戦後70周年《宣言》

憲法改正考(その18)

もし私が日本の首相であったなら、先の戦後70周年の記念日には、「談話」などとしてではなく、日本国首相としての《宣言》として、以下のように、世界に向けて表明したのではないかと思います。

 

私は、日本国首相として、1945年8月15日に終結したアジア・太平洋戦争を、わが国が国の政策として自ら選択し、実行してしまったという痛恨の反省に立ち、この間本日まで、国会を通じ、その周辺をも含めて熱くかわされてきた護憲、憲法改正、あるいは自主憲法制定等の広範な議論をもって、現行憲法は、今現在において、一条一項たりとも改正の必要のあるものではないとの国民的結論をみたと判断し、この世界的に認知された「平和憲法」を、わが国が自主的に制定した憲法として、あたらめて世界に向けて宣言するものである。

くわえて、いわゆる「慰安婦問題」についても、その塗炭の苦しみにあわれたおびただしい数のご婦人に対し、国を代表して、心からの謝罪とお詫びを申し上げ、さらに、上述の宣言にもとづき、戦争を二度とくりかえさないとの国是を、将来へ向けてこれまで以上に実践してゆくことこそが、その取返しのつかない過ちへの真摯かつ有効な反省として、わが国が選択してゆくべき規範と行動として表明するものである。

繰り返す。

わが国は、ここに本平和憲法を、国民の総意をもって制定した憲法として再確認し、世界に向けて宣言するものである。

 

(2015年10月3日早朝、インド、ムソーリーにて)

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