過去のエソテリック(その2)

〈訳読‐2b〉現代の「東西融合〈涅槃〉思想」(その26)

 

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【新版(Second Edition)に基づく】

 

 

過去のエソテリック(その2)

チベットの伝統

原初期のチベットの伝統によれば、すべての人々がテレパシー能力を持ち、地球上の栄光ある文明をほこっていたと言う。その言語の地域性にもかかわらず、この極めて先進的な民族は、自分の考えをテレパシーで伝え、アストラルで旅し、遠隔視で見て、自分や重い物を空中に浮かべることができた。この時代の人々は、いわゆる「堕落」の前の人びとで、自らの「軽い体」を意欲的に利用する驚くべき能力を持つ人々であった。人間の堕落の一つのバージョンは、人間がこれらのオカルトの力を乱用し、人類全体の発展ではなく、自己利益のためにそれらを使用したことである。かくして、普遍的なテレパシー能力は失われた。そしてそれは、西洋では、聖書の中でバベルの塔として表現された。そこで、人間は込み入った三次元の体に閉じ込められた。チベットのラマは古代の人間の能力を決して忘れていないが、年齢に応じて独立した鍛錬を続けていた。最近の中国による占領までは、これらの驚異的な人間の能力は西洋にも知られていたが、その後はほんの限られたものとなっている。

チベットには、ポタラ宮と呼ばれる主要な神秘教寺院がある。ポタラ宮は、古代の洞窟の上に鎮座し、そのトンネルシステムはベット高原全域そしてそれ以上にも広がっていると言われている。誰も立ち入りは許されないものの、ポタラ山の深い地中には隠れた洞窟と廊下の迷路があると伝えられている。この地下の通路系は、巨大な洞窟を主体とし、神聖な湖で終わるものを含め、そこから放射状に広がるいくつかの通路をもっている。この湖には、かつてラマ僧の秘伝々達に使用されたいくつかの島がある。湖は地下の川に流れ込み、そこから約65キロ離れたサンポ川と合流する。ポタラの下にある地下室には、仏の巨大な金の仏像とともにチベットの財宝がすべて入っていると言われている。最も興味深い地下室のうちのひとつは、現代考古学者には知られていない、巨人民族の遺体を収めた秘密の知恵の寺院である。そうした山と洞窟は、この惑星の最後の極移動の前の、チベットが海面レベルの国であった時に形成されたと考えられている。プレートが移動し、新しい大陸が形成され、造山活動がヒマラヤを形成してその北にベットができた。修道院が幾度も建設されたポタラ山は、初期の秘密の通路と古代の秘密の知識の宝庫である山と、まさに同じ山のことである。

古代のヴェーダ教祖は、紀元前8千年前に、その全知恵をもって、私たちの宇宙は物質からできているのではなく、意識とエネルギーで構成されていると述べた。12撚りのDNAと大きな松果腺を持ったこれら古代の先覚者とその考えは、普遍的な法則は明らかであり、人生に対する私たちの態度が、私たちの周りのあらゆるものを形成すると述べた。 彼らは、宇宙全体は思考から出現したと言った。

量子物理学によれば、 二重スリット実験は、知覚そのものを形成している意識を投入しないでは宇宙が存在することができないことを明確に示している。私たちの現在の考えが未来の生命を形作る。私たち一人ひとりが肯定的な結果をイメージすると、それが強力な思考や感情を生み出して、その実現の道が開かれる。私たちがまさに心の中に描いたその通りに、現実に正確に反映する。これが<引き寄せる法則>である。すなわち、物質、エネルギー、意識は一体のものである。

 

シャンバラの探索

何千年もの間、チベットのどこかの雪を頂くヒマラヤ山脈の谷間に、平和と普遍的な政策がその地の法律とする、パラダイス王国が存在しているという噂がひろまっていた。この王国はシャンバラと呼ばれていたが、その正確な所在は不明だった。

ジェームズ・ヒルトンは、1933年に『ロスト・ホライゾン』との題名の本に、この神秘的な都市について書いた。ハリウッドは、1960年に「シャングリラ」という映画を制作して自身の役目を果たした。有名な〔映画〕「The Celestine Prophecy〔聖なる予言〕」の著者ジェームス・レッドフィールドも、『シャンバラの秘密:11番目の洞察を探して」』と呼ばれる本を書いた。シャンバラの神秘は、チベットにおける神秘的でエソテリックな教えの中で最も高い流派であるカラチャクラの源とも考えられている。仏教がチベットに入る遙か以前に存在していたカラチャクラやシャンシュンのような古代文典には、この王国の記録がある。

