住宅バブルの終焉
昨年末の二ヶ月連続の政策利率の引上げ(合計0.5%)により、オーストラリアの加熱気味の住宅市場に効果的にブレーキがかかり、住宅バブルが終わりつつあるとの見方がひろがっています。
昨12月以降4ヶ月間、連邦準備銀行はその政策利率を4.25%に据え置いてきました。5月も、同銀行がどのような決定を行うか注目されていましたが、ふたたび据え置きを決定し、利上げによる市場の行過ぎた冷え込みを心配していた不動産業界に、とりあえずの安堵を与えています。
連邦準備銀行は、この決定に先立って、独自の市場調査を行い、1−3月四半期で、全国平均の住宅価格が8.4%値下がりしていることをつきとめ、この決定のひとつの要因としました。
都市別にみると、最も値下がり率の大きかったのはメルボルンで14.5%、つづいてシドニーの10.5%でした。他の州首都も、アデレイドの2.7%増を唯一の例外に、もう少し穏やかながら、値下がっています。
オーストラリアン紙によると、シドニー北東のヒルズ地区では、昨年、67万ドルほどで売れていた住宅が、今では10万ドル、つまり15%ほど値下がりしていると報じています。
住宅産業協会の調査では、昨年のピーク時より、新築住宅数は35%減少しています。ただ、同協会は、こ程度の低下はおだやかなもので、住宅市場が崩壊過程に入ったものではないとしています。
連邦準備銀行も、住宅市場でのこうした下降が、いっそう深刻な不安定をもとらすものではないと観測しています。ただ、オーストラリアの多くの家計が重いローンかかえており、負債の可処分所得に対する割合が、過去最高であった1980年代末の17%をこえていると指摘しています。
(2004.5.9)
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