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<連載>  ダブル・フィクションとしての天皇 (第66回)


「憲兵」 か 「秘密警察」 か


 またしても、訳語の修正です。
 原本に 「secret police」 という用語が幾度も出てきます。それを、 「憲兵」 と訳すべきか、 「秘密警察」 と訳すべきかの話なのですが、これまで、それに迷って、統一した対応をしてきませんでした。
 箇所によっては、どうも一つの用語で統一できないようにも解釈でき、ケース・バイ・ケースで対応してきました。ことに、満州において、警察活動が陸軍の憲兵で代行されていたのか、特別の警察組織があったのかよくつかめず、混乱のもととなっていました。
 それに、英語には、 「憲兵」 に当たる 「millitary police」 という語があり、それを著者が使っていない以上、別の警察組織のことか、とも考えられたからでした。
 そうした混乱を、今回、いまいちど調べ直してみて、日本語の 「憲兵」 ことに 「憲兵隊」 という用語は、英語で一般にいう 「millitary police」 とはやや異なる 「秘密部隊」 の分野を含むもようで、そういう関係から、著者のバーガミニは、 「secret police」 の用語を用いていたと推察されます。
 今回の見直しを機に、過去の訳についても、 「秘密警察」 としていたものをすべて 「憲兵」 に修正しました。まだ修正漏れがあるかもしれませんが、発見しだい直してゆきます。

 では、今回の訳読、第18章 (その2) へとご案内いたしましょう。

 (2012年4月18日)


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