食品支配と脱出(その2)

〈訳読‐2b〉現代の「東西融合〈涅槃〉思想」(その40)

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食品支配と脱出(その2)

 

犯罪的FDAを解体せよ

業界は、この十年あるいはそれ以上にわたり、人々への通知なしに作物および種子の遺伝子設定を変更してきている。米国では、特定の食品の遺伝子操作について、〔その食品容器に〕表示する義務はない。大手化学企業は、世界の食糧供給の源泉を支配する意図をもって、種子会社のほとんどを所有している。彼らは現在「特許」をとって、種子を所有することができている。有機農家は、その自然栽培の作物への、受粉交配による品種――遺伝子レベルに挿入された有害な化学殺虫剤を含みうる――の混入を防ぐことはできない。私たちは、無自覚のモルモットと同然となっている。一部の推定では、食料品店の食品の70パーセントに遺伝子操作作物の成分が入っている。食品医薬品局(FDA)内の科学者たちは、遺伝子操作食品に特有の健康被害について警告しているが、FDAはそうした科学者の助言を無視し、バイオテクノロジー産業――食品システムを中毒させながら「特許暮らし」を探求――の支援を選択している。遺伝子操作作物(GMO)は世界の栄養源にはならない。それはモンサントらの収益にしか役立たない。

最近、あなたは、自宅の薬戸棚にクルミがあるのを見たことがあるだろうか。食品医薬品局(FDA)によれば、薬戸棚は厳密に、〔食用でなく薬用に〕使うためのものをしまっておくところである。ダイヤモンド・フーズ社は、クルミを食べることの健康上の利点という真摯な主張をしたため、FDAは「貴社のクルミ製品は医薬品」であり「新薬品」とするようにとの通知を送った。しかしながら同局は、「〔同製品は〕米国ではその新薬品申請に認可が出されておらず、合法的に市場に出してはならない」と通告した。そして同局は、遵守しなかった場合、それを「押収」するとダイヤモンド社を脅している。このような理不尽かつ冷酷な政策により、FDAは「Fraud and Deception Administration〔詐欺欺瞞局〕」に等しくなっている。

FDAは近年、ザクロジュース、緑茶、クルミなどの食品――アテローム性動脈硬化症などの病気を予防する自然食品――を製造する企業に幾度も警告書を発行した。FDAはそうした企業に、それらの食品が科学的に証明された健康上の効用をもつと一般に知らせないようにと露骨に要求している。FDAは、健康食品をとることで加齢性疾患のリスクを軽減できることを国民が知ることを、明らかに嫌がっている。むしろFDAは、消費者が大量販売の医薬品やゴミクズ食品――変性〔degenerative〕疾患のリスクを高めて寿命を縮める――についてのみを知ることをよしとしている。例えば、FDAはポテトチップスを「心臓によい」と宣伝することを許している。

 

殺虫剤の毒性

世界保健機関(WHO)は、慢性の非伝染病が急速に世界的流行になっていることを警告しているが、適切な非難を突然に止めてしまった。総体的に見て、神経知覚、代謝、自己免疫および心臓血管に関わる疾患の増加を、遺伝学や生活習慣および栄養にのみ帰することはできない。若年期の曝露に加えて、毒性物質が累積してゆく生体内濃縮は、あらゆる人たち全体の慢性疾患を引き起こしている。GMO、ケムトレイル、遺伝子操作食品と同様に、農薬が自然界にまかれた始めたのは数十年前で、それによる影響はまだ解明され始めたばかりである。

