ハワード政府の「票買い2007予算」、決定打にならず
5月8日、ハワード首相率いる自由・国民党連合政府は、2007年度の政府予算を発表しました。今年の予算の特徴は、今年末に予定されている総選挙を狙ったもので、世論調査で大きく水をあけられて不利を示す現政権にとって、その巻き返しをねらう大きなチャンスと期待されていたものでした。

絶好調を示す経済のお陰で、政府会計も大きな黒字を示し、その潤沢な財源を生かした大幅な減税が2007年度予算の特色となりました。ニュース報道も、「票を買う予算」との見出しを掲げ、政府のねらいをずばり表現しました。

しかし、13日に発表された世論調査(予算発表後に調査)では、こうした政府の大判振る舞いにもかかわらず、期待された世論の反転はほとんどおこらず、与党自由・国民党連合と、野党労働党への支持率が、それぞれ43および57パーセントと、相変わらず、労働党の圧倒的な強さを継続したものとなりました。この結果は、前回調査より、1パーセントずつ、与党にプラス、野党にマイナスとなっただけでした。

この世論調査で、さらに注目されるのは、ハワード首相の地元選挙区で、労働党の新人候補が2004年の前回総選挙の得票率を18パーセントポイントも上昇させ、46パーセント対44パーセントと、現職首相の落選がすら予想される結果が出ていることです。

この新候補者は、かってABC放送のベテラン女性ニュースキャスターが、その経歴を生かして政界に転進してきているもので、文字通り、労働党にとっては切り札、ハワード首相にはその面子をもかけた好敵手となっています。

(2007.5.14)

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