菜食主義というヒント

私の健康エコロジー実践法 =実遭遇編= (その8)

Day 100 (6月26日) 

昨日、定期健康診断の血液検査の結果があがってきました。

気掛りとなっていたPSA値は、やはり、少々上がっていました。ひそかな期待は、期待のままで終わりました。でもそれほどの高水準ではありません。ともあれ、これが100日目の現実です。

ガンという命をおびやかす病気との遭遇は、むろんこれまでに体験したことのない、自分についての文字通りの“命がけ”な問いかけを投げかけてきています。逆に言えば、これまでの生活姿勢が、それほどにも生ぬるいものであった、あるいはそれほどに認識が甘かったとの、そうしたやはり油断があった積み重ねへの警告の総決算でもあるようです。

この100日目の「再警告」をもらって、さっそく、過去三カ月間の取組みを見直しています。どうやらそれは、まだまだ楽観や過去の延長にひきづられていた、“脇の甘かった”対応にすぎなかったようです。

 

Day 100+1 (6月27日) 

新たな対策の柱は、食のいっそうの改善とその徹底となりそうです。

さっそくインターネットで当たりをつけ、ダウンロードした東洋医学の資料にもとずく自己治癒能力の改善法に取組み始めています。

正直いって、巷に流通するいわゆる東洋医学あるいは代替医療の効用の説明には、理解しきれないところがあります。つまり、厳密な医学的究明という面であやしげな部分は感じます。むろん、その勉強をしてみるのも必要事なのですが、私にとっての問題はともあれ待ったなしであり、そうした納得を時間をかけて追っているわけにはゆきません。

そういう意味では、自分の事例をテストケースとして、その効用を直接体験的に吟味してゆくしかありません。言い換えれば、先に述べた「私の健康観」、すなわち自身の内と外の両面でのエコロジーの問題において、「食」という、外から内への取入れの内容が適切ではなかったのではないか。したがって、その適切化を自分の事例でもって、試みて行くといった認識です。

より詳細に言えば、自分という“センサー”、つまり「主客同体性」にのっとって、「食」に一定のコントロールを与え、その結果を観測して行くという、このZG問題への自分なりの真実の究明の姿勢です。

 

Day 100+4 (6月30日) 

そうした選択の実践として、菜食主義の徹底に取り組み始めています。そしてこの菜食主義は、肉、魚、卵、乳製品を、少なくとも完治までは口にしない、英語でいう「ベーガン」の路線です。

しかも、そうした野菜は、有機無農薬栽培のものに限るという条件もあります。逆に言えば、それほどに、これまで私たちは、知らずしらずに、姿形の上では確かに野菜でありながら、自然な養分やミネラルを含んだ本来の野菜とはかけ離れたものを食してきたということです。つまり、前提とされる「外のエコロジー」からの「取入れ」の問題としての食が、あるべきエコロジーつまり自然状態を欠いてきているということです。いわゆる年のせいと言われる多くのことも、そうした永年の逸脱状態の食習慣の蓄積による結果である面も多いわけです。少しづつに失ってきたもの、あるいは取入れてきた有害物が積み重なり、身体をガン体質に変えてきたと言えます。

加えて、私の場合、先にも考えた通り、西洋社会での生活の弊害ともいうべき、肉・乳製品食への偏重により、身体の「酸性化」をまねき、それが自然な身体がもつ「免疫力」を弱めてきたようです。

たしかに、最近では、肉より魚への嗜好の変化はあり、ことに寿司シェフの仕事に携わる中で、その傾向は進んではいました。むろん、健康維持という面では、魚は肉よりベターな食物ですが、発生させてしまったガン対策という面では(ちょっと“グレー”な感じがしないでもないのですが)、原則的に、避けておくべき品目としています。

そういう次第で、ここ数日、我が家に備えてあった文字通り一切の食品の入れ替えが行われてきました。調味料から野菜の一品、一品に至るまで、総入れ替えです。もちろん、こうした全食品のオーガニック化には出費も多く、しかも、それらを扱っている店も限られます。まして、ミソ、醤油といった日本食材は、輸入品となり、二重に高価となります。

ただ、アルコール類も禁じているため、その出費はまるまる消えます。

今のところ、こうして始まった菜食主義は、不慣れや食材不足もあり、実にシンプルな料理ばかりで、たしかに美味くはありません。何と言いましょうか、「旨そうだな」といった意欲が刺激されないのです。

しかし、日本には、精進とか懐石とか、菜食の長い伝統があります。これからは、そうした伝統を学びながらもして、この新たな「シェフの課題」に取組んでゆこうと考えています。

 

Day 100+5 (7月1日)

こうして、ガンを患って改めて深く認識させられることは、私たちの生活する社会や環境が、いかに「にせのエコロジー」しか与えられていなかったかという、嘆きや後悔に近い憤慨を抱きはじめています。あたかもそれは、「向ガン環境」と呼んでもよさそうな、じわじわと、かつ確実に、しかも隠されながら進行している、現代社会のあり様の向かっている方向です。