シャンバラという言葉は、「平和の場所」または「沈黙の場所」を意味するサンスクリット語から来ている。カラパを首都とするこの王国は、クリカまたはカルキと呼ばれる王朝の王たちによって支配されていた。そこは、すべての生きとし生ける物が完全無欠である地あり、不完全な者が人類の進化と出会い、それに導かれる地であった。そこには、心が純粋な人だけが住むことができた。彼らは幸福と平和を楽しみ、外界の苦しみを認識すらしていなかった。この国では、愛と美徳によって統治されていると言われ、不正は決して行われなかった。人々は非常に深い霊的知識を持っていた。その文化的な美徳は、法律、芸術、そし一般的な知識の基となり、これまでに他の世界のどの人間によって達成されたものより高かった。

多くの冒険者や探検家は、この神秘的な王国を見つけるために努力したが無駄に終わった。伝えらるところでは、シャンバラはユーラシアの山岳地帯に位置し、他の世界からは遮断されている。古代文典のシャンシュンによると、シャンバラはヒマチャル・プラデーシュ州の〔カイラス山を源とする〕サトレジ渓谷がそれであるとしているが、モンゴルの人々は南シベリアの特定の谷がそれであるという。この王国に関する情報は、地元の人々から話を聞いたエステバオ・カセッラというポルトガルのカトリック教の牧師を通して、西洋文明に最初に伝えられた。その後、1833年、ハンガリーの学者サンドル・コロジョン・コスマは、シャンバラの位置を北緯45度から50度の間のどこかと称した。シャンバラの伝説はまた、エソテリックで神智学的な研究にたずさわっていたニコラス・レーリヒ〔ロシアの秘儀的・密教的画風の画家〕の注目を引いた。好奇心にかられた彼は、1923年から1928年まで、ゴビ砂漠からアルタイ山脈までの難しい地形を探索した。この旅行は、世界で最も高い35の山頂を越えた。しかし、そうした莫大な努力をもってしても、レーリヒは王国を見つけるには至らなかった。チベットのエソテリックな世界に異常な関心を持つナチスでさえ、1930年、1934年、1938年に探検隊を送った。しかし、いずれの探検も成功せず、かくして、少なくともシャンバラを発見した探検家はいない。

一部の研究者は、シャンバラはシンボル――現実界とあの世の間――としてしか見つけられないと主張する。多分シャンバラは私たちの心の中にあり、外では見出せない場所である。しかし、シャンバラが現実の場所であると信じている人もいれば、地下に存在していてもよいし、高次元の空間に存在していてもよい。 チベット人は、古代の知識と先端技術の源として、他の世界や領域が存在することを何世紀も信じてきた。 前章で見たように、古代レムリアの子孫は、チベット高原の下の地下の洞窟に平穏に存在し、この惑星の表面に住む人間の生活には干渉しないと言われている。アガルタの人びとと地球の人々との間にも相互の関係はない。

 

シャンバラと呼ばれるユートピア王国を多くの人が捜し求めてきた。この地は、もし地球上にあるとするなら、より高次元の世界に存在するとするならどうなのだろうか。私たちが知覚できない現実の場所を意味することに加えて、高い次元の世界という、あなたの精神と心で、あなたの人生と思考を浸透させる平和の場所(シャンバラ)を見つけることを意味する。 シャンバラは、物質主義、憎しみ、暴力、自我主義を払拭する。それは生き、生きさせる地であり、してもらいたいことを他者に行う地であり、あなたの隣人を愛し、自然と一緒になり、希望に満ち理想主義的なより良い世界を求める地である。この限りでは、シャンバラは物的な場所ではなく、肉体的な場所(物質性)を探して人生を過ごすと、それを見つけることはなく、そのような検索(虚栄心)ではあなたの人生を無駄にするだろう。 シャンバラという霊性的な場所は、あなたの中にあり、あなたがしなければならないことは、深く内部を見つめることである。(with permission, (c) Brad Olsen, 2017)