最近の研究では、今や遺伝子操作食品に関連しているとするより、農薬への胎児期暴露との直接的相関を見出している。カナダのケベック州東部地区で実施された大規模な研究は、いくつかの驚くべき結論を見出した。第一に指摘されなければならないのは、農薬と遺伝子操作食品の結合(PAGMF)があることで、それは、特定の食物が、グリホサート(GLYP)やグルホシネート(GLUF)などの除草剤、あるいは細菌毒素バチルス・チューリンゲンシス(Bt)などの殺虫剤の効用をも合わせ持つように改変された産物であることである。このカナダの研究の目的は、母体と幼児曝露との相関を判定し、さらに、カナダのケベック州東部の町村周辺の、GLYPとその代謝産物であるアミノメチル燐酸(AMPA)、GLUFとその代謝産物である3-methylphosphinicopropionic acid(3-MPPA)およびCry1Abタンパク質(Bt毒素)への暴露のレベルを判定することであった。研究者らは、30人の妊婦と39人の非妊婦の血液を分析した。GLYPおよびGLUFの血清は非妊婦で検出され、妊婦では検出されなかった。血清3-MPPAおよびCryAb1毒素は妊婦、その胎児、ならびに非妊婦において検出された。これは、妊娠の有無に関わらず、PAGMFの〔体内〕循環の存在を明らかにする最初の研究であり、栄養および子宮胎盤毒性を含む生殖毒性学の新しい分野の道を切り開いている。

国民の一般的な不健康への寄与要因は、複数の視点にまとめることができる。第一に、ケベックの研究が結論したように、異なる種類の毒物の生物学的影響である。殺虫剤およびその他の毒性のメカニズムは、主要な疾病の原因となることが確認された。これらの病気の増加に対処するために、医療従事者は、政策、公衆衛生、および臨床実践における環境要因に取り組む際に、幅広い役割を担うべきである。公衆衛生上の取り組みでは、リスク認識と化学物質評価が含まれる。保健当局は、曝露の減少、浄化、モニタリング、回避を推奨することもすべきである。疾患と環境要因の複雑な絡み合いもまた、複数の有毒物質に対処するいくつかの直接的な臨床的アプローチに順応すべきである。広く適用可能な方策には、代謝および免疫システムをサポートする、毒性効果に対抗するための栄養重視およびサプリメントが含まれよう。そうした対処には、運動や発汗、場合によっては排泄を高めるための薬物も含まれる。環境保健や慢性疾患の寄与要因への取り組みは、健康と生殖能力の向上によって、大きな潜在的利益を伴った社会への広範な影響をもたらすであろう。

 

食の安全とは有機的なこと

「有機的」という用語は、栽培者が作物を育成し管理する上での特定方法を意味する。有機〔作物〕規制は、食品添加物や農薬の使用を大幅に制限するか、または禁止する。有機農家は、化学製品ではなく堆肥などの天然肥料を使用する。彼らは土壌の栄養素を保持し、水を〔清浄に〕保存し、汚染を減らす農芸手法を使用して、作物を輪作する。また彼らは、育成動物を広い戸外で育て、添加物や成長ホルモンのない餌を与える。化学工業組織が有機農業の支援者ではないことは言うまでもない。

カナダの健康問題の内部告発者であるシブ・チョプラ博士によれば、「2010年食品安全近代化法(S510)は、米国史上の最も危険な法令である可能性がある」と言う。さらに彼は「S510は、自然が作るどの食物の成長、所有、交易、運輸、共有、飼料、食用についての国民の権利を奪う恐れがある」とも言う。それは、個人の選択した食品や農産物の栽培、交易、消費に対する最も攻撃的な権威である。それは憲法違反であり、自然法、いうなれば神の意志にさえ背くものである。言い換えれば、この法令は、農薬を含まない無農薬食品の栽培、消費、販売に関する市民の権利を禁止しようとするものである。このような厳格・過酷な措置は、英国統治時下のインドが直面した塩への課税と同様であり、S510は米国内のすべての食糧を支配し、自分の食糧を育てたり種を分けたりする、基本的人権を侵害する。S510は、モンサントに、米国の種子、食品サプリメント、食品、農業すべてに無限の力を与え、自家製の食糧を栽培、共有、交易、または売却することを違法とするものである。したがって、政府は違反者を投獄することができる。残念なことに、大規模な抗議にもかかわらず、米国上院は2010年11月末にS510食品安全法案を可決し、2011年1月初旬にバラク・オバマ大統領によって署名され、法律として成立した。

