ジンクス坂

修行風景 中堅編(その15)

前にも書いたように、店と最寄りの駅の間には、約3キロメートルほどの距離があり、そこを自転車で走ります。そしてその駅を出るとすぐ、急な坂があって、行きは惰性にまかせて下っていても50キロほどのスピードになりなります。(ちなみに、この下りで記録を出そうと、条件のいい日など、ちょっとチャレンジしています。60キロ突破をねらっていますが、今のところ57.4キロが最高です。)

逆に、帰りはその急坂を登らなくてはなりません。これこそ心臓破りの坂なのですが、血液循環を最高に上げてくれます。

ところでこの坂には、一つの“ジンクス”があります。それは雨模様の日、雨がやんでいるからと店をでて帰路についた時、一度となく、この坂にかかるあたりで、急な雨に見舞われるのです。

今日も、午後中降り続いた雨が、閉店ころにはすっかり止んでいました。そこでもう大丈夫だろうと店を出て、それでも空を気にしながら走ってきました。そうして、ここまで来ればもうセーフだろうとこの坂の手前まで来たところ、雨がぽつぽつと降りだしました。これは急がなくてはと思ったやさき、いきなりザーっと雨足が強まりました。残りはほんの3分ほどなのですがなにせ急坂。息をフルにはずませながら坂を登っているうちに、ほとんどずぶ濡れにさせられてしまいました。

(店のある当たりは、シドニー湾と太平洋を区切る半島状の一角で、海からの風が湿った空気を運んできて、よくにわか雨をふらせるのです。)

さて、それで電車に乗るしかありません。しかし、今ごろはまだ車内は冷房されています。運動のおかげで体は温まっていてしばらくはいいのですが、やがてはそれも冷めてきて、下車駅につくころには、風邪をひきそうになりました。

もちろん、この先、もっと寒くなった季節には、用心に山用のゴアの雨具を携帯しています。

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