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用語解説

(2011年12月7日現在)

 あ
 アミロイド仮説
(Amyloid hypothesis)
 アルツハイマー病の発症についての伝統的仮説で、ベータ・アミロイド蛋白質の異常な固まりが脳の細胞外空隙に垢のように堆積し、神経やシナプスの消滅の原因となり、記憶障害を引き起こす。

 アポリポ蛋白質E(Apolopoprotein E)
 きわめて特殊な蛋白質のひとつで、コレステロールを星状膠細胞から神経へと運搬する。

 アポリポ蛋白質E遺伝子 (APOE gene)
 アポリポ蛋白質Eを産生する第19番染色体の遺伝子記号(DNA) の一部。人間は、この遺伝子中に四つの違ったタイプ――APOE2,2、APOE2,3、APOE3,4、APOE4,4――を持つ。APOE4の保持は、2や3ほど一般的ではないが、アルツハイマー型認知症を発症する確率を増加させる。

 アルツハイマー病 (Alzheimer's Disease)
 臨床アルツハイマー病(あるいはアルツハイマー型認知症)は、典型的には60歳以降に発症し、通常の高齢化とは区別される進行性の脳疾患を指す。一般に、大半の認識野においての悪化ないし弱化や日常機能の消失(つまり認知症がおこる記憶消失症候群とともに発症する。病理学的アルツハイマー病は、高齢者の脳を顕微鏡で調べた時、ベータ・アミロイド垢や神経線維の絡み合いの高蓄積のことを指す。死後の検査で、すべての臨床アルツハイマー病患者に病理学的アルツハイマー病が発見されるわけではなく、また、すべての病理学的アルツハイマー病のケースが臨床アルツハイマー病の生活をおくるわけでもない。同一個人にアルツハイマー型認知症と血管性認知症が同居しているケースの増加が認められる。

 エアロビック・エクササイス (Aerobic exercise)
 身体的運動のひとつで、少なくとも10分間、連続しておこない、心拍数や呼吸数を増加させる。

 
 海馬(Hipocampus)
 脳の基底部深くにある、一対の折り曲がったソーセージ形の組織 (hipocampus とはギリシャ語でタツノオトシゴの意) で、記憶機能 (ことにエピソード記憶) に決定的で、また、アルツハイマー病の時、最初に影響される脳の部分。海馬は、生涯にわたって、神経新生〔神経幹細胞から新しい細胞が生まれること〕がその内の一部で維持されるという特徴がある。

 カルシウム拮抗剤 (Calcium channel blocker)
 ひとつのタイプの高血圧治療薬で〔血管拡張作用をもつ〕、ある研究によって、老人の高血圧患者の認知症の発症を予防することが発見された。

 環境条件向上 (Environmental enritchment)
 ネズミ類の分野での実験的処置として、ネズミを通常の小屋から、もっと広く、他のネズミといっそに住み、探検のためのおもちゃや迷路や運動のための回転輪をそなえた籠のなかに移すと、何十年もの調査から、そうした環境条件向上がネズミの認知と運動機能を高め、一連の脳の変数を向上させることが広く認められている。

 ガンマ・セクレターゼ (Gamma-secretase)
 ベータアミロイドを作る主酵素のひとつ。ガンマ・セクレターゼは、すべての神経の細胞外膜、ことにシナプス部のそれのなかに存在している。

 き
 記憶
(Memory)
 
情報を符号化し、貯蔵し、そして検索する主要な認識野のひとつ。エピソード記憶〔episodic memory〕は特定の出来事の記憶に関連し、意味記憶〔semantic memory〕は世界についての蓄積された知識に関連する。その他の記憶の分類には、視空間〔visuospacial〕記憶と陳述〔verbal〕記憶、短期〔short-term〕記憶と長期〔long-term〕記憶などがあり、これらすべては、神経生物学的な根拠における違いがある。初期のアルツハイマー型認知症では、エピソード記憶、視空間記憶、短期記憶機能にことさらな影響がある。