こうして私が買い換えた有機無農薬野菜や調味料は、商品として値の張るものばかりです。これまで買っていた商品の二倍や三倍、輸入品などでは五倍にも相当します。

高い安いの問題でいえば、確かにそれらは“一般向け”ではありません。ならば、それらは病人向けの食材なのかと問えば、それらはただ、本来あるべき本来のままの自然状態の食材に帰っていっているというだけです。「病人食」などと呼ばれるべき筋合いのものではありません。むしろ、より一般的で安価な商品の方が「病人食」と呼ばれるべきでしょう。

思うに、ガンという現代病は、値段という表面価値に隠された疑似食品を常用した結果の慢性症状の結果です。急性な毒性をもつものは、いくらなんでも食品とは許可されません。しかし、因果関係の微妙な微毒性、ましてや、免疫を弱めさせるという特性の微妙な品目については、とりあえずの不明を安全と言い換えて、広く出回ることとなっています。ガンが老人病ともみなされやすいのも、そうした微妙毒性品目をその年のぶんだけ長期にわたって摂取してきたがゆえにであるからでしょう。

そこでさらに愕然とした思いに駆られるのが、原発災害にともなう核物質汚染です。この汚染は、上記のような、主に化学的物質汚染に加わる、しかも、それ以上に究明しにくい、一面で人工的な、さらに、政治的隠ぺいも招きやすい、まさに悪魔的汚染であることです。

今オーストラリアでは、日本からの輸入品は、中古車にいたるまで、放射能検査を受けないでは輸入できません。他の諸国も同様だと思います。

もし私が、このZGを日本で罹患していたとしたら、有機無農薬栽培だけでなく、無放射能汚染の面についても考慮しないでは無意味となります。それを思うと、なんとも暗然たる思いが避けられません。

そういう意味では、福島原発災害が、あらたな潜在ガン患者を、何万人、何百万人・・・と、予想もつかぬ規模で生みつつあるのは、やがて明らかとなってくる事実であるのでしょう(日本人にガンが多いのは、広島・長崎のためだという説もあります)。

ガンとは、そういう意味で、エコロジーとしての食の自然性の厳密性とピュア―さの問題であり、ましてや、値段の問題で置き換えられるものではないでしょう。

 

Day 100+6 (7月2日)

 今日、「10kmはじり」後のいわゆる「最低体重」が72.8㎏となりました。73㎏を下回るなんて、おそらく二十代以来ではないでしょうか。菜食主義の一効果でしょうが、下がれば下がるほどいいってものでもないでしょうから、このあたりで「打ち止め」としておくべきかも知れません。

 

Day 100+7 (7月3日)

きょうも「10kmはじり」をやったのですが、二つの驚きがありました。

ひとつは、はじり後の「最低体重」が、なんと72㎏まで減っていました。ちょっと、ここまでくると、行き過ぎの感じがします。カロリー量が不足しているのでしょう。菜食主義のメニューを見直す必要がありそうです。

第二は、今回はじめて、“思考しながらはじり”ができることを発見しました。というのは、あと四日で私のサイトの更新日で、いま、そのための原稿書きを詰めています。そのうち、『新学問のすすめ』が、今回で最終章となる予定で、その結末をつけるのに、ちょっと苦労しています。その構想を、走りながら詰めていたのですが、なかなかいいアイデアが湧いてきたのです。まったく意外で、初めてのことでした。

出来ばえは別掲本文でご確認いただきたいと思いますが、ちょっとベースを落し、巡航速度をぶれずに機械のように守ってはじっていると、呼吸も楽で、室内での仕事とは大いにちがった場と条件で、これまで突破できなかったある課題に、独自の展開を与えるある筋が見えてきたのです。はじりながらです。これは驚きでした。「10kmはじり」もまんざらのものではありません。

ただし、二日連続のはじりで、足の筋肉はバンバンに張ってしまいました。

 


 

   この1ヶ月間のエクササイズ・ログ

06月07日(土) 自・電車通勤 自転車走行       8km

06月08日(日) なし

06月09日(月) なし

06月10日(火) はじり  10km    1時間04分58秒

06月11日(水) Meeting

06月12日(木) はじり  10km    1時間07分41秒

06月13日(金) 自・電車通勤 自転車走行       8km  

06月14日(土) 同 自転車走行          14km

06月15日(日) はじり  10km    1時間12分06秒

06月16日(月) はじり  10km    1時間04分56秒

06月17日(火) Meeting

06日18日(水) はじり  10km    1時間07分58秒

06月19日(木) 自・電車通勤 自転車走行      11km

06月20日(金) 同 自転車走行           8km

06月21日(土) 同 自転車走行          15km

06月22日(日) はじり  10km    1時間09分54秒

06月23日(月) Blood Test

06月24日(火) はじり  10km    1時間07分01秒

06月25日(水) 自転車           30km

06月26日(木) 自・電車通勤 自転車走行       8km

06月27日(金) 同 自転車走行          11km

06月28日(土) 同 自転車走行          13km

06月29日(日) はじり  10km    1時間09分30秒

06月30日(月) 自転車(有機野菜購入)  20km

07月01日(火) 自転車(有機野菜購入)  20km

07月02日(水) はじり  10km    1時間09分36秒

07月03日(木) はじり  10km    1時間11分04秒

07月04日(金) 自・電車通勤 自転車走行        8km

07月05日(土) 歩き18km    3時間30分(休憩含む)

07月06日(日) 自・電車通勤 自転車走行        8km

 

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