公定歩合を15ヶ月ぶりに引上げ、5.5%へ

3月9日、オーストラリア連邦銀行は、かってからにおわせてきたキャッシュレート(公定歩合)の引上げを決めました。引上げ率は0.25パーセント・ポイントで、その結果、年5.5パーセントになりました。

ところが、連銀のこの引上げ発表の直後、9〜12月四半期のGDP成長率の0.1パーセントへの急減が発表され、過去3期9年間、順調な経済運営を誇ってきた政府にとって、ダブルブロー同然となりました。
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この間、引上げをにおわす連銀に対し、政府は、国民の多くが記録的高さの住宅ローンをかかえ、利子率に極度に神経質となっている状況から、それを思いとどまるよう、圧力をかけてきました。

しかし、連銀は、雇用情勢が強い人手不足状況を示し、賃金の上昇傾向が避けられないことから、インフレを懸念し、政府の圧力にもかかわらず、この引上げを決めました。

この引上げが、一度のみのもので終わるかは、国中の強い関心をあつめていますが、アナリストの見方では、連銀は、来月にも、もう一度の同率程度の引上げを考えているのではないか、と予想しています。

いずれにせよ、今回の引上げが市場、ことに住宅市場の動向にどのような影響を与えるか、関係統計の今後の発表をふくめ、利率の動向が注目されています。

公定歩合は、一昨年末に、住宅市場のバブル化を懸念して、二度にわたって、合計0.5パーセント引上げられました。それが効果を表して市場が沈静化し、「軟着陸」に成功したとみられ、それ以降、引上げは据え置かれていました。

もちろん、預金利率も、これに関連して引上げが発表されています。ただ、やや低めなのが引っかかりますが。


(2005.3.11)

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