直行便料金の比較
前回はオーストラリアと日本間を直行でむすんでいる航空会社について、スケジュールを中心にお話させていただきましたが、今回は料金を中心にお話したいと思います。
日本からの旅行者の数は、オーストラリア全体で見れば横ばいのようですが、私が住んでいるシドニーを例にとりますと、一番多かった90年代の初めをピークにして、確実に減少しております。大手旅行会社が取り扱っている旅行者の人数も、修学旅行生を除けば、減っております。
バブルがはじけてから、航空券やパッケージツアーの低価格化と、日本からの旅行者には嬉しい傾向でしたが、現地の旅行会社にとっては利幅が減ってしまい、リピーターやオプショナルツアーなどの現地販売を増やしてその差をいかに埋めるかが、死活問題になっているようです。
今後、日本の所得の伸び悩み、オーストラリアのドル高の影響により、ますます日本からの旅行者が減ることになるかもしれません。
こうした状況で気になるのは料金です。そこで、実際にオーストラリアと日本間の航空運賃についてに見てみたいと思います。ただしここではFuel Surcharge(燃料特別付加運賃)は考慮しておりませんので、燃料費が更に高騰すると、この料金も値上げになるでしょう。実際、JLは1月1日に、QFは1月16日より値上げしました。
現在直行便を運行しているのは日本航空(JL)、カンタス航空(QF)、ジェットスター(JQ)のみです。同一区間を2以上のキャリアーが運行するのは、成田〜シドニー間のみです。他は経由だったり、コードシェアー(共同運航)で飛んでいます。そこで、三社の運賃を比較するために、三社のコードシェアーになっている、大阪〜シドニー間を例にとって見たいと思います。この間はいずれの社でも発券可能ですが、機材及びサービスはJQによります。
以下、安いチケットの予約法の説明をしながら、その比較を見てみます。
安いチケットを予約する際の注意点
最近はインターネットの普及で、旅行代理店に頼まなくても、個人で安いチケットが手に入るようになりました。航空会社のWeb上で予約、購入すると運賃の割引やポイントの割り増し加算などのサービスもあるようです。今回、比較対象にした料金は、3月下旬の一番安い料金ですが、すべては予約が取れるかどうかによります。
Web上で予約すると、搭乗希望日に座席が取れなかったり、安い運賃の座席が予約できないときなど、別の日にどんな運賃で予約できるか、または近日で安い運賃で予約できる日を表示してくれたりします。予約日を変更できる人にとっては、嬉しいオプションです。安いチケットは、予約変更ができなかったり、キャンセルするのに、高いキャンセルチャージが掛かるなどの、厳しい条件がついておりますので、条件をよく把握してからお申し込み下さい。安さにつられて申し込むと、案外高くつく羽目になりかねます。
JLとQFは何日前に予約するかによって料金がきまります。ただし、何日前までに予約すれば、必ずその料金が適応されるという意味ではありません。フライトにより、その料金での発券できるは座席はいくつまでというように、座席数に限りがありますので注意してください。搭乗希望日が決まっていれば、早めに予約すればするほと、安い料金で購入できる可能性が高いわけですが、その日の前後に安い料金で予約可能であれば、予約日を変更するなどの柔軟性も必要です。
JLとQFは日本からの出発地が、東京NRT、名古屋NGO, 大阪KIX、札幌SPO、福岡FUKのいづれかで、オーストラリアでの目的地が、シドニーSYD、メルボルンMEL、アデレードADL、ブリスベーンBNE、ゴールドコーストOOL、パースPERであれば、経由のいかんに関わらず同一料金です。ただしストップオーバー(途中降機)などは、発券されるチケットによって、条件がことなりますので、航空会社や旅行会社にお問い合わせください。
2月1日から3月31日までの運賃、
JL Web悟空14 93,000 円〜
QF Advance 14days 92,000 円〜
料金はほぼ同じですが、いずれにせよ予約が取れることが第一条件でしょう。これに搭乗日の曜日により加算があります。Fuel Surchargeや税金は出発、経由、到着の空港によって違いますので、最終的には、利用する航空会社、空港によってかなりの差が生じます。
