad Olsen, 2017 。

 

 

人間DNAの中のET遺伝子

DNAの非翻訳鎖は、地球上の生命体――藻類から魚類そして人類まで――の共通した特性である。非翻訳鎖は、当初、「ジャンクDNA」として知られていたもので、数年前に発見され、その働きはいまだに完全には判っていない。ヒトDNAのなかでは、それは全ゲノムのかなり大きな部分をなしている、ヒトゲノムプロジェクトのクループ・リーダーのサム・チャン教授は言う。同グループによると、圧倒的多数の人間のDNAは、その起源は「外来」だという。彼らは、明らかに「地球外のジャンク遺伝子」が世代から世代へと引継がれている活発な遺伝子に「便乗」しているらしいことを発見した。

他の科学者、コンピュータ・プログラマー、数学者、そして他分野の科学者の援助をえた緻密な分析の結果、チャン教授は、「人間のジャンクDNA」は明らかに、だれか「地球外のプログラマー」によって作られたのではないかと考えた。同教授はさらに、人間のDNA内の外来部分の大きな部分に、「自身の静脈、動脈をもち、そして我々の抗がん剤に頑強に抵抗するそれ自身の免疫システムがある」、ことに注目した。

同教授は加えてこう説明する。「それを私たち人間の言葉で考えると、その明らかに『地球外プログラマー』は、いくつものプロジェクトを構成する『ひとつの巨大コード』に取り組んでいた可能性が高く、そうした多くのプロジェクトは様々な惑星の生命体を創生したにちがいない。彼らはまた、様々の解決をこころみている。そうした地球外プログラマーは、その「巨大コード」を書き、実施し、気に入らない部分は変更したり新たに加えたりして再度実施し、改良を重ね、それを繰り返している。」

チャン教授はさらに明記している。「我々の仮説は、高度な地球外生命体が新たな生命の創造に取組み、それを様々な惑星に植え付けた、というものである。地球は、そのうちの一つにすぎない。おそらく、プログラミングの後、その創造者は、私たちがシャーレ皿の中で細菌を培養するように、我々を育てた。私たちは、それが科学的実験であったのか、植民目的での新惑星の準備であったのか、あるいは、宇宙に生命を種付ける長期ビジネスの途中であるのか、その動機を知りようもない。」

チャン教授と伴に研究に当たったチームは、さらにこう結論付けている。「その明白な『地球外プログラマー』は、彼らが終了期限に合わせるよう『地球プロジェクト』に専念した際、将来への理想主義的計画を一切しないよう命令されたようである。明らかに急いでいたようで、『地球外プログラマー』は、巨大コードを大幅に縮小し、地球用の基礎的プログラムを持ち込んだようである。」

チャン教授は、増加している人間の地球外起源を仮定するDNA研究者や他の科学者のうちの一人である。「遅かれ早かれ、私たちは、地球上のあらゆる生命は地球外の親戚の遺伝子情報をもっており、進化とは私たちが考えるようなものではないという、信じられないような考えを把握しなければならなくなる」、と教授は言う。

チャン教授のさらなる結論はこうである。「私たちがヒトDNAに見るものは、二つのバージョンからなるプログラムである。ひとつは巨大コードであり、他は基礎コードである」。そして彼は勇敢にもこう断言する。「第一の事実は、その総体『プログラム』はあえて地球向けには書かれておらず、これは今では立証された事実である。第二の事実は、遺伝子は自分自身で進化を説明するには不十分で、『そのゲーム』には、それ以上の何かを必要としている。」

 

スターチャイルドの頭骨

1930年代にメキシコの洞窟で発見されたスターチャイルド頭骨は本物で、900年前の骨である。それは、専門家によって調査され、厳密なDNA試験が行われるまで、何十年も戸棚のなかに置かれていた。ひき続く調査は、そのスターチャイルド頭骨は、人間ではないことを示す身体的特徴、生物化学的特質、そして骨内部の繊維や残留物という証拠を提供した。最近では、2010年のDNA試験の結果、この頭骨は正常なものとは異なる少なくとも10標準偏差があることを確認した。それらは、通常の人間の骨の構成と比べ、半分の厚みで、半分の重さを示していたが、顕著に耐久度をもっていた。その骨は、歯のエナメル質にいっそう近い物質であった。2003年のDNA試験では、その頭骨は人間の母系統をもっていることが発見され、純粋な宇宙人種ではありえないと確認されていた。しかし、最新のDNA試験より得られたことは、その頭骨は人間と宇宙人の混種に属するというものであった。その「mt〔ミトコンドリア〕は、DNAの部分で、母系統からのみ引継がれるものであった。2011年、遺伝学者がこのスターチャイルド頭骨を調べ、そのmtDNAは、ヒトDNAとはおおいに違ったものであることを発見した。すべてのヒトDNA間のmtDNAの数の差は最大120である。それがスターチャイルド頭骨の場合、800から1000であった。これは部分的結果であるが、その頭骨のmtDNAは人間ではないと宣言するに充分なものであった。

スターチャイルド頭骨の謎を議論する最大の収穫は、私たちの視野を、進化論や特殊創造説の教義を越えて開放するところにある。この驚くべき標本を、人間の奇形としてしまい、人間と宇宙人の混種説における手掛かりとはしないことの損失はあまりも大きい。この問題は、たとえば「我々は猿の変じたものでない」との声明のごとく、私たちの理解を妨げるのはただの言葉であると認めること以上のものを示唆する。私たちは今や、いくらかの一般的部分でそうであるのは、我々が猿の直接の子孫であるからではなく、共有するDNA要素をもつからであることを知っている。浮上してきいている視点は、地球は、多種のET遺伝子の入り混じりが観察される、多種を保有する遺伝子上の一種の動物園であるというものである。およそ数千年昔、地球に存在した混種ETのDNAの結果、人間血統と人間頭脳における極めて変則的特徴をはじめ、すべてが新たな「介入説」に結合して、年々、信頼度を高めてきている。

