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ペダルパワー時代の到来?  
 昨年、オーストラリアでは、自転車が112万台売れ、自動車販売台数の99万台を13パーセントも上回り、これは過去6年続いている傾向です。
 高騰を続けるガソリンを一切食わない自転車の魅力もさることながら、商品としての安さ、レクレーションやスポーツとしての魅力、そして、最近では、健康と経済性をかねた交通手段としての用途も、その売れ行きを支える理由となっています。
メルボルン市内を走るサイクリスト
(BicycleVictoriaのサイトより)

 また、きわめて興味深い現象がビジネス界でも生じています。従来、企業界で人気あるスポーツといえば、何といってもゴルフでしたが、その伝統的社交スポーツが、サイクリングに取って代わられようとしています。
 あるサイクリスト・グループは、従来の社内スポーツ行事を、ゴルフからサイクリングに切り替えた人たちが多く参加しているといい、健康増進だけでなく、社交や、ネットワーク作りにも有効というのがその理由のようです。
 たとえば、毎土曜、メルボルン湾を囲む道路には、およそ1万人ものひとたちが、普段のビジネススーツをサイクリング・ウエアに着替えて、サイクリングに繰り出しているとか。
 メルボルン湾に面する道路は、平らで舗装も行き届き、その総延長は100kmにもおよびます。そこに、さまざまなタイプの人々が、こもごもな名前を付したクラブに属し、サイクリストを楽しんでいます。
 あるグループに属する会社役員は、サイクリングの楽しさは、走りながら、互いに会話をたのしめるところ、といいます。
 また、45歳を超えると、それまでランニングを楽しんできた人たちが、自転車に切り替える傾向もあるといいます。加齢によるヒザのトラブルが増えてくるからです。
 ドライブ同様、サイクリングにも交通規則が適用されますが、こうしたクラブのうち、弁護士のグループが、もっともルールを守らないとか。
 シドニーは、メルボルンに比べ、サイクリング道路の整備が遅れており、人気の高まりはあるものの、メルボルンほどではないようです。
 パースやブリスベンなどの都市も、よく整備されたサイクリング道路が発達しており、根強いサイクリング人気を支えています。

(2006.1.27)

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