 
 ギリシャの神秘学派
 古代ギリシア人はエソテリックな概念を新しいレベルに持ち込んだ。有名なデルポイの神託は、多くの神殿のネットワークの中の唯一の神殿だった。人々は知られている世界のあらゆるところから旅してきて、霊的な世界からのコミュニケーションを聞いた。これらのコミュニケーションは、男神と女神からの直接的なものであり、古典世界の偉大な作家、詩人、哲学者に影響を与えた。このように、ギリシャの各神殿はコミュニケーション・センターであった。ギリシアの司祭たちはそれぞれの神殿に地元の神を割り当てた。この神殿のネットワークは、首都テベスと地中海地域の間で、バルト海の北端に位置する正確に5度の緯度に位置していた。他の機能の中でも、神殿はグリッドとして機能し、後に「オムファルス・ストーンズ」と呼ばれる電子ビーコンを収容していた。神殿の所在地のグリッド配置は、地球上空の数マイルからしか見ることができない。その原初の電子通信ビーコンのネットワークは、神権が消失したときに使えなくなり、彫刻された石で置き換えられた。

古代ギリシャはいくつかの神秘学派を生み出し、それぞれが自身の神託あるいは秘密の教えを持っていた。デロスのギリシア神殿は、ストーンヘンジ時代にさかのぼる先史時代の巨石サイトに建てられた。 ドドナ神殿は、先覚者霊や霊媒がゼウスやジュピター――多くの宗教で「ロイヤル」な惑星として知られている――の魂と接触することを許した。ミスラの神秘と呼ばれる別の宗派は、ミスラの元の洞窟の周りに形成された。 エレウシスの秘儀やイシスの神秘派など他の古代の神秘宗教と同様、ミスラの神秘派は教えや実践についても厳格な秘密を保持しており、入門者のみにそれを開示した。その信徒は男の入門者にのみに限られていた。彼らの礼拝所は「ミトラヤム」と呼ばれ、各寺院は元の洞窟のように暗くなるよう意図され、窓がなかった。エレシウス神秘学派はすべての教団の中で、古代ギリシャの最大の神秘を伝えていた。

何世紀にもわたって、ギリシャは影響力のある先見者と神秘主義者の地であった。 「啓示書」は、ギリシャのパトモス島に隠遁していた聖ヨハネによって書かれた。 聖ヨハネは霊の視界とコミュニケーションを、洞窟の中の窪みに頭を入れて横たわりながら得た。

古代ギリシャとローマは、西洋の哲学の生誕地でもあった。 ロゴスという言葉は、「知識」または「霊性」のギリシャ語だる。占いは、重要かつ一貫した日常生活上の実践だった。 最も有名な古代ギリシャの哲学者、アリストテレス、プラトン、ソクラテスは、精霊からの情報を集めた。 ソクラテスは、数千人の知識人のうちでただ一人、地下の部屋に入ってデルポイの神託と話した。神託に加えて、占いには多くの形があった。雷と雷は、鳥の飛び方や卑劣な人々が話すたまたまの言葉と同様に、また新たに生け贄となった動物や人間の臓器すら、クレドニスムと称され、意味を提供することができた。

このピナクスつまり献納板は、ペルセフォネ〔ゼウスの娘〕が「Liknon Mystikon」を開くところを表しています。この図板は、マンネラ郡のロクリにあるペルセフォネの神殿で発見された。ロクリはマグナ・グラエキア地方の一部で、イタリアのカラブリアにあるイオニア海沿岸に位置する。(with permission, (c) Brad Olsen, 2017)

 

グノーシス派

グノーシスという言葉はギリシア語のギノスキンから来ており、単に「知る」という意味である。それは、今日なら自分でインターネットで検索し、その各々のデータを瞬時にダウンロードして得られるかもしれない種類の知識である。同様に、真のグノーシス主義者は、たぶんに神秘主義者のごとく、すべてのことを独特の方法で理解することができた。それは、アカシックレコードとも呼ばれる、集団の無意識への立ち入りである。グノーシスとは、最もエソテリックな種類の知識を意味し、これは私たちの目からあまりにも長い間隠されてきた話である。それは私たちは入れない秘密集団の真実であり、おそらく、理解するにはあまりに根源的でもある。

