住宅価格下降始まる:シドニー、メルボルン、キャンベラ

都市によって上下まちまちの動向がありますが、主要都市での住宅価格の下降があきらかとなってきました。オーストラリア不動産協会の調査によると、2004年6〜9月四半期で、売買取引された中間価格において、シドニーが4.0%、メルボルンが2.4%、そしてキャンベラが4.2%の年率の下降となりました。一方、ブリスベンでは11.1%、アデレイドは16.4%、パースは8.8%、ホバートは30.2%、そしてダーウィンは21.9%のそれぞれの値上りを示しました。

              オーストラリア各主要都市の住宅中間価格の年間変動
シドニー メル
ボルン
ブリスベン アデレイド パース キャンベラ ホバート ダーウィン
04年6-9月四半期
中間価格(速報値)
475.5 366.0 300.0 262.0 255.7 340.0 256.0 259.6
03年6-9月四半期
中間価格(改定値)
495.0 375.0 270.0 225.0
(nr)
235.0 355.0 196.6
(nr)
213.0
(nr)
年間増減率(%) ↓4.0 ↓2.4 ↑11.1 ↑16.4 ↑8.8 ↓4.2 ↑30.2 ↑21.8
   価格は一戸建て土地付、単位は千豪ドル。 出所:オーストラリア不動産協会、nr:未改定値、

また、別の統計ですが、04年6-9月四半期の全国の住宅価格が0.7%の低下を示しています。

一方、シドニー、メルボルンという大都市での住宅価格の低下が影響したものと考えられていますが、10月の小売り販売高は全国で0.7%(統計局発表)前月より下落しました。

うなぎ上りの上昇を見せてきたオーストラリアの住宅価格ですが、いよいよ、このように下落の傾向が見え始め、都市にもよりますが、海外からの購入希望者には、買い時が近づいているとも言えます。

なお、中間価格とは、取引があったすべての価格を最高額から最低額まで並べ、その真ん中に位置する価格をとりあげたもので、いわゆる平均とは違います。住宅取引の場合、異例に高額の取引があった場合、その平均はそれにひきずられて高まり、実態価格を表さない場合があります。こうした弊害をなくすために用いられている統計法です。

また、上表の統計は、売買取引の成立したものの中間価格で、必ずしも同等タイプの住宅価格の変動を示したものではありません。ここのところ、オーストラリアでは、好景気も手伝って、人々の購入希望住宅の目標も上がっており、そうした動向も、上記の統計結果に一部あらわれていると考えられています。

(2004.12.19)                                                   

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