(第一回) キャンベラで博士号をめざす

大手新聞社を四十代半ばすぎで退職し、人生の一大事業にとりくんでいられる大野俊さん。現在キャンベラにお住まいで、オーストラリア国立大学アジア学部で、博士号の取得をめざしています。

ご家族は、妻の千恵子さんと、17歳の息子さんに14歳の娘さんの四人構成。

約三年前に来豪してまもなく、四人いっしょの生活を始めましたが、千恵子さんのご両親の介護の問題などがあり、現在は千恵子さんと娘さんが日本で生活しています。

男組と女組へと、一家が二分した生活はもちろん大変なようですが、千恵子さんは「かっては自分でたいした料理もできなかった主人が、ちゃんと一人で生活するようになり、以前より素敵です」と話します。
       
                
 
ご主人の俊さんも、母親の手を離れた息子が異国でたくましく成長してゆく姿に満足そう。日本人生徒はたった一人というキャンベラの高校で、日本の高校では経験できない実践的な教育が得られて良かった、と語る。

今年は、ご家族にとって最大の難関の年。ご主人は、年内の論文完成をめざし、息子さんは大学受験、娘さんは高校受験をひかえています。

俊さんの論文のテーマは、フィリピンの日系ディアスポラ。むずかしそうですが、ひとことでいうと、戦前のフィリピンへの日本人移民の末裔たち(二世、三世)が「日本人性」を取り戻そうとするアイデンティティの変遷をテーマとする歴史的研究。フィリピン留学、新聞社海外特派員時代以来のライフワーク的な仕事です。

勝手に解釈してみれば、「両生類日系人」の研究ともいえそうな仕事です。そこで、論文が完成された暁には、そうした研究成果を背景に本サイトへの寄稿をお願いしました。

大野家のハットトリックを祈って、取材を終えました。

(2004.1.14)
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