3月15日から3月31日までのJQの運賃
JQはJLやQFのような、何日前までに予約すればこの料金と言うような運賃体制はありません。あくまで空席の状況によって運賃が変更します。三段階の運賃があり、Jet Saver,Jet Flex, Star Classに分かれていますが、Jet Saver以外はかなりの運賃ですので、ここでは取り扱いません。表示額は片道料金で、往復の場合は2回片道料金を予約することになります。以下に示すのは、上記期間に予約可能最低料金です。これにFuel Surchargeと税金が加算されます。
OSA〜SYDの最低料金 35,000円
SYD〜OSAの最低料金 A$318
前回でもお話したように、Jet StarのJet Saver運賃は、すべての機内サービスが有料ですので、機内食とかを申し込むと、かなり高くつくかもしれません。また、Jet Starが飛んでいるオーストラリアの空港でしたら、スルー(乗継全行程)の運賃でそのいずれにも行けますが、日本からは名古屋または大阪のみの発着となります。
念のために6月の料金を調べると、OSA〜SYDが25,000円, SYD〜OSAがA$178(その他の費用含ます)と言うのがありました。このように、早めに予約するとかなり安いですが、キャンセルができないので、あまり早く予約するのも不安が残ります。
旅行会社が発券する航空運賃
私が始めて東京〜ロサンジェルスのチケットを買ったのは、1981年1月のことでした。当時、大韓航空はすべてハワイ経由で飛行していましたが、一年オープンの一番安いチケットが15万円ぐらいだったのを覚えています。ディスカウントチケットを取り扱っている旅行代理店も数が少ないころでした。
あれから当然物価は上がり、正規航空運賃も値上がりされていますが、巷には信じられないような安いチケットがあふれています。今では航空会社自体がディスカウントチケットを取り扱うようになり、大手旅行会社も参入し、それに、おこぼれに預かるかのように、多数の中小旅行会社が販売しています。
インターネットでは、沢山の会社がWeb サイトをもっていますので、運賃の検索から、予約、購入、入金、さらには発券まで、自宅にいて可能になってきました。また座席の指定も、航空会社のWeb上では可能ですし、チェックインや搭乗券の発券も可能になってきております。日本では携帯電話の普及に伴い、すべて携帯電話から可能になるときが、近い将来やってくることでしょう。
Googleで格安航空券を検索すると130万件以上の検索結果があります。各旅行会社のサイトだけではなく、運賃の比較検索ができるサイトもかなりあります。ここでは、実際にいくつかの代表的なサイトを検索して、比較してみたいと思います。
検索条件を同一にする。
出発地;大阪 到着地;シドニー
出発日:3月13日 帰国日:3月20日
なお、イースター(3月21日〜24日)は祭日になりますので、この時期は外しました。また、すべて最低料金を表示しました。
Yahoo Travel(たびゲーター使用) http://travel.yahoo.co.jp
直行便で検索すると該当なしになりましたが、大阪〜シドニーで検索したら492件あり。
航空会社未定(アジア系航空会社) 51,300円〜 (4日前までの予約)
日本航空(成田経由) 83,800円〜 (14日前)
Qantas(成田経由) 88,000円〜 (15日前)
Jetstar 89,000円〜 (1日前)
上記の料金をすべて、残席の確認はオンラインではできませんでした。JL, QFの直行便の料金は航空会社の出している料金と同じでした。
MSNトラベル http://travel.jp.msn.com
海外航空券をみると検索がJTB, JAL、HIS の三社から選ぶようになっていました
検索比較ができないので、サイトとしてはお勧めしません。
AB road http://www.ab-road.net
最低料金(ベトナム航空) 59,000円〜
日本航空(成田経由) 95,000円〜 (14日前の予約)
Qantas (成田経由) 91,700円〜 (14日前)
Jetstar 89,000円~ (1日前)
