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<連載>  ダブル・フィクションとしての天皇 (第58回)

道なかば

 今回で、第15章が終わりました。全部で29章と終結章の、合計30章のちょうど半分が終わった勘定になります。
 まだ、「道なかば」 です。

 私は、若いころはちょっと “左巻き” で、私の周辺からタイホされた人たちも出ました。
 その時に、肌身にしみて感じさせられたことですが、この世の中、左巻きと右巻きという、同じような若気の至りを並べた場合、明らかに、時の権力からより手荒に扱われるのは左巻きの方で、「なんだか不公平だな」 と思い知らされたものです。
 ついでに言えば、もしそうであるなら、同じ若さの脱線でも、それも覚悟でやっているなら、こっちの方がより本物だなと思ったりもしたものでした。
 そしてさらに、そうした時期を一通り過ごして30代なかば、オーストラリアに出遅れ留学生としてやってきた際、労使問題を勉強しようとしている私に、オーストラリア政府が奨学金を出してくれると知った時の私の驚きがどれほどだったか、読者にもご想像いただけることかと思います。もちろん、その政府とは、権力奪還を成し遂げたばかりの、ホーク労働党政権でした。

 今回の訳読でも、著者のバーガミニもそのあたりに関心をそそいでいて、ひとくだりの言及 (「手ぬるい扱い」 の節を参照) をしています。
 そうした偏りは、どうやら、戦後はるかに時代をへても、日本の特徴ある伝統であり続けていると思えた次第です。

 ではその 「道なかば」 へどうぞ。

(2011年12月22日)


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