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with permission, (c) Brad Olsen, 2017

世界的に有名なスターチャイルドの頭蓋骨(写真右)は、本物の骨で1930年代に発見された。その生物は約900年前に生存していたもので、北メキシコの洞窟に埋っているのが発見された。この骨と通常の人間の骨(写真左)との間には、25以上の主要な体型的違いがある。そうした違いのほとんどは、他の人間の頭蓋骨や地球の生物の骨のどれに見られないものである。とくに重要なのは、スターチャイルドのDNAの最近の調査で、その全部のゲノムが入手され配列された。それによると、その遺伝子は人間のそれとははるかに違っており、その違いは、チンパンジーやゴリラとの違いよりも大きかった。

 

DNAは宇宙から到来

『DNA構成要素は宇宙製(DNA Building Blocks Actually Created in Space)』と題した報告書が、2011年8月、NASAから出された。「もし、小惑星が生命出現以前の物質を生産する化学”工場”のごとくであったなら、それらは、それぞれの小惑星の条件や構成要素の広範な違いから、生物ではなくとも、多種の核酸基をつくったことが期待されよう」と、NASAゴダード宇宙飛行センターのマイケル・カラハンは語った。同センターと彼の率いるチームは、炭素成分に富む12個の隕石――うち9個は南極で発見――を砕き、核酸基とよばれるDNAの成分である、アデニンとグアニンを発見した。また、そのうちの2個からは、世界で初めて、微量の核酸基に関する3つの分子の痕跡物を発見した。この3個の分子はプリン、2,6-ジアミンプリンと6,8-ジアミンプリンで、後二者は生物学ではほとんど使われない。この発見は、小惑星と彗星が生物の必須分子の構成要素を形成した可能性を示し、生命の起源への大きな根拠を加えたのであった。

宇宙生物学者においては、多くのビールスが星起源であることはよく知られている。ちなみに、〔インフルエンザの語源である〕中世ラテン語の「インフルエンティア」は「星の影響」との意味をもつ。2010年1月、別の研究は、「人間の遺伝物質の8パーセントはビールスから来ている」と発表された。この報告は、人間の進化は、宇宙の要素によって影響された、もしくは、推進さえさせられた可能性――科学者によりビールスが星間宇宙製だと知られてきたことと一致する――がきわめて高いということを示唆している。

NASAのゴダード宇宙飛行センターの研究者たちは、南極とオーストラリアの砕かれた宇宙岩石の断片にDNAの部分を発見した。そうした宇宙産の分子は、多種の核酸基を含んでおり、そうした核酸基は、DNAそして、ひろく生命の創造に必須の要素と考えられている。科学者は、その成分を追跡し、それは、地球によっては生成されなかったことを証明している。そのチームはまた、その構成や落下速度の異なる特定の宇宙岩石が、それらの生物学的前兆要素の製造源として働いたことを発見した。こうした発見の意味するところは遠大であるが、それはともあれ、生命の起源は、早期の地球に到来した隕石によっており、それなくしては、この惑星は、いまなお、岩と水だけの荒廃地であったかもしれない。

地球への到来物体を起源としているとの生命要素に関するNASAの「新発見」は、スイスのUFOとの遭遇者ビル・メイヤーが1988年に出版した書物でも確認することができる。メイヤーは、NASAの数十年にわたる話――彗星や隕石による「種まき」により生命が地球でも始まったとする――をすっぱ抜いた。実際、NASAの発見は、メイヤーがその数十年前に語った生命種まきの全宇宙的現象の話を、事実上、繰り返すものであった。

こうした発見が示唆することは、DNAは量子エネルギー波の産物であり、宇宙の基本法則に書込まれたものであることである。それは、地球上の生命の形成をつかさどる法則であり、また、宇宙の物質やエネルギーのふるまいをつかさどる法則でもある。つまり、DNAはエネルギー波として始まったもので、いかなる物質的分子の存在を必要としない。したがって、DNAの構造は、全宇宙にわたって存在する。私たちは、宇宙全体と銀河系がデザインしたものであって、地球上の偶然な突然変異の産物ではない。人間は多くの異なった世界で別々に進化したと推察される。私たちは、少なくとも22の異なったDNAを人類種に持っている。ということは、数代にわたる混種を通して私たちの一部となった、他の存在の遺伝的記憶を合わせもつことを許していよう。

人間のデザインは本質的に銀河系に、おそらく、ある程度は全宇宙に由来するのであろうと思われる。もしこれが事実だとすれば、人類は、レムリア〔昔存在していたと仮想されている大陸でインド洋を占めていた〕もしくはアトランティス〔ジブラルタル海峡の西方大西洋中にあったとされている楽土〕の時代に地球に入植した者たちである可能性があり、彼らの頭蓋骨は、その脳の能力が私たちより著しく大きかったことを示している。後述するように、こうした人々は、対抗する入植者間同士の核戦争を原因とする自発の大異変によって、そのほとんどが一掃された。そしてその生き残りは、ピラミッドを建立して自らを癒し、その軸線上でその災難の残余から地球を立て直した。彼らは、ある自然サイクルについての直接の知識を持っており、その自然サイクルは、居住した各惑星に量子進化飛躍を通して作用している。彼らは、超能力をつかさどる人間の脳内の臓器を知っており、それは、この自然サイクルによって「起動」されるのである。

  

 

