ミニ・ベビーブームの到来?                      HPへ戻る
統計局の発表によると、昨年9月までの半年で、オーストラリアでは133,000人以上の新生児が誕生し、2・四半期連続の増加(各およそ1,000人)で、14年ぶりの、減少から増加への反転かと注目されています。ひょっとすると、「ミニ・ベビーブーム」の到来かも知れません。

というのは、日本と同じように、オーストラリアでも、出生率の低下が続いてきており、人口問題、ことに、将来に予想される高齢化問題をいっそう深刻化させるものと、懸念されていました。ちなみに、2003年の出生率
(注)は1.75(同年日本は1.29)まで下がっていました。

  (注) :ひとりの女性が一生で生む子供の数

そのため、政府も、その低下を防ぐための対策を公約してきました。ことに、昨年7月からは、生まれた新生児には一人当たり3,000ドル(約25万円)の「ベビー・ボーナス」が支給されています。

ただ、この「ベビー・ボーナス」は、直前にその実施が発表されたもので、10月にひかえていた総選挙向けのものであったのはありありとしていました。そのかいあって、政府は選挙には勝利しましたが、この増加傾向が、この統計が9月までの半年間のものですから、この“利益誘導”のもう一つの効果とは主張できないでしょう。

それでも、この間の順調な経済成長、ことに、失業率の28年ぶりの低さ(5.1パーセント)は、若いカップルが子供を持とうと決断する要因となっていることは間違いないでしょう。

最近は、北欧諸国やカナダでも、同様な出生率の増加現象がみられているようです。はたして、日本も、こうした諸国の仲間入りとなることができるでしょうか。

(2005.03.30)

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