典型的なオーウェル流二枚舌を使うように、モンサントは、この新しい法律には関心がなく、恩恵を受けることはないと表明している。だが、モンサントのマイケル・テイラー――rBGHと非規制の遺伝子操作作物を世に出した――自身がこの法律を用意したようだ。さらに彼は、自らをFDAを支配する新たな「食品皇帝」に任命し、司法審査を受けるおそれもなくした。2013年3月には、批判者らが「モンサント保護令」と呼ぶ規定が、オバマ大統領が迅速に法律に署名した農業歳出法案に秘密裏に挿入された。その条項は、遺伝子操作食品の利益を訴訟から保護するものであった。だが2013年9月、幸いなことに、この規定は撤去された。

モンサントは、「食糧を支配する者が人々を支配する」ことを知り抜いている。モンサントは、そもそも化学メーカーである。したがって、最終的には、私たちは化学的にもたらされた食品と天然の有機食品とを区別する必要がある。アメリカの工場式農場や食品加工業者は、健康的な果物、野菜、穀類、草食動物産品の代わりに、過剰に遺伝子操作されたゴミクズ同然食品を生産し、心臓病、脳卒中、糖尿病、癌を引き起こしている。しかもそれらは農業補助金を得ており、有機農法業者はには、そのような補助金はない。

有機食品消費者協会によると、「遺伝子操作食品供給と、米国が毎年医療に費やす2兆ドル、すなわち、食物関連の慢性疾患の流行とは、直接的な相関関係がある」。モンサントが私たちの環境や健康に悪影響を及ぼすことが許されていることに、どうして社会からの抗議がないのだろうか。

モンサントの歴史は一貫して、毒性化学物質、訴訟、およびあやつられた科学を特徴としている。これが、世界の食料供給を支配する企業に私たちが望むことなのだろうか。しかも、モンサントは唯一の加害者ではない。「ビッグ・シックス」と呼ばれるその他の会社には、パイオニア・ハイ・ブレッド・インターナショナル(デュポンの子会社)、シンジェンタAG、ダウ農業科学(ダウケミカルの子会社)、BASF(主にバイオテクノロジー部門を急速に拡大している化学会社)、バイエル穀物科学(バイエルの子会社)がある。

 

モンサントという奇怪企業

多国籍化学企業モンサント社は、PCB、枯葉剤オレンジ、ウシ成長ホルモン、甘味料NutraSweet、そして遺伝子操作除草剤といった諸問題が示すような、暗黒の歴史を持っている。その歴史は、セントルイスに本拠を置く同社が、消費者製品を生産し始めた1970年代と80年代にまでさかのぼる。加えてモンサントは、10年間にわたるベトナム戦争において、イェール大の環境学者により人類史上「最大の化学武器作戦」と呼ばれた枯葉剤オレンジのダイオキシン汚染――ベトナム人とアメリカ人を合わせて一千万人におよぶ――の犠牲者を生んだとの告発で包囲された。この告発の結果、1984年、5万2千人の兵士による請求に対し、1億8千万ドル〔150億円〕の和解金が支払われた。またモンサントは、自社の種子の安全性を主張する独自の調査結果やFDAの支持に踏襲しているが、同社トウモロコシが臓器障害、肥満、糖尿病アレルギーに関係しているとの独立した調査結果も出されている。2010年には、遺伝子操作された種子の90パーセントがモンサント社産との山積する証拠が示され、同社の利益は急落し、約束どおりの収益拡大はならなかった。

モンサント社は、その製品について強い疑念を生んでおり、怪しげな歴史を伴っている。その汚点にまみれた壁は長くて広範囲におよぶ。かつてモンサントは、DDTが安全だ、枯葉剤オレンジは安全だと私たちに語った。そして現在、モンサントや他の化学会社は、遺伝子操作食品が安全であると私たちに伝えている。世界最大の農薬メーカーが、なぜ私たちの食べ物を作り、改造しているのか、人は疑問にかられるはずだ。遺伝子操作食品は、長期にわたる重大な結果をもたらす恐れがあり、その多くは何十年もの後にならないと判らない。既に遺伝子操作作物は、人、動物、土壌の重大な健康問題に関連している。究極的には、それらの食品は、それを口にした人々を遺伝的に改変する。モンサントはそもそも化学製品製造会社である。同社の〔製品の〕アスパルテームおよびフェニルアラニン〔いずれも人工甘味料〕事業は現在、リステリン〔洗口剤のブランド名〕を生産する製薬会社ファイザーによって所有されている。

