移民で労働力不足に対処 - 新移民政策の方向

オーストラリアにとって移民政策とは重要な労働力政策のひとつですが、7月から始まる新年度では、その目的がいっそう顕著に追求されそうです。

4月14日に表明された移民大臣声明によると、深刻化する労働力不足に対処するため、スキル関連の移民受入枠が2万人拡大されてほぼ10万人になるほか、ワーキング・ホリデー・ビザが、従来は一回きりであったものが、農業の収穫労働に3ヶ月以上従事した場合、出国しないでも、さらにもう一度の申請ができるようになります。また11月より、地方居住条件の「スキル独立移民(Skilled Independent Resional)」への申請の道も開かれるようです。

留学生についても、卒業後、地方で就業する所定職種の見習い制度を満了すると、永住も可能な地方移住ビザの申請もできるようになる制度の試験導入もおこなわれるとのことです。

先にもお知らせしたように、最近の移民当局の政策は、移民流入人口が大都市に集中しないよう、地方への分散を明瞭に意図しています。

従来の「スキル独立移民」でも、地方への居住を条件(最低2年間)に10ポイントの上乗せがあり、より有利となるよう考慮されています。

また、移民職業需要リスト(MODL)には、あらたに、レンガ職人、電気工、配管工といった職種が加えられ、受入可能職種となっています。

一方、従来の「退職者ビザ」は、今年6月末をもって廃止され、一種の投資ビザに置き換えられる方向のようです。まだその詳細は発表されていませんが、資金的に、今でもかなり“敷居の高い”この制度ですが、今後はいっそう、その性格を強めるのかも知れません。

(2005.4.30)
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