相互邂逅 7 |
|---|
| やっぱり、写真を見てもらったことは、良くなかったんですね。 |
||
| いや、そうじゃない。僕が君を知ろうとする以上、それは見なくてはいけなかったものなんだ。 |
||
| 私、ただ、私を知ってもらいたかっただけなんです。あなたがあまりに私を私以上に見てしまっているようで。私、やはり自分を良くみせようとしているんじゃないかと思って。 |
||
| それは僕だって同じだと思うよ。いつもそう言ってしまった後、「あっ、俺は彼女を良く見よう見ようとしている」、そう思うんだ。 |
||
| なんだ、同じなんですね。 |
||
| 君を見ていて「この人はこんな人なのかな」と思った時、そこにはある幅があるんだ。それで、やっぱり口に出す時、その幅の中で、いちばんいいイメージをしゃべってしまう。 じゃあ今度から、そのいちばん悪い方を言おうか。 |
||
| その方が気が楽です。そうしてください。 |
||
| いずれにせよ、時間がきっと、本物をみせてくれるよ。 |
||
| ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
||
| 知りたい、知ってほしい・・・・・・・・・ その根拠はなんだろうか。 僕はわからないのだけど。 |
||
| ・・・・・・・・・私、わかります。 |
||
| ・・・・・・・・・何だい、それは。 |
||
| ・・・・・・・・・簡単に言いたくはありません。 |
||
| 僕もわかる、でも、わかってしまいたくはないと思う。 |