住宅価格高騰、高額物件が主な寄与要因に
昨年、オーストラリアの主要都市で住宅価格が高騰し、その筆頭のメルボルンでは年間上昇率が18.5パーセント、それに続いてホバートで14.4パーセント、ダーウィンで13.5パーセント、シドニーで12.1パーセントに達しました。全国平均では12.1パーセントの値上がりです。
下の表が示すように、オーストラリアの最高額住宅価格都市シドニーの10〜12月四半期の住宅価格の中央値は、59万5,745ドル(4,766万円)で、アパートでも40万5,795ドル(3,246万円)と、世界でも有数の高価格地となりつつあります。しかし、メルボルンの急速な追い上げで、その差もさほどでなくなってきています。
これまで、不景気のなかでも、初めての住宅購入者への政府補助金が住宅市場の活性化を助けてきましたが、昨年最後の四半期だけで、全国平均で4.8パーセントという大きな上昇となりました。
住宅業界調べのデータによると、昨年末のこうした急速な上昇は、50万ドル以上の高額住宅の売買が進み、それが中央値の引き上げに大きく作用しているとのことです。ことに、そうした高額物件は、数の限られた特定地区への人気の集中で生じているといい、平均値には現れない、地区によってかなりの差が見られる価格上昇となっている模様です。ある業界関係者の話では、そうした低価格帯での値上がり率は、おおむね、平均値の半分ほでではないか、と見ています。
また、別掲記事のように、政策金利の上昇傾向は今年も続き、住宅売買にはマイナスに働くことが予想されていますが、それは、抑制要因にはなっても、根本的にストップさせるまでにはならないであろうとの業界の見通しです。
こうした住宅市場をめぐる状況のなかで、大都市の中心部の新築アパート物件では、過去の平均より狭い、つまりそれだけ安い物件の方が売れ行きがいい傾向がではじめてるということです。
(資料出所: 28 January 2010, Australian Financial Review 紙)
(2010.1.28)
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