限りなく趣味風な職業

  修行風景=穴埋め働き編=その2

それを「穴埋め働き」とよぶ、私のこの年齢や生活スタイルにふさわしい働き方をしてきています。

昔なら、学生のころの「アルバイト」も、そうした副次的な働き方でした。学業という本業――結構いいかげんでした――のかたわらで、副収入や一定の専門分野の経験をかじってみるのが新鮮でした。

こういう働き方を続けてきてもう十年にもなろうとしているのですが、私は現在、いい選択をしてきたなとしみじみと感じさせられています。

それは、本業時代の仕事とは決別して、ともあれ、まったく別ラインの仕事に従事できたことです。そしてこの「別ライン」とは、「食」という自分の日々の生活に不可欠で直結した分野にかかわる「寿司シェフ」の仕事であったことです。

つまりその仕事を続けることは、仕事としての役――収入とか社会との接点とか――に立っているばかりでなく、生活の技量の豊かさ化にも、大いに貢献してくれていることです。

そしてこの「豊かさ化」とは、人と人のコミュニケーションの手段としての「食」に加えて、年を加えるにつけていっそう必要性のます、健康のための「食の自己管理力」の育成にも役立っていることです。

逆に、もし、こういう「食」関連能力がなかった場合を想像すると、そのコントラストの大きさに改めて驚かされます。考えてみましょう、毎日の食生活に「でも、しか」なものしか選べない生活と、「よし今日は自分であれを料理して食おう」とか「これを作ってあいつを喜ばしてやろう」という生活との違いを。

そういう私生活次元の「食」関連能力を《趣味》と呼ぶとすると、私のいまの「穴埋め働き」は、《限りなく趣味風な職業》と言えます。

 

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