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金利切下げ観測、豪ドル相場下げか

日経電子版によると、豪ドルの変動を占う重要指標が、3つあります。(1)交易条件指数、(2)世界の外貨準備、(3)失業率です。

交易条件指数の推移を見ると、2008年の金融危機で世界経済が停滞し、資源価格が下がったのと足並みをそろえるように交易条件も悪化しました。この時、豪ドル相場も暴落しています。その後、景気回復で資源需要が増し、11年9月に直近のピークとなりました。豪ドルが対米ドルで過去最高値(2011年9月1日、1.0723豪ドル/米ドル)を付けた時期とほぼ一致します。

下のグラフでは、オーストラリアの交易条件指数は、昨年の中国の景気減速で下落していました。(ただ、今年に入り、鉄鉱石価格の最上昇がみられ、今後、指標の回復が見られるかもしれません。)

豪ドルは安全資産として買われる円やスイスフランのような 「逃避通貨」 の顔も持ち始めています。IMF(国際通貨基金)のまとめでは、豪ドルも含まれる 「その他通過」 が12年9月時点で5年前の4倍に膨らんでいます。そのうちでも上位の格付けをえている豪ドルは、外貨準備の主要な受け皿になっているとみられています。

豪ドルの人気の高さには、政策金利の高さ(現在3.00パーセント)もその理由です。また、金利の先行きを占ううえでの基準とされるのが、消費者物価指数(CPI)と並んで失業率です。ところがCPIが公表されるのは四半期ごとで、失業率は毎月です。

グラフのように、昨年11月の失業率は5.3パーセントで、前月から0.2ポイント下がったとはいえ、世界的にはまだまださほど深刻ではありません。こうしたことから、政策金利はまだ下がる余地があるとの観測が生じています。もし、利下げがあれば、豪ドルを売る材料になり、利下げが発表されれば、豪ドル相場は下がりやすくなります。

追記 17日に発表された統計局データによると、昨年12月の失業率は、前月より0.1ポイント上がって5.4パーセントとなりました。これは、利下げの可能性をいっそう上げる要素となりそうです。




資料出所: 日経ヴェリタスセレクト 2013年1月13日

(2013.1.17)

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