WA選挙、劇的な裏目に
敵の混乱を突いたはずの先制攻撃は、選挙民の大きな反発をかい、オーストラリア政治の近年の最大の特徴であった労働党の全国完全支配を崩す結果となりました。

9月6日に行われた西オーストラリア州議会議員の繰り上げ選挙の結果は、僅差のため即日開票では勝敗は決まらず、郵送投票や振り分け票
(注記参照)の集計に手間取り、一週間後にようやくその結果が出ました。それによると、労働党、自由党とも過半数をとれず、キャスティングボードを握る国民党が、どの党と連立体制をとるかが注目されていました

なお、選挙結果は、労働党が労働党寄り無所属1を含め28、自由党が24、国民党が国民党寄りの無所属1を含め5、完全無所属2、となりました。ただ、自由・国民連立でも、総数59議席の議会の過半数には達せず、この先4年間の議会運営の困難が予想されています。。

14日の日曜、国民党は最終意思決定のための会議を開き、自由党を選ぶこととしたため、労働党の敗北が決まって政権を失い、この繰り上げ選という賭けを選んだカーペンター現労働党州政府首相はその責任をとって州労働党リーダーの席から辞任しました。

こうして、連邦そしてすべての州・準州議会を制覇していた労働党支配が崩される結果となり、オーストラリア政治が新たな時代を迎える兆しかとみられています。

(注記: オーストラリアの投票には、投票者の好みの度合いに応じて候補者に順番をつけて投票する、プリファレンス投票制というユニークな方法が採用されている。そのため、過半数獲得者が決まらない場合、その順番による下位票数の振り分けが過半数獲得者が決まるまで行われ、その集計に時間を要することとなる。)

(2008.9.15)

 
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