 記憶消失症候群
(Amnestic syndrome)
 その年齢の人に一般的に見られる水準を越えた、一連の記憶の諸障害。

 擬似認知症
(Pseusodementia)
 うつ病をもつ高齢者で、記憶や他の認識上に問題があり、かつある程度、認知症であるかの病状があって、正確な診断を困難とするもの。擬似認知症は、かかっているうつ病の(治療や時間経過での)消退により軽快するが、認知症は、ただ悪化するのみである。

 虚血 (Ischemia)
 臓器や臓器の部分への適正な血流の減少。

 け
 軽度認知障害
(Mild Cognitive Impairment)
 境界線上の認知能力障害の状態で、理論的には、この状態は、認知症と健康な高齢化した脳との間に位置する。軽度認知障害は、認知症へと発展する危険をもつが、すべての人がそうなるわけではない。

 血液脳関門
(Blood-brain barrier)
 脳の血管を構成する細胞間のたいへん密接した結合のことで、極めて小さな分子のみがその間を通り血液から脳へと直接に通過できる。

 血管性認知症
(Vascular Dementia)
 
認知症の一病態で、脳血管疾患を原因とし、ことに脳血栓後によく (脳血栓後12ヶ月以内の患者の30パーセントに)発症するもの。ただ、記憶の消失は、注目、抑制、問題解決といった問題ほどに共通しておらず、早期の診断は困難。同一個人にアルツハイマー型認知症と血管性認知症が同居しているケースの増加が認められる。


 
 効果移転
(Trandfer of Effect)
 臨床的処置が限定された狙いを越えて現れること。たとえば、身体的運動という処置は、身体的健康度を増すばかりでなく、認知能力をも向上させるため、格好の効果移転の例となっている。認知能力訓練 (あるいは脳訓練) 試験の主張点は、〔そうした訓練が〕 その訓練の限定的な認知能力基盤を越えて、効果移転が現れているためだとしている。

 効果規模 (Effect size)
 特定の処置についての、対象グループと比較した強さの統計値。強い効果規模とは、より小さな対象グループはより重要な統計的結果を、またその逆の場合は逆の結果を、表す必要があるという意味。

 抗酸化物
(Antioxidants)
 生物的合成物で、酸化作用の毒性に対抗あるいはそれを中和させる。

 高密度リポ蛋白質 (High-density lipoproteins)
 「コレステロール」 の項を見よ。

 コルチソル (Cortisol)
 ストレスがかかっている時、副腎から分泌されるホルモン。その通常の生理学的機能は抗炎症だが、それは特に、海馬の中の感覚神経には毒性をもつ。

 コレステロール (Cholesterol)
 脂肪が主体の生体内合成物。脳の外では、食物から取り込まれ、肝臓で高度に変換される。脳の中では、星状膠細胞によって作られる。低密度コレステロール(LDL) 〔悪玉コレステロール〕 はコレステロールの運搬可能な主要形態で、身体の細胞の中に入り、蓄えられる。高密度リポ蛋白質・コレステロール〔複合体〕(HDL)〔善玉コレステロール〕 は細胞から除去される際の主要形態。コレステロールは、すべての、ことに神経の細胞外膜の重要な組成物。

 コレステロール脂質塊 (Cholesterol lipid rafts)
 コレステロールが神経の細胞外膜の中に集積して 「浮かんだ」 固まり状となったもの。コレステロール脂質塊は、シナプス伝達を含む、一連の神経機能に重要。

 混合認知症(Mixed dementia)
 次第に増加している検死診断で、解剖によって、臨床的認知症をもつ患者が典型的なアルツハイマー病病理と脳血管性認知症の病理の両方を持つもの。ある集団での混合認知症の発生率は高く、アルツハイマー型認知症と診断されていたすべての患者のうち、28から45パーセントである。

 

 細胞外間隙
(Extracellular space)
 
脳内では、この用語は神経と星状膠細胞との間の空間をさし、それは、最終的には脳室に排出される液体で満たされている。

 
酸化 (Oxdiation)
 通常の生物学的過程のひとつで、一つの電荷がある化合物から他のそれに交換されること。酸化は、通常、身体の反酸化物によってバランスされています。しかし、負傷、ストレス、病気による過剰な参加は、フリーラディカル――細胞を傷付ける超酸化物――の産出を通じて有害となります。ビタミンCは自然の反酸化物。