師はすでに熟知のこと

エステリックおよびスピリチュア界の師匠たちには、私たちの心神(事実上、その中に身体や器官が属し、その逆ではない)が、言語や言葉や考えによってプログラムされ、その「指令」に肉体が従うことは、幾時代にもわたって知られてきたことである。私たちの心神は無限な「唯一存在(One Mind)」の延長であり、よって、たとえ物質界のレベルにあっても、人間が無限存在であることを説明している。他の場合ではエソテリック者がそれを真っ先に感じたのだが、「光線コード」が今やそれを科学的に説明している。もちろん、その〔光線の〕振動数は精密に調整されなければならず、それ〔による誤差〕が、なぜか見かけ上は誰もに平等には作られておらず、常に同じ結果や強さが複製できない理由となる。したがって個々人は、〔そうした産物である〕自分のDNAとの意識的な対話を築けるよう、内的発展と自らの成熟に努めなければならない。

実際に「DNAを修復する」ために光線コードが地球に送られてきていることがありうるという形而上的な見解は、これまでのところ、さほど売れていないようだ。現在の理論によると、DNAの突然変異の原因となるのはビールスのみで、また、我々のDNAには様々な介入(干渉鎖もしくは間隙―INTRONs〔訳注〕)があるため、プロモーター(遺伝機能の発現)領域に取り付く可能性があるのはリプレッサー(抑制)分子である。だが、光線コードが、「誘発因子」――次の進化的飛躍のため、私たちのDNAをアップグレードするエネルギー供給として、リプレッサー分子と結合して遺伝子を発動する――ではないと誰が言えようか。

〔訳注〕INTRONsとは、転写はされるが最終的に機能する転写産物からスプライシング〔訳注b〕反応によって除去される塩基配列。つまりアミノ酸配列には翻訳されない。

〔訳注b〕スプライシングとは、ある直鎖状ポリマーから一部分を取り除き、残りの部分を結合すること。主にRNAでの反応をさし、タンパク質で見られる現象はプロティンスプライシングと呼ぶのが一般的。 なおスプライシングが起きるのは真正核生物の転写の場合のみで、原核生物の転写の場合ではこの過程はない。(ウィキペディアより)

周波数に関する興味を引く別の理論もある。それは、気候への影響である。私たちの気候は地球の共鳴振動数――いわゆるシューマン振動数――と密接に関連している。そうした特定の振動数はまた私たちの脳にも発生し、同時に多数の人々が同じ考えをもったり、精神的指導者のような有力な人物が自分の思想を強烈に表したりすると、科学的な仮説として、それらが気候に影響しても驚くべきものではないというものである。

もし宇宙が、DNAの突然変異をおこす要素を送ってこれるなら、どうして、私たちはその逆が考えられないのだろうか。つまり、宇宙は定期的に、人間のゲノムの劣化を逆行させる遺伝物質を送ってきてはいないのだろうか。形而上的グループの特定部分の中では現在、光線コードが地球に送達されているという常識は受け入れられているが、その意味が十分に理解されているとは言えない。そうした研究は、ひとつのエネルギー駆動モデルをもって、ダーウィンの「ランダムな」進化モデルを完全にくつがえすものとなりうる。このモデルは特殊創造説とは何の関連もなく、宗教的な動機をもつものではない。 

ある個人の意識が高まれば高まるほど、「光線振動数」といった類の工夫に頼る必要性は少なくなる。いつの時代でも精神的指導者たちが示したように、人は、自分の内的世界との深い結び付きを得ることよって、こうした結果に到達できる。しかも、それでは終わらない。ロシアの科学者は、私たちのDNAが、宇宙の真空エネルギーの中に不可視で構造的なパターン、いうなれば磁気化ワームホールを作りうることを発見した。こうしたワームホールはいわば、アインシュタイン・ローゼン橋――星の〔最期の〕燃え尽きに観察されるブラックホールに伴う――のミクロ版である。DNAは情報の断片を引き寄せ、それを我々の意識に伝える。このハイパー・コミュニケーション〔超通信〕のプロセスは、リラックス状態でもっとも有効である。ストレス、心配、あるいは精神の過活発状態の際には、この超通信は妨げられ、その情報は歪められ、無用なものとなる。実際、人は言葉や文章を用いて、DNAに影響をあたえることができる。これもまた、実験で確かめられている。このように、生組織内に存在する生きたDNA体は、生きた組織(固化していない)において、もし正しい周波数が使われているなら常に、言語化された光線――ラジオ電波にすら――に反応するのである。

 

脳内DNAは生涯を通じて変化する

人間の脳の遺伝的活動を、誕生前から高齢になるまで図表化した研究がある。それによると、脳は生涯をつうじ、常時、繰り返して自らを作り変えていることを発見した。この研究は、脳がどのように成長しかつ加齢しているかの詳細を明らかにしただけでなく、アルツハイマー、統合失調症、注意欠陥障害、そして自閉症といった脳の病気では、どういう異常があるのかを理解する手掛かりを与えている。

2011年10月に発表された研究の研究者は、DNAに焦点を当てるのではなく、生涯のなかで、いつ、どこで、どれくらいの期間、各遺伝子が「オン」になっているかについて焦点を合わせた。同研究者はその中で、献体された妊娠後数週間から老齢までの広範囲の脳の死後サンプルを用い、mRNA〔メッセンジャーRNA〕分子のレベル――遺伝子に含まれる命令を実行する際に最初のステップとして出現する――を測定した。この先端的研究の共同研究者でエール大学医学部のネナード・セスタンによると、 興味深いことに、DNAはあらゆる細胞の原遺伝子物質においては実質的には同じなのにもかかわらず、mRNAレベルは、人間とネズミの間、例えばその脳と心臓とでは、異なるパターンを示した。そして彼は、「特に、私たちはネズミと同じ遺伝子をもっているのに、人間の場合、それらの遺伝子は全く異なるまでにもなっている」。

