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別掲載の記事のように、インペックス・イクシス・プロジェクトに職場関係裁判所(Fair Work Australia) より審判委員会の委員団が配置されました。
これは、連邦政府の司法機関のひとつで、職場関係法に規定された条項の法的執行を審判する機関です。そしてその内部に、分野別に担当する審判委員会が置かれ、この7月3日には、その主要インフラおよび資源・プロジェクト分野の同委員会のうち、インペックス・イクシス・プロジェクトを専門に扱う委員団が決められたというわけです。
物々しい出で立ちで、確かに権威的で頼もしくはあるのですが、それは裁判所の一機関で、あくまでも、紛争事件が発生してからの、その問題処理機関です。
つまり、それは事後処理機関で、それによる紛争発生の予防効果は期待されず、また、その処理にも、当然、それなりの手続きが必要で、相応の時間や手間を要します。
意地悪く言えば、官僚の手になる、官僚のための仕事作りです。
病気の場合と同じように、そのベストの対策は、治療ではなく、予防です。労使紛争も、それが発生する前に、その芽を摘んでおけるにこしたことはありません。
健康の喩えをもう少し続ければ、保険や薬にどれほどお金をかけようとも、各々の健康維持能力、すなわち、自己治癒能力が高ければ、そうした出費もその出る幕はありません。
私たちは、そういうねらいで、プロジェクト推進にかかわる各方面に働きかけ、そうした自己解決能力をもつシステムの構築の準備や 「根回し」 をしてきています。
そこにおいて、各々の当事者のふさわしい責任者に話を通しさえすれば、合理的な組織体制の構築は、 “てまひま” の問題を残して、可能でしょう。しかし、そこでのやっかいな問題は、何をもって
「合理的」 とするかとの、価値観の共有です。
つまり、当事者の誰かが “法外” な要求に固執した場合、文字通り、法による強制力を働かせることになります。つまるところ、これが、上の職場関係裁判所やその委員会の役割ということになります。
ということは、そういう自己解決能力をもつシステムとは、そうした 「法外」 な要求が出されることのないような縛りが効いたシステムということになります。言い換えれば、包摂か排除か、の問題です。
価値観の範囲を狭くして、排除を多くすれば、まとまりはより容易となります。しかし、本件の場合、当事者の範囲は、契約によって
他方、価値観の範囲を広くすると、それを包摂する基準が何かと言うこととなります。
つまり、発注者から組合員までを含めた、共有できる最大の価値観とは何でしょうか。
(2012年7月6日)
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