古代エジプト人のように、ドルイド〔古代ケルト族の予言者・司祭〕は、まったく異教であったストーンヘンジだけでなくヨーロッパ全土の石器時代の諸巨石構造物において、太陽を崇拝する儀式を催した。大地に突き立てられた巨石を用いて、天を図化し太陽や月の運行を描くのは、共通の目的であったのだろう。イスラム教、ヒンズー教、シャーマニズム、仏教、そしてキリスト教徒のいずれも、テレパシーによって導かれたかの知恵、すなわちグノーシスに基づいているかのようである。オハイオ州の先住民は、「蛇の丘」と呼ばれる巨大な墳丘〔訳注〕を築き、彼らが精子と卵の受精出産プロセスを理解していたことを示した。これは、その数百年後に顕微鏡を通して発見されたことである。マヤは、望遠鏡が発明される3世紀以上前に、将来の数十の日食を予測した。それは、深い瞑想による恍惚と厳格な霊性鍛錬の持続の賜物であった。それは、古代人たちが第三の目を完全に利用できたことによるのであるが、これについては、後続の松果腺の章で論じる。

〔訳注〕以下の図を参照(ウィキペディアより)

  最近のカトリック教会の根本的変化、そしてキリスト教一般の変化に伴い、グノーシスの考えは、エマーヌエル・スヴェーデンボーリ〔スウェーデン王国出身の科学者・神学者・神秘主義思想家 1688-1672〕、ゲオルギイ・グルジエフ〔アルメニア生まれの精神的/実存的な取り組みの主導者 1866-1849〕、トマス・マートン〔米国のカトリック教会の修道司祭、作家 1915-1968〕などの熟達した神秘思想家の著作の研究を通じ、エソテリックなキリスト教を再利用するようになった。私たち人間が、物質主義を卒業し、私たち各自が霊性的存在としての多次元性を持っていることを覚った時、私たちは西洋の歴史を異なって理解し始める。キリストの人生とその犠牲は深遠な影響を西洋思想にもたらした。しかし、キリストへの「信仰」が自動的に信者の魂を「救う」という定着した考えは、過度に単純化され、誤解をもたらすものである。さらに言えば、本来のキリストの教えをもってすれば、私たちは誘惑や衝動に打ち勝つ力を持ち、最終的には、意識的な内的働きを通じ、身体そして物的な領域に影響や変換をもたらしうる。そして、彼は実在し、奇跡の能力があったわけでる。奇跡はいつでも起こりうる。そのような力は、限られた自己認知が消え始める前に、私たちが内なる声を習得し、未開拓の内的力を呼び出すことを学ぶときに、私たちの誰もが得られるものである。エソテリックなキリスト教によれば、内面のエッセンスにつながることは、世界の行動と私たちのカルマ〔業、因縁〕を左右する。
 長い時の経過の中で、私たちの先祖は物的現実にある幻想をもち、別の方法があることを認識した。彼らは、人があくせく働く以上のレベルに達するためには、私たちが内的対話を変える必要があることを発見した。人は、私たちの限られた大衆意識と、私たちを二極分化させる対立した内的対話を知らなければならない。私たちが今や「グノーシス主義」と呼ぶものに進化した、人類にとってより高い目標があるかもしれないというこのユニークな理解は、最初にまず個々に達成され、そして集合的に共有される。 言うまでもなく、これは表明として、大きく単純化されているが、訓練された霊性的実践へのコミットメントによって実行可能である。達成者たちが述べているように、多くの人がこの世離れした感情や構想を最も呼び起こすことを経験するのは実践からである。さらに、一般的な認識とは違って、初期のキリスト教徒はグノーシスだけでなく神秘主義者でもあった。
 