 し
 
軸索(Axons)
 
個々の神経が延長されたもので、お互いを結びつけ合う。絶縁のため脂質ミリエンのさやに入った何百万もの軸索が互いに脳の白質を形成し、ミリエンのない灰白質と比べ、裸眼には白っぽく見える。

 シナプス (Synapses)
 神経が互いに通信し合う軸索の終端と樹状突起の始端においての特殊な神経末端部。神経同士は直接には触れ合っていないが、シナプス接合と呼ばれる微細な間隙を通して情報のやり取りをする。個々の神経は他の神経と何千ものシナプス結合をもっている。アルツハイマー病は、脳全体の多数のシナプスを死なせてしまう。シナプスの消失は、認知症における精神的障害と最も強い生物学的相関関係をもつ。

 シナプス接合 (Synaptic junction)
 神経間の微細な間隔で、軸策の興奮度の信号として情報を伝達する。電気化学的信号が軸索先端のシナプス接合に到達すると、この興奮エネルギーが数十もの異なったタイプの神経伝達物質の一つに放たれる。そして、充分に神経伝達物質の受容体が活性化すると、新しい信号が形成される。

 シナプス発生 (Synaptogenesis)
 神経間の新たなシナプスの形成のことで、それはつねに生じている。意欲をもつことは、ことに新シナプスの形成を強く刺激し、複雑な精神活動は、脳全体のシナプス数を増大させると考えられている。

 若年性認知症 (Younger onset dementia)
 認知症全体の95パーセント以上は、散発性ないしは高齢期のもので、これは、年齢が60歳を越えた後に発病することを意味している。しかし、若年性認知症 (60歳以前) の患者が必要とするものは独特で、いっそうの注目を必要とする。若年性認知症は、ベータ・アミロイド蛋白質に関連した遺伝子の特定の突然変異を持つ人たちに関連しており、他の人たちでは何の遺伝的様相は見られない。早発性認知症とも呼ばれる。


 心筋梗塞(Myocardial infarction)
 心臓の虚血に続く、心臓の筋肉の死。通常、心臓マヒと呼ばれる。

 神経(Neuron)
 脳細胞の主要な三つの分類の一つ(他は、星状膠細胞と oligodentrocytes)。神経は情報を運搬し、変形し、ふるいにかけ、そして集める。情報は異なった興奮度で伝えられる。神経はしたがって、その細胞外郭膜上の急激に変化する電位差をもつことから、興奮性細胞とも呼ばれる。一つの神経は、一つの細胞体と樹状突起と軸索と呼ばれる細長い突起からなる。軸索は興奮度を細胞体から他の神経へと伝え、絶縁脂肪のさや 〔髄鞘〕 におおわれ、樹状突起は他の細胞から軸索の興奮を受け取る。興奮パターンが一つの神経の軸索から他の神経の樹状突起に伝達される場所は、シナプス接合とよばれる超微細な間隙の間である。人間の脳には1億個の神経があると見積もられていて、それぞれの神経は最大一万個のシナプス接合をもっている。

 神経幹細胞 (Neural stem cells)
 成人の脳で、再生し幾つかの異なった脳細胞に成熟する可能性をもった細胞のこと。この細胞は、したがって、成人神経発生には不可欠。この細胞は成人の脳の二つの主要箇所――脳室の裏側の周辺と海馬の下部――に存在することが知られている。

 神経線維のもつれ(Neurofibrillary tangles)
 
アルツハイマー病の二つの認証特徴(他はベータ・アミロイド垢)の一つ。高密度の細胞内のτ型の集合体で、神経軸組みをつくる自然生成の蛋白質。

 神経伝達物質 (Neurotransmitters)
 神経伝達物質は、軸索の興奮の結果、放散され、、シナプス接合の間隙に広まる。それらは、第二の神経の樹木状側にある、神経伝達物質受容体によって感知される。新たな興奮は、充分に神経物質受容体が活性化した時に発生する。人の精神状態に働くあらゆる薬剤――違法ドラッグから、アルコール、煙草、麻酔そして抗うつ剤まで――は、シナプス接合での神経伝達物質の放散あるいは受容のいずれかの方向に作用する。