これらの遺伝子がどのようにコードされているかを見るために、エール大の同研究では57の脳サンプル中の異なる遺伝子のmRNAレベルを調べた。また同チームは、脳組織を領域別に分け、脳のさまざまな部位での遺伝子の行動の違いも知ることができた。一方、ベテスダ国立精神衛生研究所のヨエル・クレインマンが率いる並行研究では、前頭前皮質と呼ばれる単一の領域からの269の脳サンプルをとり、その遺伝子の挙動を調べた。これら両方の研究では、生涯の異なる段階で遺伝子の挙動に大きな変化が見られたが、出生前の期間はそれが際立っており、遺伝子活動の大きな変化を示していた。 つまり、出生前の遺伝子は大量のmRNAを産出し、誕生後に急激に減速し、時間の経過と共に活動は低くなっていた。

ただ、興味深いことに、出生直後に減速する遺伝子の多くは、高齢化するにつれて活動が活発になる。最も大きな変化は自然に胎児に起こるのだが、その後は中年までほとんど変化しない。しかし、50代から70代に入ると、再び変化が現れ、かなり劇的となる。さらに、男性および女性の脳における遺伝子の挙動の違いは、発達の初期段階で最も大きい。研究者らが指摘するところでは、男性の脳でより活発なことが判明した遺伝子のいくつかは、統合失調症、自閉症および男性の間でより一般的であることが知られている他の障害に関連していた。これらの疾患に関連する遺伝子が、発達初期に非常に活発で、老化するにつれてそれほど活発ではなくなることは、これらの条件の中で何かが非常に早く変調してしまうことを示唆している。

遺伝子の挙動は信じられない程にダイナミックだが、こうした研究結果は、脳自体が、異なっているというより似かよっていることを示している。DNAには幾百万もの違いがありながら、脳は共通した生化学的性状を持っていると、ヨエル・クレインマンは言う。DNA構成が大きく違う二人の人間でも、その脳で大きな遺伝子活動の違いがあるわけではない。「こうした個人間の遺伝子的違いは疑いなく重要だが、遺伝子の挙動は誰でもほぼ同じである。それは現象上の事実である。つまり私たちは、違っているというより、似ているということなのだ」と彼は言う。

ウィスコンシン大学の人類学者であるジョン・ホークス博士は、過去5千年間のミイラと墓地を発掘して分析した研究を行った。この彼の研究は、驚くべきことに、私たちのDNAが過去5千年間で7パーセントも構造的に変化したと結論付けた。それは、人間の進化が、遺伝的に測定可能なレベルで、すでに急速にスピードアップしたことを意味しており、科学者はそれをDNAで追跡することができる。〔ちなみに〕最後のわずか百年間に、「フリン効果」と呼ばれる、IQスコアが十年ごとに継続的に修正されなければならないことが生じている。つまり、人々はますます賢くなり続けている。

 

ジャンクDNA

私たちのDNAは、そのわずか10パーセントが、タンパク質の生成過程に使用されているにすぎない。つまり、それはDNA全体の小部分にすぎず、西洋の研究者にとって最も興味深い分野として検査され、分類されている。残りの90パーセントは、ゲノムのいわば「暗黒物質」であり、「ジャンクDNA」と考えられている。 DNAの「スイッチ」は遺伝子自体ではないが、遺伝子をオン、オフするように働く。生体変化の鍵となる遺伝子はこの暗黒DNAよるが、進化はそのわずかな残存部――もはや働いていない使用済みコード――の中に隠されている。その残存部は、哺乳類、クジラ、ヘビなどが、足をどのように進化させてきたかを語っている。

いくつかの遺伝子は、他の遺伝子を支配することが知られている。つまりそれは、何をすべきか、いつ行うのかを左右する。私たちは、魚がすべての四足動物の祖先であり、二足歩行の人間にとってもそうであると教えられている。しかし、どのように魚に足が伸び、地上を歩くことができるようになったのか。ヒレのような腕、あるいは腕のようなヒレは、先史時代の生き物が最初に安全を求めて土の上で身を引きずるために用いられた。同様な遺伝子は、他の動物の、腕、脚およびヒレの成長を引き起こした。例えば、肺魚は、地面上で自分の身を引きずるために、そのヒレを使う。DNAのスイッチは、いっそう長い腕や脚の発達を引き起こしたのであろう。

DNAは今日、過去に比べてその不思議さは減少し、多くの遺伝学者は、いわゆるジャンクDNAが他の遺伝子の発現を規定していると考えている。しかし、私たちは、DNAの大部分がウイルス――持ち主のゲノムの非複製部分に感染し、そうしてそのゲノムに巣食っている――であることを知っている。 一部の科学者には、ヒトゲノムはウイルスの広大な墓地にすぎないと示唆している者もいる。だが基本的には、ほとんどのジャンクDNAは、「私を複写せよ」との他には何も告げない遺伝メッセージしか持たない複製ウイルスで構成されている。だが、たとえそうだとしても、そのウイルスはどこから来たのだろうか。

科学者たちは、私たちのDNAのうち、タンパク質生成設計用の10パーセントに焦点を絞っているが、他の90パーセントの解釈には、いまだ大きな穴が残されたままである。ロシアの何人かの研究者は、自然が知的であると確信し、ジャンクDNAの残りの90パーセントを探索するため、言語学者と遺伝学者によるベンチャー事業に加わった。その結果や発見や結論はまさに革命的である。これらの科学者は、光線コードと同じように、DNAが言葉や周波数によって再プログラムされることを証明した。彼らの発見によると、私たちのDNAは、私たちの身体の構築だけでなく、生物的インターネットとも言うべき、コミュニケーション・システムや情報記憶装置としても機能している。そのロシア語の言語学者は、明らかに90パーセントのDNAの中で、遺伝コードが人間の言語と同じ規則に従うことを発見した。この目的のために、彼らは、シンタックス――言葉を組み合わせてフレーズとセンテンスの規則を形成する方法――の規則、セマンティクス――言語形式における意味の研究――、そして文法の基本ルール、とを比較した。彼らは、私たちのDNAのアルカリ性は、規則的な文法に従っており、私たちの言語のような一連の規則を持っていることを発見した。したがって、人間の言語は偶然に出現しているのではなく、私たち固有のDNAを反映しているのである。

