公定金利 6.25%に引上げ
オーストラリア連邦銀行は、11月8日、公定金利を0.25パーセント引上げ、6.25パーセントとすることを決定しました。この決定は、市場の予測にそったものですが、経済的にも政治的にも、予断を許さないものへとなってきています。

下の最初のグラフが示すように、金利は、に2002年前半を底に、この4年間、上昇の一途をしめしてきています。前号(11月1日号)でも述べたように、これは、連銀が設定したインフレ目標値を上回る物価上昇が続いているためで、好調な経済の反映とも言えますが、いよいよ、金利高が経済を窒息しはじめるのではないかとの懸念も生み始めています。

他方、政治的には、2004年に行われた総選挙で、政府は、野党労働党時代(1996年以前)の高い金利を攻撃材料として、選挙に四連勝したいきさつがあります。つまりは、今度は、同じ攻撃を自ら受ける立場となっているわけで、来年に予定されている次回総選挙の論戦のキーポイントとなりそうな情況です。

また、下の第二の諸グラフは、連銀のこの引上げ決定の背景を物語るものです。その解説を訳せば、【生産高】 世界の経済は2006年、強い成長をみせ、2007年も平均以上の成長が見込まれており、【産品輸出】その世界経済の拡大が、産品価格を上昇させ、オーストラリアにも今後、成長要因となりえるが、【旱魃の影響】連銀は旱魃が経済に与える影響を懸念するものの、インフレの中期的見通しには影響しないものとし、【雇用状況】労働市場は引き続き逼迫している一方、産業の施設の稼働率は高い水準に達し、【賃金・物価】生産品価格は、7−9月四半期で大きな上昇をみせ、【インフレ】連銀は、インフレが2-3パーセントの域を、中期的に上回る可能性が大とみて、重視している。


   



 資料出所:Australian Financial Review, 9 November 2006.

(2006.11.15)

                                              政治・経済 もくじへ
                                                   HPへ戻る

HPへ戻る