一年九ヶ月ぶりの再開

  修行風景《中堅編》(その1)

11月より、一年九ヶ月ほど遠ざかっていたシェフ修行を再開しました。

前の「修行風景」は、文字通りの新米風景でしたが、今回は5年の経験ありということで、「中堅編」としました。

今度のレストランは、シドニーの中心を越えた反対側のイーストシドニーにあって、湾に面した洒落た住宅街の一角にある店です。店からは、海辺沿いの道路の向こう側にヨットハーバーも見渡せて、ちょっとしたリゾート地の雰囲気も漂っています。

 

ただそこまでの通勤はけっこう大変で、一回乗り換えの電車を乗り継ぎ、両端の駅からは自転車を使うという異例な通勤です。合計で一時間少々です。自転車は、愛用の折り畳み式「バーディー(日本ではBD-1 のブランド)」2号車です。

働く日は、週末、金、土、日の三日間、当面はディナータイムのみです。

店の主は、前の店でいっしょに働いたこともあるベテランシェフで、日本では、ホテルオークラで修行を積んできた人です。

そういう次第で、修行の中身も、一段、レベルの上ったものとなっているばかりでなく、料理の盛り付けなどには、垢抜けしたセンスも必要とされています。

現在、最初の三日間が終わったところです。しかし、ほぼ二年ぶりの再開で、自分の体がかっての修行をすっかり忘れているのに驚かされました。気分的には、ふり出しに戻ったかの感です。

ただ、店主の人柄や人使いのスタイルが、和のなかから創意を引き出そうとしている――と私には受け止められる――配慮があって、一種独特な親密感が店を満たしています。

従業員の数も、店の規模にしてはやや多めで、サービスの質に重点を置いている姿勢が明瞭です。

さて、私の付けやいばな技能が、これから一体、どこまで期待に添えるものとなってゆけるのか、気は緩められません。

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