イレーネ・スミサは、その著書『 If You Make the Rules, How Come Youre Not Boss 〔規則を作る人が、なぜ誰かの命令に従っているのか〕』の中で、ジャンクDNAに関する興味深い問いかけを以下ように行っている。「おそらくジャンクDNAは宇宙のすべての秘密を――私たちには未発見の無意識な可能性も――含んでいる。多分、自分の身体を物理的にそうしないでも、星の世界へと旅立たせてくれるのがDNAである。そこは、あなたが夢で訪れる世界でしょう。そしてきっと、直観や超能力や遠隔視(現地での情報入手なしの)といった、驚くべきコミュニケーション手段が可能な範囲入って来よう。解き放たれた心をもってすれば、最重要なDNA言語の会話へと入ってゆけるに違いない。なんという素晴らしい探究であることだろう」。

 

幽霊DNA

著者デービッド・ウィルコックは、「本源の場」について、こう述べている。それは、生きたエネルギー場であり、すべての空間、時間、エネルギー、物質、そして生命の根源的創成要素である。ウィルコックによると、そうしたエネルギー場はまた、DNAを通じて私たちすべてに、一体となった共生意識をもたらしうるものでもある。この根源の場は、それが生物学に直結しているように、宇宙塵のようなもっとも単純な生命形態をはじめ、あらゆる生命の源となる。

DNAが惑星の進化プロセスと宇宙塵のなかで形成されたとの説は、定着しているようであるが、それはDNA「幽霊」効果として知られている現象によっても、事実上証明されうる。すなわち、ウラジミール・ポポニン博士は、試験管内にDNAを入れ、レーザー光線で照らすと、驚くことに、DNAは確かにその光線を捕え、あたかも結晶化したように、その螺旋を通して光線をうずまき状に変化させていることに気付いた。さらに驚かされたのは、そのDNAを取り去った時、その光線は自分でうずまき状態を続けたことであった。よって彼はこう推論した。即ち、太陽から一定の隔たりがあるところでは、微細らせん状波が、ある惑星の自然物質を結合させて生命のDNA分子を形成しようとするのではないか。そして、DNAはその波であり、その波がDNAである。というのは、光が自分にDNAらせんを形成することは、光自身が周囲空間のエネルギーの中に自然に存在する振動に共振して変化しないかぎり、不可能のように思われる。これは、そのDNAのらせん状光線エネルギーが最初にあり、次に、そのらせん状エネルギー――かつてその惑星は適正な振動の位置にあった――の周囲に物質分子が形成される、ということを示唆している。このように、あたかも、銀河が「変じ」て、DNAを作っているかのようであるのだ。

生命自体は、量子物理学の創発〔訳注〕現象である。2011年、ノーベル受賞者のダック・モンタグニエールは、私たちのDNAは自分で自分を電磁的にテレポート〔念力移動〕していると提起した。彼は、「幽霊DNA」と呼ぶ、それ自らが作る電磁的信号を放射する現象を述べている。そしてその現象は、酵素により実際現象と誤認され、別の場所に転写されてしまう。つまりそれはDNAのテレポートである。モンタグニエール博士は、殺菌した水の入った二つの容器を用い、一方に少量のDNA、他方には何も入れなかった。そして二つの容器に、定期的に7ヘルツの電磁電荷をかけた。18時間の電荷の後、第二の容器は、他方のDNAのすべての信号をもっていた。つまり、その殺菌水の水素と酸素の分子は、DNAに変わっていたのである。

〔訳注〕創発:部分の性質の単純な総和にとどまらない性質が、全体として現れること

また、イグナチオ・パチャコ教授による研究では、試験管に殺菌した砂と普通の水を入れて混ぜ、千度に熱した。そしてそのサンプルを密封し、蒸留水で再び殺菌した。24時間後、表面に小さな泡が成長し始めていた。だが、砂を殺菌しなかった実験では、こうした現象はおきなかった。そして、双方のうちの一方から、DNAが発生した。〔ということは〕DNAは「本源の場」において作られたか、あるいはそこに書込まれたようである。つまり、この実験が示すことは、ダーウィン説のように生命は偶然によって発生したのではなく、「本源の場」がすべての生命の源であるということである。まさしく、DNAは量子的創発現象なのである。

ロシアの科学研究は、直接的あるいは間接的(数十年にわたる純粋知性科学研究所での同類の実験と合わせ)に、たとえば、遠隔視、直観、自然および遠隔の癒し、自己治癒、自己肯定技法、特定の人(特に宗教的尊師)の放つ特異な光やオーラや、天候の心への影響といった諸現象を説明している。パタンジャリ〔紀元前2世紀ごろのヨーガ学説の確立者〕はヨーガ経の中で、こうした様々な人間の能力(siddhis)は、鍛錬を積んだ深い瞑想の実践による単なる二次的産物と述べている。ということは、瞑想が人の生命の核心つまりDNAに深く浸透するがゆえと考えられる。加えて、ブルース・リプトンが 『Biology of Belief』 の中で、遺伝子を切断したり置換えたりすることなく、言葉や振動数によってDNAに影響を与えたりプログラム化が可能と論じ、新型の薬品開発にそれが応用できる見解を表している。また、ロシアの生物物理・分子生物学者のプジョトル・ガルジャジェフとその同僚は、DNAの振動のふるまいを研究してこう発表した。「生きた染色体は、自分のDNAの光線放射を用いたソリトン波/ホログラフ・コンピュータのように働く」。ということは、たとえば、染色体が特定の振動へのふるまいを光線で変調させたり、DNAの振動に影響を与えて、遺伝情報そのものを調節できるということを意味する。DNA・アルカリ対(そして言語)の基本構成は同じ構造をもっているため、DNAのコード化は不必要である。

