失業問題、これからが本番か
統計局の発表によると、6月の失業率は0.1パーセント悪化して、5.8パーセントとなりました(第一グラフ参照)。これは、最近、6年間での最悪のデータです。また、一年を通しての雇用の増減率(第二グラフ参照)では、1993年以来初めてのマイナス値、−0.2パーセントとなりました。

ただ、こうした深刻化する状況のなかでも、今回のオーストラリアの雇用情勢には、その深刻化が予想外に穏やかで、その原因は、フルタイムの雇用に顕著な減少がみられるものの、パートタイムの雇用が、こうした不況のなかでも上昇し続けている(第四グラフ参照)ことにある、と見られています。

つまり、オーストラリアの経済は、これまでのところ、フルタイム職がパートタイム化されることにより、この不況を乗り切ろうとしていることです。

これは、第三のグラフで示されているように、この不況が始まるまで、労働力参加率が上昇の一途であったように、オーストラリアでは求人がきわめて困難な状況があったことから、各雇用主が、解雇には慎重になっていることがあるものと見られています。

しかし、パートタイム職の上昇も天井が見え始めており、不況が続けは、それも下降に転ずる可能性があります。もしそうなるとすると、いよいよ、本格的な失業問題が始まるということとなります。

      

  (出所: Australian Financial Review, 10 July 2009)

(2009.7.11)

 
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