潜在的に最も危険な遺伝子操作作物には何があるのだろうか。遺伝子操作Btトウモロコシとして知られているモンサント穀物は、独自の毒素を産するよう改造されている。つまり、トウモロコシに人工的に組み込まれたバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)と呼ばれる殺虫剤は、その作物を台無しにする可能性のある根喰い虫を殺す。このハイブリッド「怪物穀物」は現在、全米トウモロコシ生産の65%以上を占めている。それは、トウモロコシを食い荒らす根喰い虫に対する抵抗性をもっている。モンサントの遺伝子操作トウモロコシ作物はアメリカの農地を荒廃させているにもかかわらず、なぜか、連邦政府機関はこの危険を無視している。

『国際生物科学誌』に掲載された研究は、遺伝子操作食品が哺乳類の健康に及ぼす影響を分析し、モンサントの遺伝子操作トウモロコシがネズミの臓器障害と関連していることを明らかにした。この研究を要約した Food Freedomのラディー・アナンダによると、「モンサントの三種類の遺伝子操作トウモロコシ――Mon 863、殺虫剤発生Mon 810、ラウンドアップ除草剤吸収NK 603――は、米国、欧州およびいくつかの国の食品安全機関によってその使用が許可された。モンサントは90日間の調査を行って自身の統計データを収集した後、90日間後には慢性的な問題がほとんど見られなかったとし,このトウモロコシは安全に消費されていると結論付けた。しかし、許可をえるには時期尚早であろう。その研究は、次のように結論づけているのである。

その影響は主に腎臓と肝臓――栄養素の二大解毒臓器――の機能に集中しており、その詳細は各遺伝子操作食物のタイプによって異なる。加えて、心臓、副腎、脾臓および血液細胞への影響もしばしば認められた。肝臓や腎臓の代謝には性差が存在するため、これらの臓器機能における統計学的に有意な障害は、雄ネズミと雌ネズミとの間にも見られ、他の人が指摘するように、生物学的に重要ではないとして却下することはできない。したがって我々は、我々のデータが強く示唆しているのは、これらの遺伝子操作トウモロコシ品種が肝臓の毒性状態を誘発していることであると結論する。 …これらの物質は、これまでヒトや動物の不可欠な部分であったことはない。それゆえ消費者の健康への影響、特に長期間のそれは、現在、未知である。

2012年9月に公表されたジル=エリック・セラリ―二教授率いるフランス研究者による2年間にわたる研究では、モンサントの「Roundup Ready」トウモロコシを与えたネズミは、同トウモロコシを与えられなかった対照群よりも著しく腫瘍を発生させた。 Roundup Ready作物は、Roundupという商品名で販売されている、モンサントのトップセラーの除草剤グリホサートへの耐性をもつよう設計された品種である。科学文献では、Roundup ReadyトウモロコシはNK603としても知られている。この遺伝子操作食を与えたネズミはまた、対照群のそれよりも、早期に腫瘍を発生させ、より強く増殖し、より早く死亡した。モンサント社の遺伝子操作トウモロコシを摂取した、あるいはトップセラーの除草剤に暴露したネズミは、腫瘍や多くの臓器での損傷を発生した。カーン大学のセラリ―二教授らによると、NK603――モンサントのRoundup除草剤の使用に耐性を持たせた種子――を含む食餌を与えた、もしくは米国で許可されているレベルでRoundupを含む水を与えられたネズミは、標準的な餌を与えられたものより早く死亡した。遺伝子操作食餌の動物は、乳房腫瘍ならびに重度の肝臓および腎臓の損傷を被った。この研究は、研究者間で読まれる雑誌『Food and Chemical Toxicology』に掲載され、ロンドンでの記者会見で発表された。その会見では、「NK603は直ちに市場から取り除かれ、すべての遺伝子操作作物は長期試験を受けなければならない」と結論づけている。当研究者らは、オスの50パーセント、メスの70パーセントが早期に死亡したのに対し、対照群ではそれぞれ、わずか30パーセントおよび20パーセントであった。セラリ―二教授は、2009年に発表された科学論文――より簡潔なネズミの研究――に基づき、当時までの安全性の懸念を表明したチームの一員であった。だがこの新しい研究では、2年間を通して動物を追跡することにより、同教授は、このネズミの〔2年という〕一生涯にわたる最新の試験は、遺伝子操作作物承認の基礎となった90日間の飼料試行より、そうした90日間はネズミの成体初期と同等であるため、より現実的で権威あるリスクの見通しを与えたものと考えている。現在、遺伝子操作トウモロコシが癌を引き起こすことが示されているが、なぜ、それはまだ市場に出回っているのであろうか。