三次元と座標時間の概念の中で、ひとつの宇宙がそれ自体を作っており、その宇宙は、私たち自身の三次元と座標空間世界と同時に存在している。それはパラレル現実でも、その宇宙の片隅に仕舞い込まれていることでもなく、いま、ここでは、私たちの空間的現実と位相がずれてしまっている。したがって、私たちの身体的感覚はそれを感知できない。ところが、私たちの非身体的感覚はそれを感知し、そのうちで活動し、人の心霊的能力を向上させる。たとえば、予知認識は、時間的な視界の中で、遠く隔たったところの何かを見ること以上のことではない。テレパシーは二人が隣り合っておしゃべりをすることだが、それが二人間の距離に無関係に行われることである。テレキネシス〔念動〕は、あなたの時間的な腕を用いて物体の時間的要素を動かすことであり、いかに「時間が空間を変える」かを観測することである。遠隔視は、時間的に異なった両眼視である。このように、すべての超感覚能力とは、事実上、二つの異質な領域に股をかけて――身体的には空間や物体を超えて、心霊的には時間や空間を超えて――存在することであるといったん気が付けば、容易に理解できることである。そこで重要なことは、彼らは「特別な感覚」の持ち主でも、魔力的でも、超身体的でもないことで、彼らは、ただ生命生活――学んだり、使ったり、工夫したり、あるいはただ無視する際に、何を選ぶかの問題――の自然な結果の持ち主であることである。

DNAにはまた、隔たっているはずのそれが、既存科学からすれば起こるはずのないことであるのに、いっしょとなっている異様な能力があることが発見されている。つまり、何がありうるかについて、現在、信じられている科学的常識に反する実証が報告されているのである。というのは、二重らせん状DNAは、何ら移動することなく、他のDNAらせんにある類似性を、隔たったところから認識する驚くべき能力をもっているのである。つまり、なぜか彼らは互い同士を認識する能力があり、遺伝物質の微細子が同様なDNAに集まる傾向がある。DNAの化学下位成分の中の同様なつながりの認識は、科学によっては認められない仕方で起っている。なぜDNAが、そうした方法をもって結合することができるのか、既知の科学にはその理由が発見できず、しかも、現在の理論的見地からでは、この離れわざは化学的にも不可能なのである。こうした認識効果は、遺伝子の異形同原の再結合の精度と有効性を増し、DNAの修復、進化そして遺伝的多様性をもたらすものとなる。またこうした新たな発見は、再結合エラーを避ける方法を通じて、ガン、老化、そしてその他の健康問題をめぐる、新たな解明を与えることだろう。今のところ、そうした新たな発見はなされていないが、ともあれDNAのそうした特性は、私たちのDNAが、事実上は意識である、との結論をもたらすものとなっている。

 

超人間のDNA

時期尚早とは言え、さほど遠くない将来、科学者は、人間の早老化をもたらすDNA鎖に、古代から操作されてきた遺伝子を発見するだろう。こうした分野での準備はすでに1994年より開始されている。しかし、科学者がそうした発見を公けにし、その可能性を充分に活用するかは疑問である。世界はすでに過剰に人口をかかえ、しかも人々の寿命は3倍、4倍へと伸び、70億を越える人々をやしなう資源の制約は、その深刻度を増している。

新たなDNA情報コードが人体に発見されるのはほぼ確かで、その最初の具体的一歩は、老人の苦痛の種、心臓病、そして様々の身体的消耗の除去に取組むこととなろう。遺伝子の逆操作プロセスは人間を早老化の災いから開放する。遺伝子操作は、関連遺伝子への遡行操作によって逆行させることができる。その結果、ほとんど不滅にも見える寿命の長さ、すなわち、150年から200年、あるいはもっと長くさえも可能な長寿がゆえに、様々な問題も生じうる。この長寿化はまた、人口過剰問題や他の二次的問題、たとえば移民による新たな混血人種の出現などを悪化させる。霊理的には、私たちの二重らせんには、人間にとってはDNAの12の潜在らせんがあることが仮定されており、それは、12次元の現実へすら拡大がありうることを意味する。

実験室でのDNAへの仮説的な変化を越えて、人間は、そうした新しいDNA鎖を含むように自然に進化していることが観察されている。 2011年4月、英国の幼児アルフィー・クランプは、3本のDNA鎖を持つヒトの最初の発見例になったことが明らかとなった。このような知見は、人類が現在、全く新しいDNA鎖を付加するように変異していることを示唆している。ヒトは、はるか昔に12本の活性DNA鎖を含んでいたと推測されているが、10本が不活性化し、消失した。これらの不活性な10本の鎖が、私たちのジャンクDNAではないかと考えられている。私たちの脳について言われているのと同じように、私たちのDNAは、そのわずかな割合しか使用されておらず、残りは明らかに休眠中である。人間はDNAの3パーセントしか活性化していないことが示唆されている。より活性化されたDNAをもってすれば、少なくとも意識の観点から、はるかに理解力を増すはずである。例えば、12本のDNA鎖は、人体内の12個の伸長したチャクラに対応している。DNAの新しい鎖を持つ未来の世代は、可能性として、炭素ベースの存在から結晶ベースの存在へと変化できるであろう。

