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私もその発案に加わらせてもらったのですが、店では、4月1日より、日本の巨大震災被災者を救援する募金を、この先一ヶ月間の予定で始めました。
店には、これまでに蓄積した実におよそ五千人分――この類まれな財産はまさに前日本人オーナーの永年の業績です――のイーメールリストがあり、まず、募金開始に先立ってその案内を発送しました。
すると、まだ始まっていない3月末から、いきなり百ドル札を寄付してくれるお客さんも現われて、募金は好調なスタートを切っています。
この募金アピールは、「この間、お客様からいただいたチップを全額、その寄付に回します。当店の従業員もボランティアで賃金の一部を募金に加えます」
、というものです。
ここのところ、店の売上は停滞気味なのですが、この募金の方は順調で、50ドル札をチップに加えるお客さんも少なくありません。
私は、自分個人としてせめて募金には応じたいと考えていたのですが、ただ送金するだけでは脳がないとも思い、このアイデアを思いついたものです。つまり、店のお客さんも巻き込んで、かつ、これを契機に店のイメージの向上にもつなげられないかとの
“下心” も加えてみたものです。
というのは、この数年間の度々のオーナーの移り代りで店の雰囲気も変わり、かっての誠実実直な店のイメージがくずれて並みのレストランに堕し、常連のお客さんにしてみれば、ただ食事するだけではない、あるなじみ深さを感じなくさせてきたところがあるのではないか、と思えていたからです。
震災をだしにするなどと、いかにもけしからんのですが、こうした事々を機会に、日本(関連)人たちは何かがちがうなとでも、この多文化社会にアピールできれば、いくらかなりは成功かなと思っています。
(2011年4月7日)
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