あり余るプロジェクト、足りない人材
オーストラリアでは、目下施工中、あるいは計画されている建設プロジェクトが山積していながら、それを推進するに十分な人手や資材が確保できないという、日本の建設業界にはうらやましい限りの問題が生じています。安定して伸びる人口、好調な経済がもたらしている課題です。
下に示すグラフ(上段)が物語るように、建設産業の14のセクターのうち、今年度(茶色)で減少を示しているのは「集合住宅」のみで、このセクターも来年度(l紺色)では伸びに転じます。
もっとも増加の著しいのは「発電・送電」、「情報通信」、「上下水道」、「道路」、「鉄道」の四部門で、都市の人口増に見合ったインフラ整備のためのものです。また、それに続くのは、好調な鉱山資源関連のプロジェクトです。こうした国内需要が旺盛なため、海外進出の伸びは5パーセント以下です。
また、下段のグラフは、そうした各プロジェクトを遂行している企業が抱える問題を、「重大」、「中程度」、「わずか」という程度別に、回答全社のうちの割合を、今年9月までと来年9月までの二時期に分けて、示したものです。
両時期にわたって、「有資格労働力確保」(黄色)が「重大」問題の最大のものとして挙げられ、どちらもほぼ半数に登っています。また、第二に「重大」な問題は、「建設資材確保」(茶色)で、これも両時期とも四分の一の企業が指摘しています。
また、「下請け確保」(黄緑)や「建設機器や資材のリース・調達」(青)でも、1割内外の企業が、その重大性を指摘しています。
資料出所:Australian Financial Review, 14 October 2007.
(2007.12.14)
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