さすがリクルートと言いたいのですが、インターネットが普及していないころ、AB−roadと言う本を出版して、パッケージ旅行を比較紹介した会社ならではのノウハウを期待していました。しかし、他のサイトよりネームバリューで人気ランキングでも上位に位置しているようですが、私としては、検索結果にやや不満です。料金の紹介がたった2ヶ月前まででは、あまり役にたちません。海外旅行を計画する目安としては、せめて4ヶ月先の料金は表示してほしいですね。
検索結果に直行便となっているのですが、直行便の解釈が曖昧です。たとえば、大阪〜シドニーへダイレクトで運行しているフライトのみが直行便です。検索結果では直行便と表示されていても、詳細をみると、大阪〜成田経由でシドニーへの直行便でした。とても紛らわしいので、そのむねハッキリと表示してほしいところです。
最低料金(キャセイパシフィック航空) 83,000円〜
日本航空(成田経由) 109,000円〜 (14日前の予約)
Qantas (成田経由) 102,000円〜 (14日前)
Jetstar 94,000円~ (1日前)
直行便で検索すると、JLの運賃1件しか表示しませんでした。ディスカウントチケットの老舗ですが、あまり満足できる検索結果ではありませんでした。
最低料金(タイ航空) 62,000円〜
日本航空(成田経由又は直行) 95,000円〜 (14日前の予約)
Qantas (成田経由) 115,000円〜 (10日前)
残念ながら直行便での検索では、一件も表示されませんでした。QFの料金は高いのですが、これは10日前までの予約だからです。ただし14日前までの予約が表示されていなかったのは、当日予約がとれないせいかどうかはわかりません。Jetstarの料金は取り扱っていないのでしょうか、表示されていません。日本最大手の旅行会社のサイトとしては、ちょっと手落ちではありませんか。
検索サイトの評価
総評としては、沢山検索サイトがあるわりには、完全に満足いくサイトはありませんでした。検索サイトは運賃の表示期間が2〜3ヶ月のみ。結局どんな旅行会社が取り扱っているのかなという程度にしか利用できません。座席が予約できるもののみを表示するとかの検索機能も追加してほしいです。
また検索サイト上では、オンライン予約や、決算、E-チケット発券などは難しいようです。多くの旅行会社が、電話での問い合わせや、支払いを必要としています。すべての手続きが On-lineでできる日が待ち遠しいですね。
他にも沢山の航空運賃比較サイト、旅行会社のサイトがありますので、海外旅行をしたくなったら、まず検索サイトで運賃を検索してみる。それから旅行会社のサイトで、運賃、予約、購入条件を把握してから、申し込まれることをお勧めします。
旅行会社のサイトでは、超格安の運賃は見つかりにくいのですが、お正月、GW明けに、超目玉の運賃がよく発表されます。一番旅行者を集客しにくい時期に、航空会社とタイアップして、特別料金も運賃を発表するわけです。もちろん、時間とお金にゆとりのある人しか利用できないかもしれませんが、この時期を狙って旅行計画を立ててみてはいかがですか?
安い航空券やパッケージ旅行の情報を手に入れたいと言う方は、それぞれの航空会社、旅行会社のメーリングリストに登録されることをお勧めします。一般の人より、優先的に情報が入れば、それだけ安くチケットを手に入れることができます。
パッケージをツアーを利用する
おまけですが、短期の滞在をされるかたには、パッケージ旅行をお勧めします。チケットは安かったけど、現地のホテルが高かったり、空港から市内までの移動が心配とか言う方もいらっしゃいますよね。ホテルを手配する時間と手間を考えれば、パッケージツアーのほうが安く上がります。初めてその国に行く場合は、特に安心ですね。
ワーキングホリデーや、留学の方にもお奨めです。いづれかの都市に落ち着く前に、旅行者気分で眺めてみると、その街の様子が、別の角度からわかります。長期で滞在を予定している人は、渡航の際にかなり緊張していて、最初の二三日で、ホームシックに掛かる方も多いです。友達や家族を誘って旅行しながら、目的地に落ち着くなんて如何ですか?
一ヶ月〜三ヶ月以内の滞在でしたら、パッケージを催行している旅行会社に問い合わせれば、条件に合わせて対応してくれるでしょう。もし対応してくれないような会社でしたら、そのうちつぶれるでしょう。