 

DNAアンテナ

私たちの細胞のエネルギー生産センター(ミトコンドリアと呼ばれる)のDNAアンテナは、「スーパーコイル」と呼ばれる形をしていると仮定されている。DNAのスーパーコイルは一連のメビウス・ループのように見える。DNAのこれらのメビウス・スーパーコイルは、スカラー波を生成することが仮定されている。体内のほとんどの細胞には、数千のメビウス・スーパーコイルが含まれており、細胞全体および身体全体にスカラー波を発生している。

スカラーという言葉は、二十世紀の初めにニコラ・テスラによって造られた用語で、強力な非ヘルツ・エネルギーの一部、すなわち、宇宙波と呼ばれる周波数のないエネルギー派を意味する。アインシュタインは1920年代、このスカラー・エネルギーに言及した。それ以来、テスラと他の独立した研究者は、スカラー波の物理的モデルと理論的モデルの両方を理解するようになった。そして彼らは、それはドーナツ状渦として一体となった2つの「反対の」両極であると結論づけた。それは渦巻き状に動き、円状に進む。それは同時に引力と反発力をもつ。それは共鳴し、共鳴させる。それは自然界いたるところに見られる。つまり、それは銀河であり、台風であり、竜巻であり、貝殻であり、トーラスであり、DNAでもある。

スカラー波は、同じ周波数の2つの電磁波が正確に位相を異にしている、すなわち互いに反対の場合に生成され、振幅は互いに減衰され相殺される。その「渦巻き込み」と「渦巻き出し」の結果、まったく磁場の消滅ではなく、エネルギーのスカラー波への変換がおこる。スカラーは、2つの共通の電磁波が2つの異なるベクトルまたは角度から収束するときに生成される。エネルギーベクトルが合致する場合、等しい周波数は互いに打ち消し合い、動かない、または静止したエネルギーを残す。スカラーが占める空間は真空ではなく、チェックされバランスのとれたエネルギーで生きている。これは、電磁波発生体、または同周波数の波が2つの異なるベクトルから出会う環境で自然に生成する。したがって、小さなランダム・スカラーエネルギーは、常に環境内に存在している。スカラ波は時間次元で伝搬するが、空間次元は伝播しない。それらは情報を運ぶことが観察され、フラクタルのような構造を持っている。

微生物学の専門家は、私たちのヒトDNAの97パーセント以上が明らかに未使用であると述べているが、ヒトDNA鎖は、新たな4番目の密度のエネルギー構造を扱えるような人たちには、しだいに「開錠」されていることが観察されていると議論する人々もいる。これらの人々は肉体的に違っているようには見えないかもしれないが、内部的には、感情、知覚、直感、感受性、そしてスーパーヒューマン能力と呼ぶことのできる深みを持っている。先に述べたように、DNAは言葉や周波数によって影響を受け、再プログラミングされるようである。

 

怪物フード

DNAでの目ざましい発見はまた、新たなDNAを作るといった分野や、新たな生命形態の延長によって、暗い側面を作り出している。生物学上の特許は、生物学における発明や発見に関連したものである。1970年代には、科学者が史上初めて、組換えDNAという生物技術上の方法の発明が特許となった。生体全部についての特許が許されたのは、1980年になってからであった。ダイアモンド対チャクラバリーのケースで、最高裁は、生物の特許を許していた従来の判決をひるがえす判定をくだした。このケースの争点は、漏れた石油を分解し清掃を助ける特殊に調整されたバクテリアであった。

この数十年、遺伝科学者は調整可能なDNA断片によって、タンパク質鎖を特定化する発明をした。新型のタンパク質は、遺伝子のDNA鎖を変えることによって作ることができた。こうした発明をした企業は、加工した遺伝子を所有し、その新たな連鎖で特許を取ることができた。主要穀物の場合、そうした企業は食糧の支配が可能となり、大規模に食糧生産を左右し、生物多様性を数種に減少させた。モンサントやノバーティスといった種苗企業の主張――世界の食糧不足を救うことに取組んでいると言う――とは裏腹に、この技術を促進する明白な目的は経済的利益にあるようである。この問題の詳しい検証は、問題が食糧の世界的な不足にあるのではなく、裕福な国による制限的な関税によって起こされている分配問題にあることを示した。遺伝的に操作された穀物は、食糧難を解決しない。ほとんどの遺伝操作された穀物は、開発国の食肉消費のための強い需要にこたえる家畜飼料用のものである。利益をあげている企業のどんなの理屈にも拘わらず、遺伝操作が人類の必要に貢献したとの実証はない。

この技術の大きな可能性を考慮したとしても、遺伝子操作植物や動物を環境に投入することや、遺伝子操作食物を人間が消費することに懸念を表す人は多い。批判者は、そうした生物は、操作された遺伝子が自然界に広がり、自然の生態系を乱す危険性をもっていると指摘する。そしてそれはすでに起っている。

 

免疫反応・光子・ねじれ波

「私たちは危険な世界に生きている。病原性微生物が私たちを休みなく脅威にさらしている」、私たちの自然な防衛を理解するため、数十年にわたった科学者の研究について、2011年のノ―ベル医学賞部門は以上のように語った。アメリカ人ブルース・ビュートラーとフランスの生物学者ユレス・ホフマン――攻撃に対する免疫反応の第一段階について研究――は、150万ドルの賞金を、カナダ生まれのラルフ・ステインマン――1970年代の彼の樹木状細胞の発見は、病気に対する身体の第二の防衛線を理解する基礎となった――と分け合った。