ノエティック・サイエンス
 ノエティック(noetic)という言葉は、ギリシャ語の「心」、特に高度で直観的な心に由来する。カリフォルニア州ペタルマのノエティック科学研究所(IONS)は、既成概念を破る研究所で、科学と意識の間の交叉部を開拓している。この研究所は、アポロ計画の任務で月面上陸六人目の宇宙飛行士、エドガー・ミッチェルによって設立されたもので、気付きを拡大し、知性の流動性を増すよう世界中の人々に働きかけている。IONSの前最高経営責任者(CEO)であるマリリン・シュリッツ博士は、「私たちは、かつて問われたことない疑問を問うことに関心をもったパイオニアたちのグループを活用してきた」と語る。人間の能力を広げ、人間の幸福と生活の質を向上させるために、現社長兼CEOのカサンドラ・ビーテン博士は、本研究所は「現実の基本的性質は何であるか」といった最先端の科学的ツールのレンズを通した問題に焦点を当てていると語る。IONSの研究は、意識が重要であることに基づいている」と彼女は続ける。「あなたの考えることは重要であり、あなたが感じることは重要であり、あなたが意図すること、あなたが関心を注ぐこと、あなたの現実の枠組みの決め方、それが重要である」。だが、それはどのように、そしてなぜ重要なのだろうか。
  瞑想の実践と厳密な科学実験を組み合わせることによって、IONSの研究者は、地球上で起こる災難――環境悪化から貧困そして暴力に至る――は、その根本的な原因がそれら自体にあるのではなく、私たちの限られた意識の中にあると確信している。だが、私たちの意識は、共通の利益のためには限界を超えることができる。人間の心が物質と物的世界におよぼす力を持っているということは、概念的にも科学的にも実証されている。シュリッツ博士は、彼女の考えのみを用い、第一の被験者が、隔離された部屋の第二の被験者の活力の徴候を変えようと試みた実験を挙げている。 IONSの上級科学者であり、2013年出版の『スーパーノーマル』の著者ディーン・ランディンは、心は力強いと述べている。例えば、彼の実験ひとつは、ある種の「透視検出器」を使って、意識が遺伝子の発現におよぼす影響を調べた。「我々の研究から学べることは、あなたの傾注、意図が、現実のあなた自身の認識を作るばかりではなく、現実そのものについての何かを作ることである」。
  また別の実験は、最初はプリンストン大学で数百回実行されたもので、乱数発生器と呼ばれる機械をもちい、ノエティック研の研究者はそれをほとんどすべての大陸に置いた。マリリン・シュリッツは、「その装置は本質的に電子コイン投げ機です。コインを100投げると想像すれば、通常の確率分布に基づいて、表と裏の数は同じになると期待されます」と述べる。ところが、いくつかの実験では、人間の思考だけでこうした機械に影響がおよび、表と裏の比率を変える。ことに、非常に多くの人が同類のもの――例えば、クリスマス、野球世界選手権、イギリスのダイアナ王妃の葬式など――に注意や意識を集中させると、コンピュータの特定の乱数発生器は、ランダムなものに代わり、秩序付けられた数字を出し始める。ある秩序を持つ集団意識は、その周囲全体に秩序を作り出す。要するに、人間の心は本当に物質に影響を及ぼす能力を持っているということである。秘密の米国政府のプログラムは、遠隔地で直接感受する能力――IONSの実験で科学的に実証された人間能力――を開発するように考えられた。米政府は当初、「遠隔視」と呼ばれたこのプログラムの存在を否定し、それについて語るものを、陰謀論者と呼んだ。しかし、1995年には、機密指定を解かれた文書は、明らかな有用性により、米政府が実際にこの極秘計画に何百万ドルも費やしていたことが公然のものとなった。
  これらは、既成現実と戦うためのツールを発見するうえで、有望な突破口である。 だが残念なことに、人間開発におけるあらゆる科学的突破口は、火薬、原子力、または精神的に物質に影響を与える力の発見であろうと、最終的には武器に変えられてきた。だがその使命は、良いことためにこれらの拡張された精神的能力を使用する意図であり、集合的に拡大された意識で他人と一緒に参加することであり、私たちの暗い側にくみすることではない。もしかすれば、おそらく暗い側に傾いている人はすでにそれを使用しており、他の人たちが人間の心の膨大な可能性に無知なままでいることを望んでいるのだろう。

 

イルミナチの秘密

イルミナチと呼ばれる秘密組織――バイエルン州のAncient Illuminated Seers〔太古の啓蒙された先覚者たち〕――は、当初は Order of Perfectibilists〔完璧主義者騎士団〕と呼ばれ、ドイツ、バイエルン州のインゴールドスタット大学の自然法と教会法の若手教授、アダム・ヴァイスハウプト(Adam Weishaupt)によって、1776年5月1日に設立された。彼は、カトリック教徒として育てられたユダヤ人で、プロテスタント教に改宗した人物である。 エソテリックな伝統に強い関心をもって活動し、1774年にフリーメーソンに加盟した。ヴァイスハウプトは秘密主義と古代教義の確信者で、フリーメーソンと薔薇十字会の双方の中核になっていると信じていた。