ジュネーブに本拠を置くコバレンス社には、世界最大の企業の評判を追跡するシステムがある。それはモンサント社を、2010年の倫理指数で581社の多国籍企業の最下位にランクした。遺伝子操作作物は欧州諸国や他の多くの国では極めて悪評判で、禁止されている。しかし、1996年にモンサントが自社のRoundup除草剤への耐性を持つよう遺伝子操作された大豆を導入して以来、そうした作物はアメリカの主要作物を支配している。モンサントがこのような不気味な製品の歴史を持っている以上、同社が私たちの食べ物を操作することが許されているのは、何を意味するのであろう。

 

アスパルテームという毒素

アスパルテームは、現在、6,000以上の製品に使用されている人工甘味料で、世界のほとんどのダイエット・ソフトドリンク製品に含まれている。そしてそれは、Nutrasweet、Equal、Creatine、Canderelといった別名で、いっそう広く知られている。それは 「ダイエット」とか「無糖」とかと表示された食品に含まれているが、実際は、体に非常に有毒である。アスパルテームは発癌性があると考えられており、他のすべての食品や食品添加物を合わせたものより多くの副作用報告がある。アスパルテームは私たちの友人ではない。それはかつて、ペンタゴンによる潜在的な生化学兵器リストに掲載されていた。現在のアスパルテームの特許所有者はモンサント社であり、それは、ナチスドイツの悪名高い化学会社のG・ファーベンの提携相手であった。ソフトドリンクには、8.3オンス(235グラム)入りの一瓶あたり、アスパルテームが190ミリグラムまで含まれている。最大のソフトドリンクメーカーは、「アスパルテームが消化されると、アスパラギン酸、フェニルアラニンおよびメタノールに分解される」と注記している。メタノールは、アスパルテームの根本的な問題の1つである。メタノールがアスパルテームを介して吸収消化されると、メタノールは毒性のあるホルムアルデヒドに分解される。人間は他の動物と異なり、毒性のホルムアルデヒドを無害な蟻酸に変換することができない。

アスパルテームは、1965年当初に消化性潰瘍治療薬として発見された後、1981年、あらゆる人工甘味料の帝王、米国食品医薬品局アーサー・ハル・ヘイズ長官により、同部局の諮問委員会の示唆や消費者の懸念を破棄して、市場に投入された。アスパルテーム(chemical#E951)は天然の生物や合成医薬品と相互作用する神経毒であり、広範な実例のある障害や症候群を引き起こす。ならば、科学者と一般市民を支配するはずのこの長官を誰が任命したのか。それは当時、アスパルテームの製造元であるGear Searle&Co.社のCEOだった、ドナルド・ラムズフェルドにほかならない。ラムズフェルドはレーガン政権の準備メンバーだったが、レーガンが就任した翌日、これまで記録に残る中で最も安全無視・利益優先な案件の1つに「彼の刻印を残す」ため、彼は新たなFDA長官を任命したのであった。前国防長官ドナルド・ラムズフェルドは、アスパルテームを通すよう政治的影響力を持つ米国食品医薬品局(FDA)を手助けした。この安全無視・利益優先に対する訴訟で発表されたプレスリリースによれば、「二重盲検」試験では、アスパルテームが重篤な健康上の問題を引き起こし、それに曝露した対象グループに死亡例があったという決定的な証拠が示された。しかもこの訴訟は、アスパルテームが人間の健康に有害であると主張する最初のものではない。「全国正義同盟(National Justice League)」は、2004年4月下旬に3件の別々の訴訟をカリフォルニア州裁判所に起こした。これらの訴訟の被告は12人であり、12人全員が人口甘味料アスパルテームを自社製品の砂糖代用品として製造または使用していた。アスパルテームは、現在では無糖の製品を超え、一般的な食品、飲料、医薬品、さらには子供向けの製品にまで広がっている。それが最近では、マーケティングの天才的手腕を駆使して、「AminoSweet」という聞こえの良い名前に改められている。

