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修行第四十二風景


気長なスタンス


 前回の 『私共和国』 に 「二つの否定: リタイアでない、現役でもない」 を書きました。
 私のそういう 「ポスト還暦」 時代の生き方を支える一つの部門が、この 「修行」 生活です。
 
2006年3月から、当初は3年間の予定で始めたこの 「修行」 だったのですが、その予定をはるかに越えて、もう、5年4ヶ月にもなっています。2008年後半に発生した世界同時不況が、その予定を狂わせてくれました。
 そうして軌道修正したこの道なのですが、望まれたこともあって、その延長を続けてここまで至っています。そういう自分の実感としては、いまだに修行中の気持ちに変わりはありません。そうなのですが、店での立場は、ベテランではないにせよ、中堅戦力の中心に位置するまでにはなりました。
 ただ、労働負荷としては、週四日労働で、人手の要る多忙な週末の戦力として働いています。店としては、寿司もキッチンもできる多技能労働力であり、しかも、人手のいらないウィークデーは休んでくれるのですから、繁暇の波が避けられぬ業務の調整役としてうってつけで、しかも、フルタイムで働く若い世代――家族の生活がかかり、自分の経験蓄積に励まねばならない――の同僚たちと合わせて、店の労働力構成の理想的組み合わせとなっているはずです。
 私にとって、週四日という負荷は、他の三日を 「修行」 外の自分のやりたいことに使えるので、この面でも打ってつけです。
 そういう次第で、店の中の位置も固定化し、その分、 「修行」 の機会が少なくなっています。
 この点はやや不満となるところですが、小さなチャンスをつかみあげたり、そのうちに、別の機会も生まれるだろうと、気長なスタンスに期待を託しているところです。

 (2011年7月20日)


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