秘密結社として知られるフリーメーソンは、自分たちをエソテリックな兄弟同士と自認し、その入会者の古くからの友誼が、優越心を培う教義の習得をつうじ、啓発の共有に貢献する。彼らは宗教団体ではないものの、至高の存在への信念が求められる。その地位の上昇は、高く尊重される儀式や伝統のテンプル騎士団への招待によって得られる。彼らの正式な名称は、「エルサレム、パレスチナ、ロードス、マルタの教会と聖ヨハネの宗教的、軍事的およびメーソン騎士団」である。多くの歴史家はフリーメーソンのルーツを歴史的なクリスチャン騎士団の民兵に求め、彼らはかってはバチカンをほとんど破産させ、無慈悲に圧し潰された。フリーメーソンはそうしたテンプル騎士団の灰から生じたが、数百年をかけてそこから立ち上がってきた。主にキリスト教の組織だが、他の宗教も加入を歓迎している。今日では、政治と宗教から距離をおく努力にもかかわらず、スカンジナビアの支部は、今でもキリスト教徒崇拝者の参入しか許されていない。また女性は除外されたままであるが、他のフリーメーソン騎士団に加わることができる。

後述するように、イルミナチ、フリーメーソン、シオニストは、政治、財政、シンクタンクの分野における主要国際機関の背後にある。そうした機関は、世界銀行、国際通貨基金、国際決済銀行、三極委員会、対外関係評議会、ビルダーバーグ・グループ、国連、欧州連合、国際刑事裁判所など、有力なあらゆる組織を含んでいる。彼らの目的は、世界的な政府、中央集権化された経済支配、そして最終的には彼らの構想する単一世界を受け入れるよう、大衆を洗脳するために舞台の裏で働くことである。

 

米国の初代大統領であるジョージ・ワシントンは、フリーメーソンの装飾をしたエプロンを着けている。 彼の右には、直角定規、左にはコンパスという、伝統的なフリーメーソンリーのシンボルが置かれている。 米国建国の父は、礎石をすえる儀式にのぞみ、何か祝福をあたえているように見える。その儀式の考えは、その建物が堅牢でさい先のよい始まりになるようにとのものである。そしてフリーメーソンのジョージ・ワシントンは何の建物の基石をすえたのだろうか。米国議会議事堂ビル。 同ビルの実際の青写真は、地下の階は小部屋で満たされていることを示している。それは、古代ギリシャの迷路に由来しているようである。(with permission, (c) Brad Olsen, 2017

 

 

 

長き欺きの歴史

地球の人間は何千年も前より、あざむかれた生活をさせられてきている。もし、私たちが古代の文言を信じることができれば、私たちの世界は楽園として創造されたが、意図された目的とは全く反対のものに変わってしまった。 知恵の伝統は、この悲劇的な変化を様々な方法で説明している。このエソテリック二部作は、悪意なETが人間を少なくとも5,400年にわたり――もう少し長い可能性はある――操作している可能性を最終的に受け入れる必要がある――想念的概念ではあるが――という立場をとっている。友好的なETも、自分たちのことを私たち地球世界に知らせたいと望んでいるが、地球を支配する少数の富豪かつ有力な人物たちは、もしその事実が開示されれば世界は破壊されると脅迫することによって、それを阻止している。人間は、歴史を通して、凶悪な行為をなしうることを実証してきている。アメリカ南北戦争中の奴隷の解放は、もし現在の精神的奴隷の状態が公表されるならば、この惑星全体の解放に匹敵するものであろう。

私たちの歴史は、一般社会の必要に応じて書き直されてきており、多くの埋葬された秘密を持つ。支配するエリートは、一般の人々――彼らは「羊のような人たち」と呼ぶ――を永遠に無知にとどませるよう望んでいる。彼らは、つねに真実は最終的には明らかになるとは認識しているものの、そうした大衆が完全な公開を得たり、超能力人間としての可能性を持ち始めるには、まだ時期尚早だと考えている。〔地球外からの〕「観察者」(友好的監督であることが望ましい)は規則を持ち、重要な状況下でのみ干渉することができるとしている。だが彼らは自分たちのルールの限界を越えて私たちに警告しようとする。これらの兆候――例えばクロップサークルのような形で――のほとんどは気づかれることがない。大衆のほとんどは、他に多くの事が明らかであるのに、お金のような、私的利害に関心を当てるのみである。社会はこのように成形されてきた。通常、お金の安全に関する幻想的な信念により、お金を重視する人々は、世界の混乱に際しては、そのコントロールが容易である。