アスパルテームとその派生品ネオテームは、今日市場で最も危険な食品添加物と考えられている。その主な化合物は、アスパラギン酸、フェニルアラニン、およびメタノールである。これらは結合して脳内の神経を殺し、体を毒し、膨大な数の健康に悪影響を及ぼす。1970年に、科学者たちは、7匹のサルにアスパルテーム入りミルクを与え、その効果を調査した。最終的な結果は驚くべきものであった。218日目に、5匹のサルは発作に罹患し、1匹は死亡した。こうした潜行性のある製品が、低脂肪、無糖、または非脂肪の食物として偽装された5000種類以上の食品に加えられていると知るのは恐ろしいことである。それはまた処方薬と店頭販売の両方の数多くの医薬品の成分でもある。アスパルテームは神経毒と発癌物質である。また、この毒性甘味料は、知能や短期記憶をおかすことが知られており、その成分は、脳腫瘍、リンパ腫、下痢、多発性硬化症(MS)、パーキンソン病、アルツハイマー病、グレーブス病、線維筋痛症、慢性疲労、うつ病や不安発作、めまい、頭痛、吐き気、精神錯乱、片頭痛、発作、といった情緒障害、さらには腎不全などの疾患を含む様々な病気を引き起こす可能性がある。アセスルファム -K――パン類、ガム、ゼラチンに含まれる比較的新しい人工甘味料――は徹底的に検査されておらず、腎臓腫瘍と関連している。

他のどんな見解をもってしても、この物質は毒とみなされ、摂取してはいけないFDA勧告――容器に表示される――のひとつとなるべきである。しかし、この毒性物質は食品や医薬品団体によって承認されているため、合法となっている。アスファルテームは、フッ素混入水と同様に、文字通り多くの加工食品に潜んでいる毒である。この致命的な人工甘味料は、アスパルテームを便として排泄するように遺伝子組み換えされた大腸菌に化石燃料油を供給することによって製造される。あなたが実際に食べているものが何なのかが分かったら、それは決して甘味なんてものではない。

最後に、2012年、アスパルテームは、『全米臨床栄養学雑誌』の人間を対象とした長期的研究によって血液癌に関係しているとされた。この最新の研究――人間を対象とした発癌物質としてのアスパルテームについての最も長期の研究――によれば、毎日一本のダイエットソーダ飲料が、成人男性および女性の白血病、また、男性における多発性骨髄腫および非ホジキンリンパ腫のリスクがあるこを結論付けている。重要なことは、この研究がこの問題についてこれまでに完成した最も包括的で長期的な研究であることで、リスクを示さなかった他の過去の研究よりも重要なものであることである。また、やっかいなことだが、他の癌に関する将来の研究で、さらに類似した発見をもたらす扉を開くかもしれない。これらの結果は、多変量相対リスクモデルに基づくものであり、そのすべてが、ダイエットソーダを飲まなかった参加者と比較してのものであった。しかし、もっと多くの量のダイエタソーダを飲む男性のみが、多発性骨髄腫および非ホジキンリンパ腫のリスク上昇を示した理由は不明である。これまでのところ、ダイエットソーダは米国で使用されているアスパルテームの最大の摂取源である。毎年、アメリカ人は約5,250トンのアスパルテームを消費し、そのうち約86パーセント(4,500トン)がダイエットソーダに入れられている。これは、従順な人々を「ゆっくり殺す」もうひとつの毒物とは言えないだろうか。あなたはその甘いアスパルテームを、命がけで飲んでいるのである。

