賃貸アパートの家賃、上昇気味へと変化

供給過剰気味をしめしていたオーストラリア主要都市の賃貸アパートは、この一年余りの新築減少が効果を表して空き室率が低下、都市によっては、賃貸料の値上りも見せ始めています。一昨年末、住宅市場のバブル懸念から、公定歩合が二度にわたって引上げられましたが(利率の再度引上げ、 
一年定期で5.6%以上 参照)、それが効果をあらわし、アパートへの投資が抑制され、供給過剰状態の解消が生じていると見られています。

ニュー・サウス・ウェールズ州不動産協会の調査では、シドニーの賃貸住宅の(住宅も含む)今年一月の空き率は2.6パーセント(季節調整数値)で、2000年以来の最低レベルにさがりました。過去5年間の一月の平均空き率は3.5パーセントでしたので、協会では、いよいよシドニーでは反転が始まり、この先2年ほどは、賃貸物件の均衡から不足基調が続くだろうと見ています。

クイーンズランド州では、場所によって異なった傾向がでています。ブリスベンの昨年10〜12月四半期の住宅の空き率は、7〜9月四半期の3.1パーセントから、2.6パーセントに下がりました。ところがアパートは、同時期で、2.3パーセントから2.8パーセントへと上昇しており、住宅とは逆の傾向をしめしています。アパートは、まだ、供給過剰の状態があるものと見られます。

ところが同州のゴールド・コーストでは、同時期、住宅が2.9パーセントから2.7パーセントへと、またアパートでも、4.2パーセントから2.9パーセントへとそれぞれ下降しています。

住宅産業協会は、こうした供給低下の影響で、今後、賃貸料はまちがいなく上昇するだろうと見ており、週家賃の中間値が、5ないし10パーセントの上昇が起こるだろうと予想しています。

こうした傾向から、少なくともこれから数年、これらの都市に長期に住もうとする人には、一般に、賃貸住宅に住むより、所有して住む方が有利といった状況に移ってゆく傾向があるものと思われます。

(2005.2.26)                                                   

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