前回お伝えしたように、オーストラリア準備銀行は、政策金利を四か月連続して7.25パーセントに据え置くことを決めていますが、先週金曜(7月11日)、コモンウェルス銀行とANZ銀行は、住宅ローン金利を引き上げると発表しました。
いずれも、資金調達金利が上昇していることによる引き上げで、それぞれ、年利を0.14および0.15パーセントポイント上昇させました。その結果、コモンウェルス銀行の場合では、ホームローンの標準的な変動利率では年利9.58パーセントとなり、日本の常識では、まるでクレジットカード利率かと間違えそうな高さになっています。
このため、当然に、住宅ローンの需要は急減(5月の自宅購入者ローンは前年比で7.9パーセント下落)しており、住宅供給も需要を下回り、賃貸家賃の高まりを招いています(グラフ参照)。
また、下右のグラフが示すように、消費意欲も急減しており、景気に重い足かせとなりつつあります。
また、こうしたローン利率の上昇は、家計における負担比重を急速に増加させてきています。右のグラフは、ローン返済額の平均週収入に対する割合(%)の変化を都市別に表わしたものです。シドニーの高さを、他都市が追い上げています。
資料出所:Australian Financial Review, 10 & 14 July 2008.
(2008.7.14)
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