日本でもかつて、石炭が「黒いダイア」とよばれた時代がありました。オーストラリアの主要輸出品である石炭も、国際市場価格の跳ね上がりで、まさに、「ダイア」の輝きを増しています。
先週、日本の中部電力がスイスの資源会社 (Xstrata社) との契約において、発電用石炭 (thermal coal)
トン当たり125米ドルと、昨年価格の120パーセントの引き上げを認め、これが日本向け輸出の基準価格になると見られているためです。
この大幅な値上げは、すでに製鉄用石炭 (coaking coal) がトン当たり300米ドル以上と、220パーセントの跳ね上がりの後に続くものです。
オーストラリアにとって、製鉄用石炭 は第二の、発電用石炭は第三の輸出品で、近年、停滞していた価格状況があっただけに、この急激な上昇状況に大きな期待が寄せられています。
下のグラフが示すように、こうした契約価格の上昇は、それに先立つスポット価格の高騰に続くものです。そうしたスポット価格の上昇は、オーストラリアの生産地での洪水による水没や輸出施設の能力不足、南アフリカの生産減、中国の石炭輸出の制限などによる国際的供給不足によるものです。
ことに中国は、その全発電量の80パーセントを石炭に頼っており、しかも発電需要は年20パーセント以上も拡大し、これに製鉄用石炭の需要も加わり、国際的石炭供給のひっ迫は持続するものと見られています。
資料: The Weekend Financial Review, 10 April 2008.
(2008.4.14)
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