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投資の焦点は株式に
オーストラリアの投資環境は、2、3年ほど前までは不動産が中心で、その価格上昇の主導要因でしたが、加熱した不動産市場による高価になりすぎた価格やローン利率の上昇により、人々の金融資産は、その投資先の重点が、不動産から株式へと移ってきています。
下記のグラフが示すように、オーストラリアの住宅価格 (統計中央値) は、資源ブームにより高騰を続けてきたパース (青線、最近、その沈静化の兆しがある)
を別として、その他の主要都市の値は、ほぼ、高原状態を示しています。
こうした動向の背景には、加熱した住宅市場を冷まし、その投資資金の行方を株式に誘導しようとする政府政策もあります。ことに、およそ20年前に設立された被雇用者強制年金積み立ては、今日、500万人の加入者と1兆豪ドルの総計へと成長し、その投資先
(個人によって選択ができる) にも、大きな力をもつものとなってきました。
また、政府は、おおきな人口層を占めるベビーブーマー (団塊層) への選挙対策のねらいもあり、自己資金の上積み年金積み立てに減税をほどこし、かって住宅市場に向かっていた投資資金の流れを、年金、ひいては株式市場へと誘導しています。
これまでにもお伝えしてきましたように、オーストラリア経済は、資源ブーム状況を示しているのですが、そうしたブームにも牽引され、株式平均も右上がりの順調な推移を示しています。
下記のグラフが示すように、2005年6月を100とした指数でも、オーストラリアが、日経平均を抜くほぼ安定した伸びを示しています。
今後も、少なくとも短期的に、年末の総選挙に向けて、年金投資への減税措置は選挙政策としても切り札のひとつであり、また、資源ブームの立役者、中国経済の成長も当面の心配はなく、こうした株式市場の基調は継続するもの観測されています。
資料出所:Australian Financial Review, 30 May, 2007
(200.7.5.31)
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