 神経毒(Neurotoxic)
 神経を死滅させるあらゆる生化学的あるいは薬剤的な過程のこと。シャーレ皿の中(つまり生体外)での神経毒である何かは、必ずしも、実際の生命体(つまり生体内)での神経毒であるわけでなく、また、その逆もしかり。

 神経発生 (Neurogenesis)
 新しい神経が発生する生理学的過程。懐胎期間中、脳が形成される過程で、論理上、大量の神経発生がなされている。この過程は子供時代にも続き、思春期が終わるとほぼ半減する。しかし、成人期を通じ、また高齢期に入っても、脳の脳室の周辺で引き続いて起こっており、嗅球や局部神経回路に富んだ海馬のための細胞をつくっている。正常な記憶機能や躁鬱調整に対する成人の神経発生の重要性は、盛んな議論の的となっている。

 身体的成長因子 (Somatic growth factors)
 身体の臓器 (たとえば、筋肉、肝臓など) から血液循環の中に放たれた微粒子。第9章
〔原文では第8章とあるが誤り〕 では、ことに、身体運動に対応して放たれた微粒子のこと。

 
 相関関係 (Correlation)
 二つの変数間の直線的関係で、一方の変数にある増加を与えると、他方の変数の増加が予想できるもの。

 ち
 注目
(Attention)
 当面の特定な課題に集中を注いだり、ひと時に複数の課題に集中を分離させる能力を指す、認識野のひとつ

 て
 低密度コレステロール
(Low-density cholesterol (LDL))
 
「コレステロール」 の項目を見よ。

 に
 認識野
(cognitive domains)
 高次の脳機能を人間の日々の活動に重要な技能や能力に組み直す能力分野。例えば、記憶、注目、問題解決、抑制など

 認知症 (Dementia)
 進行性の認識機能の消失の非可逆的臨床症候群で、典型的には記憶障害から始まり、その後、日常の機能や活動に影響を与えるほどに悪化する。高齢期になって発症することが多いが常にではなく、若くして始まる認知症の例もある。認知症に関連する病理学的過程はアルツハイマー病と脳血管疾患である。

 
 脳血管機能
(Cerebrovasculature)
 脳に血流を供給する血管システム。大動脈、小動脈、そして毛細管が栄養に富んだ血液を供給し、小静脈と大静脈が栄養の使い果たされた血液を心臓へともどす。

 脳血管病 (Cerebrovascular desease)
 潜在的病理学から脳の血液供給までをカバーする広い用語で、大血管病――主要な動脈のつまりや出血を原因――と小血管病――栄養素を脳細胞に与える毛細血管の損傷を原因――を含む。
 
 脳梗塞(Cerebral infarction)
 脳卒中の同義語で、脳の部分への突然の血液供給の減少で、脳細胞の働きの乱れやその死をもたらす。

 脳室 (Ventricles)
 脳の奥深くにある液体で満たされた部位。その機能は、脳全体を浸す脳脊髄液 (cerebral spinal fluid) を生成し循環させること。

 脳卒中 (Stroke)
 別名、脳梗塞のことで、適正な血液供給が失われることで脳の組織が死亡すること。一般的な原因は、脂肪垢の堆積で主要な血管が詰まったり、血栓が上流ではがれて運ばれてきて、より細い血管を塞ぐことによる。特定の血管は、詰まりやすい特性があり、その血管によって血液供給されている脳の部分が影響を受け、典型的な症状をもたらす。そうした症状には、片側の足や手や顔の突然の脱力、突然の理解力、会話やその組立ての障害、突然の視力喪失、突然の歩行困難などがある。こうした症状が起こった時にすべき行動は、救急車を呼び、病院の救急部に出来る限り早急に行くことである。発症からベッドに入るまでの時間が、脳卒中の結果を決定する。

 
 灰白質 (Grey matter)
 神経細胞の本体部分からなる脳組織。神経のこの部分は髄鞘部 〔軸索を鞘のように覆う部分〕 ではないので、裸眼で見ると、髄鞘部の白質より黒っぽく見える。

