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<連載>  ダブル・フィクションとしての天皇 (第54回)


歴史の 「もし」

 前回の訳読では、「中国をめぐる世界の帝国主義間の確執として、日中戦争突入前の、日本と欧米諸国との間の駆け引きが描かれています」、と書きました。いわば、その駆け引きの中で生きる日本とするか、それとも、そうした西洋世界を敵にまわして威勢の良い日本となるか、そうした二つの日本のぎりぎりの分かれ道が、今回の訳読では論じられています。
 そういう当時の日本の中で、文字通り、孤軍奮闘していたのが、老西園寺公望です。
 もちろん、彼に近い人物は多くいるのですが、少なくとも、この原著者のバーガミニが描く限りでは、天皇裕仁と互角に対峙したのは、彼でありました。
 その、最終的場面での、彼のしたたかな振る舞いが、今回の訳読のハイライトとなっています。
 そして、 「もし」 彼がこの戦いに勝利していたら、その後に日本はどうなったのか、そうした歴史の 「もし」 をも思い起こさせてくれます。

 それでは、そのはらはらとすらさせられる、訳読の
最新部へどうぞ。

 (2011年10月21日)

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