雇用ブームにわく
オーストラリアの11月の失業率が5.2パーセントまで下がり、27年ぶりの記録的低さとなっています(グラフ−1)。このサイトでもお伝えしてきているように、経済の順調な伸びで、仕事の口も拡大し続けており、当初はパートタイムの伸びが顕著でしたが、このところ、それがフルタイムの拡大へと波及しています(グラフ−2)。

                   グラフ−1 失業率の推移
                  


                      グラフ−2 就業者数の推移
             
            (注:パートタイムは左目盛、フルタイムは右目盛、単位は百万人)

州別で見ると、失業率がもっとも低いのは、西オーストラリア州の4.3パーセントで、輸出ブームにわく地下資源産業が大きく貢献しています。

エコノミストによると、こうした好調は一時的なものでなく、低いインフレ率や穏やかな賃金上昇率、そして5パーセントを超える家計支出の伸びなどから判断し、予想できる範囲の限りで、維持可能なものです。

ふつう雇用主は、仕事量の増加に、まず、時間外労働やパートタイムの増加で対応し、固定費を増やすフルタイムの雇用はその後の状況を見て判断する傾向があります。そういう点では、グラフ−2の傾向は、オーストラリア経済がおおいに安定して成長しているひとつの証拠と解釈できます。

事実、オーストラリア商工会議所の調査では、雇用主のほぼ60パーセントが、協定に上積みした賃金を払いながらも、なお、技能労働力の不足を心配しています。

また、見通しとして、来年一月には、失業率は5パーセントの大台を割るのではないか、との見解もでています。

(2004.12.10)


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