 白質 (White matter)
 神経の軸索からなる脳組織。軸索がミエリンという脂質でおおわれているため、灰白質より白っぽく見える。

 
 微小血管病 (Microvascular disease)
 脳の内部のきわめて微細な血管におこる慢性的な病理で、毛細血管障害、微小出血、コレステロールの微小堆積、そして微小脳卒中が含まれる。

 ビタミンB12 (Vitamin B12)
 蛋白質の基本的構成成分であるメチオニンを合成する際に必要な必須ビタミン。

 
 服用依存効果 (Dose-depenedent effect)
 強力な調査方法のひとつで、外的作用もしくは危険因子が主要な結果とは関連を持っていない場合、薬剤の 「服用」 あるいは危険因子の度合いの段階の引き上げが、それに釣り合った結果の増加や減少を予想しえるもの。相互関係の概念に近い。

 
 ベータ・アミロイド (beta-amyloid or β-amyloid)
 蛋白質の一つのタイプで、アミロイド前駆体蛋白質 (Amyloid Precursor Protein, or APP) ――神経の、ことに神経のシナプス領域の外郭細胞膜全体を覆う――の分割によって自然に生成されたもの。神経活動はベータ・アミロイドの生成を促進し、反対にマイナスのフィードバックを通してシナプス活動を押さえ、生理学的機能に仕える。高レベルのベータ・アミロイドは(何らかの理由で)神経細胞外の間隙アミロイド垢としての堆積をもたらす。アルツハイマー病の古典的仮説によれば、これが神経毒となり、発病のきっかけとなる。

 
 星状膠細胞 (ほしじょうこうさいぼう Astrocytes)
 脳の中で、最も一般的なタイプの細胞で、神経細胞の10倍以上の数がある。それは重要な働きをもっており、その一つひとつが、微細血管から栄養素を神経に提供し、また、廃棄物質を排泄したり再利用する。

 ホモシスティン (Homocysteine)
 メチオニンの代謝過程の副産物で、新生児にまれな遺伝的異常を劇的に引き起こし、また重度の精神疾患そして心臓病とも関連している。ホモシスティンは他方、葉酸あるいはビタミンB12の栄養素摂取の不足、あるいは他の未解明の原因 (高ホモシスティン血症) がある場合、緩やかに 〔そうした異常を〕 引き起こす。高ホモシスティン血症は、心臓病や心臓マヒの危険の増大に関連付けられてきたが、最近では疑問視されている。

 
 無作為有対照試験(Randomised controlled trials)
 無作為有対照試験は、医学的真実の最終的な決定法である。ある治療が、ある特定の条件で、ある特定の患者集団に有効かどうかは、この試験をもってのみ正確に評価できる。個々の患者は、サイコロを投げるように無作為に、その治療とプラシーボ(偽薬)〔つまり無治療〕状態に選別され、通常、そうした選別は、試験が終了するまで知らされないままでおかれる。この方法によって、結果に影響を与える有知か無知かの背景変数が均等に各集団間に配置され、その影響度が最小限とされる。

 
 メタボリック X 症候群 (Metabolic X syndrome)
 糖負荷、コレステロール、高血圧、そして肥満といった無自覚な異状状態をさして、欧米の中年層で増加している診断。個別にはそれぞれの診断上の閾値を越えていなくても、それらの無自覚異状
が合わさると、慢性的な健康異状をもたらす高い危険因子となる。

 
 問題解決 (Problem solving)
 新たな解決法、世界のパターンの発見、挑戦の克服、そして、別の解決法を考えることを行う、認識野のひとつ

 よ
 葉酸
(Folate)
 
緑の葉野菜から発見されたビタミンで、胎児の正常な神経の発達に不可欠で、成人には、アミノ酸の一種であるメチオニンの生成に必要。経口葉酸の増加は、上昇したホモシスティンの治療に効果的。 

 抑制
(Inhibition)
 当初の 「本能的」 反応を抑え、所与の状況を考慮し、そして、幾つかの選択肢の中から最も適切なものを選ぶ能力に関係する認識野のひとつ


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