免疫システムは、本来、生体を感染から守るために存在しているが、それはまた、いくつかのガンからも、それが増殖する前に悪玉細胞を標的にして、防衛している。防衛の第一線である生来の免疫は、侵入して炎症を引き起こす微生物を破壊することができる。もし微生物がこの防衛線を突破すると、適応した免疫活動が行動をおこす。それは抗原と、感染をおこす細胞を破壊する殺し屋細胞を生産する。こうした二重の防衛線は、感染にはよい防御をもたらすが、それはリスクも持っており、また、炎症性病気がそれに続く恐れもある。しかしながら、多くの場合、免疫システムは働き過ぎ、健康な組織を攻撃し、たとえば、タイプ1の糖尿病や様々の硬化症やリウマチ性関節炎といった、自己免疫性疾病をおこす。こうした現象は、戦闘中、兵隊が同僚兵を撃つ、「同士撃ち」ともたとえられる。

多様な情報が、私たちのDNAの根源的機能が光子を蓄えることであると示唆している。一個のDNA分子には、およそ一千個の光子がある。患者のある部分が病気となった時、それはこうした光子を失う。その結果、その患者のDNAはもはやひとつの光子も含んでおらず、その状態はより悪化する。医師にとって、DNA内の光子を調べることは、身体のどこに病気が宿っているかを計ることとなる。通常の物質は、陽子、中性子、そして電子からなり、それらすべてが原子を構成する。一個の原子は、陽子と中性子からなる小さな一個の原子核を持ち、その寸法は、原子の2万分の1ほどである。化学的組成はこうした原子がなし、特定の数の陽子がその核にある。この数が原子の番号となり、原子周期表に示される。

現代科学は、以前は最小の粒子と見なされていた原子が実際に分割されることを明らかにした。 通常の物質は、分子を形成するために電磁気力によって結合された原子からなる。 これらの分子は一緒になって固体、液体および気体を形成する。

光子は光の基本単位であり、エネルギーと見なされる。 電子は光速近くで運動する。光子が原子に吸収されると、原子は光子のエネルギーを得る。 電子はこのエネルギーを使ってより高い軌道に飛び乗る。 光子エネルギーは、より大きな軌道の電子エネルギーと同じであり、より小さい軌道の電子エネルギーよりも小さい。したがって、光子が原子に衝突すると、原子は、光子のエネルギーが2つの軌道エネルギーの差に正確に等しい場合にのみ、光子およびそのエネルギーを吸収することができる。 これにより、小さな軌道からより大きな軌道にジャンプすることができる。これは量子ジャンプと呼ばれる。

最後に、物質の世界におけるすべての方式〔forms〕、形態〔shapes〕、様式〔patterns〕は、ねじれ波で構成されることが指摘されなければならない。ねじれ波は、すべての形ある物質に流入あるいは流出し、原子は基本的にねじれ波の発生元である。原子核の中にねじ込む内爆発物理学において、逆向きに回転するファイ〔Φ〕らせん電磁(EM)波は、EM波の電磁要素を同様に打消し、その結果、ねじれ波となる。                                                                 

ねじり波はネストされた光の螺旋(すなわち電磁放射)からなるエネルギー波であるが、光の速度をはるかに超えて移動する能力を有する。しかし、実際には移動はまったくない。なぜなら、実際には、通り過ぎる距離がないからである。これはギターの弦に似ている。 実際には直線的に移動する距離はないが、弦は振幅波で振動する。クロップサークルは、作物を押しつぶすねじれ波によるエネルギー伝達によって作られたのだろうか。DNAや細胞はねじれ波で通信するのか。ねじれ波を媒体としてのコミュニケーションがテレパシーなのだろうか。あるいは、ねじり波は光の速度よりも速く進み、ほとんど瞬間的に到着することが可能なのだろうか。

かくして、私たちは、自分が本当に誰であり、何であるかの本質に達した。そこで、今度はギアを切り替えて、地球上での人間体験の豊かなつづれ織りを調べる時である。このライフオロジーのセクションで別の広範な主題の探索を開始するには、まずその最初に、人々が自分自身のビジョンを考えるようになった瞬間から、開始する必要がある。

 

1 4 3 elongated skull

with permission, (c) Brad Olsen, 2015

 ペルーのパラカスの三つの長頭骨についての炭素-14 年代測定の結果、それぞれ、2350,2330,2340年前のものと判明した。ということは、彼らは純粋なパラカス・インデアンであって、ナスカ文化〔紀元前から紀元後800年頃に栄えた〕の遺伝的影響は受けていないものである。これは、パラカスを越えてペルーのクスコの起源を探る上で、研究者にとってのベンチマークとなるものである。

 

【本章完了】

 

参考文献

Fosar, Grazyna & Bludorf, Franz, Vernetzte Intelligenz. This book is only in German.

“DNA Mysteries” translated by Vitae Bergman.

Moosbrugger, Guido, AND YET… THEY FLY! Steelmark Publishing, 2001.

Eshleman, J.A. & Malhi, R.S. Report On The DNA Analysis From Skeletal Remains From

Two Skulls. Trace Genetics. 2003. Retrieved from

http://www.starchildproject.com/dna.htm

Smitha, Elaine, If You Make the Rules, How Come You’re Not Boss? Hampton Roads

Publishing, 2004.

Stokes, John “Extraterrestrial Genes in Human DNA” article from:

http://agoracosmopolitan.com

Wilcock, David, The Source Field Investigations: The Hidden Science and Lost

Civilizations Behind the 2012 Prophecies. Plume, 2012.

 

 

 

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Modern Esoteric: Beyond Our Senses,  by  Brad Olsen

http://cccpublishing.com/ModernEsoteric  www.bradolsen.com

with permission, (c) Brad Olsen, 2017


 

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