ルシファー(魔王)の宣託――「人間の堕落」とその結末とも見なされる――とは、本質的に人間は、正義、美しさなどの本来の魂や精神的な理想を発展させるのではなく、貪欲、権力、肉欲のような、現世的な興味と欲望によって定義されるという信念である。人間は、これらの誘惑に服従し、自分たちの破壊の共犯者となることによって、ルシファーに奉仕している。イルミナチは常に、それを「性的解放」とか「開放結婚」と呼んで、私たちの基本的な本能に耽溺することを促進してきた。彼らの心理学は常に、物質界の抑圧と自己規律に反することに反対してきた。 しかし、真実の自己と霊性的強さに気付くことなしでは、ルシファーの哲学は災厄である。 「ルシファー主義」と呼ばれる視点では、人間は神であり、イルミナチの自己奉仕の願いは、万事における原則である。

カトリック教会は、何世紀にもわたって西洋思想を形つくり、ヨーロッパの中世の恐怖支配を統治し、それが続いている。ガリレオは、地球が太陽の周りを回っていると主張して死んだ時、自宅拘禁されていた。そのような圧政の時代、秘密結社は重要な役割を果たし、教会によって圧殺される知識の保存と育成のための極めて少数の方法のひとつであった。しかし、秘密がある所では常に、腐敗や操作が劇的に増加する可能性をもつ。中世ヨーロッパのような大きな圧迫の時代や革命前のアメリカの植民地では、人々の生活にプラスの変化をもたらす計画などの秘密は禁じられた情報を共有する重要な手段であった。だが、より平和な時代には特に、同じ秘密は、特権的な少数を支え促進する方策に使用されてきた。非常に少数の人々のみが、ボヘミアンクラブ、ダボス、300人評議会、ローマクラブ、その他のグローバルエリート秘密の集会について知っているのみである。なぜ、これらの強力な議会の報道は、彼らの有力なメンバーの毎日の糧である大衆紙には、ほとんど掲載されないのだろうか。今日のインターネットと知識への容易なアクセスの時代にあっては、フリーメーソンや他の秘密結社は私たちの世界で有用な役割を果たしているのだろうか。今日にあっては、閉鎖された扉の後ろで会う世界で最も強力で裕福な人々がいかなる公的な精査もなしにあることに、肯定的な目的があるのだろうか。もしそれらが、私たちが超能力人間となりうる重要な情報を蓄えている場合はどうなのか。あるいは、悪くすると、それらは人類の特定のメンバーを奴隷化したり、消滅させる仕組みなのだろうか。こうした「コントロール」をめぐる疑問や他の多くの疑問について、本書は次のセクションにおいて問い明かしてゆく。

 

 

 

フリーメーソンは長い間、政治的エリートと革命的思想と関連してきた。 フリーメーソンはオカルトと将来の世界政府へのリンクを持ってきたと考えられている。このジョージワシントンを含む建国の父の多くは、フリーメーソンの首脳だった。(with permission, (c) Brad Olsen, 2017)

 

 

 

 

 

 

【本章完了】

 

 

参考文献

Eiseley, Loren, Editor, The Epic Of Man, New York, NY: Life Books, 1961.

Hamlyn, Paul, Greek Mythology. London, UK: Westbook House, 1964.
Macrino, Vincenzo, Humanity: The Alien Project, Bridger House Publishers, Hayden, ID: 2013.

Rampa, Lobsang, T., Third Eye: The Autobiography of a Tibetan Lama. New York, NY: Ballantine, 1956.

Smyth, Piazzi, The Great Pyramid. New York, NY: Bell Publishing Co., 1880.

Sullivan, Walter, et. al, The World’s Last Mysteries. Pleasantville, NY: The Reader’s Digest Association 1981.

The legend of Shambala: http://spirithousehealing.ning.com/forum/topics/shambhala

The Secret KGB Abduction Files – UFO Documents (Roger Moore)

http://www.youtube.com/watch?v=RFmWLdf7r-g&feature=youtu.be

 

 

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Modern Esoteric: Beyond Our Senses,  by  Brad Olsen

http://cccpublishing.com/ModernEsoteric  www.bradolsen.com

with permission, (c) Brad Olsen, 2017



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