 

未知な肉の新世界

人口肉製品の大量生産は、牛から採取した筋幹細胞をもちいて作られている。こうした研究を担当する科学者たちは、研究室で牛肉を生成しうることで、世界の飢えの減少に役立ち、食物の早く再生可能な豊富さと、と殺場で動物の残酷な扱いを無くすことができるという希望を持っている。だが、実験室で人工的に生産される肉やその他の製品について、世界は準備ができているのであろうか。そのプラスの面やマイナスの面はどうなのであろうか。

ひとつの利点は、放牧地の減少である。地球の大地のうち、氷と永久凍土でおおわれていない面積の3分の1が牧畜業に当てられている。牛はメタンの形で温室効果ガスの主な原因の1つであり、温室効果ガス排出量の5分の1を占めている。またその一方、牛の放牧地をなくせば、膨大な土地を自然の生息地に回復させることができる。だがしかし、人口食品へ移行した結果はどうなのだろう。将来の高級な食事は、実験皿で培養されてたものとなるのだろうか。確かに、家畜を屠殺場に送る必要性を無くすことは、倫理的には結構なことだろうが。

急速な技術発展が顕著な分野では、21世紀の科学的な現実に取り組む上で、新しい方法を見つける重要性をもたらしている。実験室で育てられた肉というアイデアに関して、よく提起される質問は、「そもそも、どうして実験室で肉を成長させるのか。大豆や豆腐などといった、既存の食品で代替するのはどうなのか、等々」。栄養学的には、既存の消費可能な代替の増加には、良い面と悪い面の両方がある。例えば、大豆消費は、男性の前立腺がん発症の予防や、女性の乳癌のリスクの減少傾向を示している。だが、残念なことに、ほとんどの大豆は現在、遺伝子操作作物であり、その他にも問題がある。一流の食品専門家であるベアトリス・トラン・ハンター・は以下のように観測している。

生の大豆には、多くの抗栄養素が含まれている。加工はそれを減らすことはできるが、それらを排除するものではない。生の大豆は、抗凝固剤(血液凝固を防ぐ薬剤)である。抗凝固剤の特性はビタミンK――非常に有効な血液凝固剤――によって阻害されない。緑の葉野菜や肝臓は、ビタミンKの優れた供給源である。多くのアメリカ人はビタミンK値が低い。大豆の抗凝固特性は、その抗トリプシン活動に起因する。トリプシンはタンパク質を消化するのに必要な特殊酵素である。さらに、トリプシンは、ビタミンB12を消化する。従って、トリプシンの活動を阻止することにより、抗トリプシン剤である大豆は、ビタミンB12の必要量を増やし、実際にはビタミンB12欠乏症を引き起こす。

 

動転せず、有機食品を摂ろう

すべての病気には、世界のどこかで発見される、自然治癒があると言われている。しかし、あなたはそれを、大規模な農業経営や巨大製薬企業から教えられることはないだろう。すなわち、それらによる人造の自然治癒は、巨大製薬企業の独占や薬剤のアロパシー体系を補強するため、それが成功しないよう仕組まれているものである。そして本当の自然治癒は抑圧され、決して主流の国民意識にはならないようにされている。同様に、天然医薬品は、その使用および販売が薬物および化学特許の法的管理および独占〔の力の範囲〕を超えているため、抑制される。もちろん、天然物質では特許を取ることが出来ない。このため、すべての自然療法と非毒性療法は、企業所有のFDAや化学工業および医療権威者によって、おのずから、「いんちき療法」と呼ばれることとなる。非天然の非有機化学物質のみが特許を取得することができる。非毒性の薬は医療ビジネスにとってまさに脅威なのである。

ロックフェラー財団の医療研究助成金を受けるためには、申請者は新世代の医薬品用石油化学製品の代わりに伝統的および天然の医薬品を放棄することに同意し、過去の手法のすべての図書の放棄を受け入れなければならない。そして生じたことは、他の場所で書籍を燃やせとのいきなりの宣告であり、場合によっては、FDAが実際にこうした書籍の焼却に加担することであった。それは、伝統的な自然療法医師が化学業界と結託している専門家に逆らうのは危険な時期となった。古くから実証されてきた治癒のホーリスティックで自然療法的な方法論を受け入れたすべての「異議者」は、公的な医療訓練においては「いんちき療法」として邪教扱いされ続けた。こうした名誉毀損は、その優れた成果に対する功績でノーベル医学賞を受賞した医者らにも加えられた。

歴史的に、まさにそれは、ニンジンとムチの戦略であった。それに従った学校には、ロックフェラーの資金提供というニンジンが与えられた。従わない療法医には、FDAの警察力執行というムチが加えられ、さらには、「未承認」薬で患者を治癒させたという罪で、死ぬまで刑務所に入れられさえした。特定の癌を殺すビタミンや生乳など、有機的な非化学食品を販売する店には、嫌がらせが依然として発生している。それはもはや、治癒をおこなう医者だけではない。自然治癒は「承認」されてはいないので、定義上からして自然治癒は不法とされる。だが、多くの人にとって治癒は、化学工業界による支配と操作からの自由と結びつくようになっている。

私たちは、自分の体に何を摂り入れているのかを正確に理解することが、非常に重要である。植物性栄養素(phytonutrients)や植物性化学物質(phytochemicals)は植物の食品で、数千種類の天然化学物質を含んでいる。このフィト(Phyto)とは、ギリシャ語の「植物」を指す。これらの化学物質は、病原菌、菌類、微生物などの脅威から植物を保護するのに役立っている。ビタミンやミネラルとは異なり、植物の食品に含まれるこうした植物栄養素は、私たちの生存に不可欠なものではない。しかし、植物栄養素を食べたり飲んだりすることは、病気の予防や体の正常な働きを維持することに役立つ。植物の食品には2万5000種以上の植物性栄養素が含まれている。 「スーパーフード」は、栄養素が濃厚で、摂取量さえ正しければ、超健康的である。あなたには出来ることがたくさんある。ほとんどの植物ベースの食べ物には植物栄養素が含まれているが、そのうちの最上であるのは、全粒穀物、ナッツ、豆、茶である。「主要栄養素」は、定義上、有益な植物ベースの食物選択に基づいた広範囲な健康な食品から得られるものである。

食・産複合体〔「軍・産複合体」の食品業版〕は、常時、私たちを不健康な食べ物で誘惑しているが、私たちには常に選択肢があることを忘れないでいよう。すべての有機的なものを買うことは高価かもしれず、また、遺伝子操作されない食品を探すことは難しいかも知れないが、私たちは自分を〔神社仏閣のように〕聖域として扱うべきである。高果糖コーンシロップ製品を避け、砂糖摂取量を最小限に抑えよう。テレビで宣伝されている食物広告予算の3分の2以上が、高加工食品に当てられている。その材料が 5つかそれ以下の食品を選ぼう。スーパーマーケットのおよばぬものを買おう。あなたのおばあちゃんがそれを食べていなかったら、それを食べるべきではない。あなたのおばあちゃんがそれを知らないなら、それを食べてはいけない。まったく単純に、食物全体を食べよう。これらの単純なチェック項目を使用することで、全身の健康に肯定的な結果が得られ始め、食物による支配からの脱出が開始される。私たちは、ただ生き残るだけでなく、いっそう向上するために、そして私たち各々が持って生まれた目標を達成するための、今やその時を迎えている。

 

【本章完了】

 

参考文献

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ALSO SEE: http://articles.mercola.com/sites/articles/archive/2012/09/15/genetic-roulette-gmo-documentary.aspx

“Top 10 Food Additives to Avoid” list derived from: http://foodmatters.tv/articles-1/ top-10-food-additives-to-avoid

FDA Says Walnuts Are Illegal Drugs: http://worldtruth.tv/fda-says-walnuts-are-illegal-drugs/

 

 

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Modern Esoteric cover small

Modern Esoteric: Beyond Our Senses, by Brad Olsen

http://cccpublishing.com/ModernEsoteric  www.bradolsen.com

with permission, (c) Brad Olsen, 2018

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